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「理想的な淡水水槽」 11.1.2. 藻やコケを食べる魚 前編


デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

11.1.2. 藻やコケを食べる魚 前編



この章で述べる藻やコケを食べる魚のリストには多くの魚種が並んでいるが、水槽の大きさや設備について特に慎重になる必要はなく、どの魚種を選択しても問題は起こらない。

Epalzeorhynchus(Crossocheilus) siamensis(サイアミーズ・フライングフォックス)は、尖った口を持つタイ産のコイ科の魚で、藻やコケを食べるという能力については王者と言える。この魚はアクアリアナーに最も嫌われるヒゲ状藻や糸状の緑藻が大好物だが、幼いうちに人工飼料に慣れさせると、藻やコケを食べなくなってしまう。

同じ仲間で美しいヒレを持つEpalzeorhynchus kallopterus(フライングフォックス)も藻やコケを除去する目的で水槽に入れられるが、より多く藻やコケを食べるのはサイアミーズ・フライングフォックスである。

ナマズの仲間であるOtocinclus affinis(オトシンクルス・アフィニス)やOtocinclus vittatus(オトシンクルス・ヴィッタートゥス)は毛皮状藻などだけでなく、浮遊している藻やコケの「退治屋」として知られている。しかしこの種類の魚は非常に臆病で、他の同居魚たちに仕事を邪魔されることも多く、コケや藻の除去効率はあまり高くない。

Poecilia sphenops(ブラックモーリー)には、観賞用改良種でフォークのような尾を持つPoecilia sphenops var.(ライヤーテール・ブラックモーリー)などが知られているが、いずれも水槽内で藻やコケを食べる魚として勧めることができる。藍藻毛皮状藻などを好んで食べる。

Guppy(グッピー)の名で知られるPoecilia reticulataは、見落とすことのできない「藻食魚」であり、初心者でも飼育できる観賞魚として広く愛好されている。

Gyrinocheilus aymonieri(アルジイーター)はタイ産の小型のドジョウの仲間で、長年にわたり水槽の「藻食魚」リストに載ってはいるが、藻やコケを食べるという以外の性質でも非常に有名である。成長するに従い性格が獰猛になり、他の同居魚に暴力を振るうようになるのだ。

Homaloptera zollingeri(リザードフィッシュ)は様々な名前で呼ばれる魚である。藍藻を食べる性質が知られている。

Ancistrus dolichopterus(ブッシープレコ)はヒゲを持つナマズの一種である。その仲間で体表に斑点を持つAncistrus leucostictusは、エキノドルスの仲間が植えられていない水槽でという条件付きではあるが、コケや藻の掃除屋として勧めることができる。この魚はエキノドルスの葉の筋だけを残し、葉肉をすべて食べ尽くしてしまう。この魚を飼育しているアクアリアナーの多くは、この魚に流木や木の根を与えることを推奨している。この魚は生存条件として多量のセルロース(繊維質)を要求するからだ。しかしこの点を除けばこの魚は非常に優れた「藻食魚」であり、アヌビアスの仲間に発生する黒点状のコケを食べ尽くして水槽を美しく保ってくれる。


Gyrinocheilus aymonieri(アルジイーター)



Epalzeorhynchus(Crossocheilus) siamensis
サイアミーズ・フライングフォックス



Poecilia sphenops(ブラックモーリー)



※11.1.2. 藻やコケを食べる魚
後編へ続く



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