ティンクル・ティンクル・リトルぷりんせす

　またもや春の新番組の季節が来ました。数え方にもよりますが、地上波とＢＳで見られるのは２０本台にとどまりそう。２００８年は４０本台、０９年は３０本台だったはずなのに。「景気わりーなちきしょー」と酒をあおりつつ、感想をメモする酔いどれ視聴は今年も続けます。ちょっと酔っぱらいノートをのぞいてみましょうか。

　「フリクリでビッグオーで幻魔のベガ？　カミナリでおもちゃがスーパーロボに、ってそんな。命令の仕方がモタモタしててダメ！と息子からツッコミ」

　「Ｈ友１００人できるかな　とんだ童貞エクスプロイテーション　するしないで何回もたせるのか？」

　「イケメンライダーのアメリカンジョークがイミフメー」

　「ヒロイン２人？区別つかんぞ髪の色かえてー　ツンデレの上にツンデレを架す」

　「大魔神まだー？」

　「美形新撰組で吸血鬼ハーレム」

　「魔王候補の少年めぐるハーレム　パンツｖｓふんどしの戦い」

　「鹿賀丈史！ささきいさお！船越英一郎！　狙いは中年層か？でもＣＭはタカラのおもちゃ　超ざっくりした話なのに脚本家が７人（みな中国人）絵コンテ７人（みな日本人）」

　「絶望先生がテンパってて、電波な女の子に言い寄られる　いつもこうだな」

　「林原めぐみが『尻の穴にガラス棒を突き込まれた』て言った」

　いやー相変わらずロクでもないことを書いてますね。すべて酔っぱらいのたわごとなので許して下さい。

　メモを見返して驚くべき事実に気づきました。「ジュエルペット　てぃんくる☆」と「ひめチェン！おとぎちっくアイドル　リルぷりっ」というかなり似通ったアニメが同時に始まったことです。これは「バンパイヤもの」がダブったり「三国志もの」がダブったりするのとはワケが違うのです。

　前者は、サンリオとセガトイズが共同開発したキャラクター「ジュエルペット」のアニメ新シリーズ。魔法界からやってきたジュエルペットのパートナーになった女の子たちが、魔法を学んで魔法コンテストの「ジュエルスター」を目指す物語だそうです。「ひめチェン！」はセガのカードゲームのアニメ化。「おとぎの国」から来た「魔ペット」とペアになった女の子たちがアイドルデビューし、人々の心の中の幸せ「ハピネストーン」を集める物語だそうです。

　魔法に変身、かわいい小動物、３人の女の子（脇役の髪の色が同じ）と、どう見たって似てます。放映は同じテレビ東京系、製作に入っているのはセガグループ。女児向けにグッズを売るのを目的としたアニメのようですから、つまりバンダイの「プリキュア」（テレビ朝日系）という強敵を相手とする厳しい戦いに挑むというのに、自分でライバルを増やすってどういうこと？　党を細かく割って民主党に挑む自民党のようなものでしょうか（ちょっと違う）。そういえば、昨秋始まった「あにゃまる探偵キルミンずぅ」もやはりテレビ東京系で放映中で、どう見ても女児向け玩具を売るためのアニメっぽかったのに（最近見てないけど）まだ玩具は出てないみたい。なんなのでしょう、この乱立っぷりは。

　とあるベテランプロデューサーが、７０年代を回想しての話ですがこうおっしゃっておりました。「男の子はロボットものといったらどの番組も見る。その代わり移り気。女の子は、ある魔女っ子ものが好きになったらその番組一筋。浮気せず長く付き合ってくれる」。果たして、てぃるミンかリルキルかぷりくるは――間違えた、てぃんくるかリルぷりかキルミンは、ダンス！ダンス！で快調な「ハートキャッチプリキュア！」を脅かすことができるんでしょうか。