吉野家牛鍋丼のマーケティング | 売れる仕組み=マーケティング研究所所長 関西学院 准教授 理央 周(めぐる)

吉野家牛鍋丼のマーケティング

昨日から吉野家が、創業111周年記念として牛鍋丼を発売開始した。

マーケティング エヴァンジェリスト 理央 周のBusinessJIN宣言!!

並盛りが1杯280円。
看板メニューの牛丼が380円なので、こちらよりも100円安い。

牛丼の価格戦争が結構前から話題になっているんだけど、
たとえば、すき家の並盛りは280円で吉野家よりも100円安い。
メニューもこんな感じで百花繚乱。
⇒ すき屋のメニュー

お客さんからしたら、選ぶ楽しさもある。

松屋の牛丼は、通常320円を9月16日までは250円。
名称は牛めしで、店内では味噌汁がつく。
メニューも同様に、カレーを始めいろいろとある。

吉野家は、ラインナップ的にどうかと言えば、
基本は牛丼だけで、後はサイドメニューと朝定食。

また、広告も結構違っていて、すき家のTVCMは、
家族で行こう!的な表現になっている。

もうひとつの違いは、牛肉の産地で、
吉野家はアメリカ産で、すき家と松屋はオーストラリアとのこと。
その差も価格差に出ているんだと思う。

吉野家は、牛丼の代名詞っていう感じで老舗。
すき家のゼンショーや松屋フーズは、チャレンジャーとして吉野家に挑んでいた。

現在、売り上げ高においてすき家が吉野家を抜いたとのことだけど、
デフレで価格差が消費者の選択にかなったっていう見方が多い。

それに加えて、プロモーションの打ち出し方とメニューのライン・アップが、
現段階では、消費者志向がすき家のマーケティングにマッチしているんだと思う。

ただ、今回の牛鍋丼に関しては、
“牛丼を値下げしなかった”っていう点において、とてもいいと思う。
安易な値下げは、価格競争を引き起こして利益を圧迫する。

さらに、次に値上げした時の“がっかり感”はいなめない。

なので、100円安い商品ラインナップを付け加えた戦略は、
マーケティング的には正しそうに思われる。

この手の新商品の結果が出るのは数カ月先だと思うんだけど、
ちょっと注目したいなと思う。




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理央 周(めぐる)