相場博士(ファンドマネージャーのテクニカル分析)

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日銀の追加金融緩和で円買い一服感から円売りに発展するか?!

2010-08-29 19:44:17 | 主な経済指標
日本銀行は週明けの30日にも臨時の金融政策決定会合を開催し、追加の金融緩和を議論する可能性があると報じられている。年0.1%で3カ月の資金を貸し出す新型オペについて、期間や資金供給量を拡大することなどを検討するとしている。

これを契機に円買いのポジション調整で円売り圧力が一時的に高まり、27日金曜日の米国株式相場の上昇を受けた日本株の上昇も加わり、円安・ドル高に振れる局面が想定される。しかし、金曜日発表の雇用統計では相変わらずの雇用低迷が確認される見通しでこの円安・ドル高局面が長続きする可能性も限定的である。

短期的には、ドル売りシグナルの消滅ポイントとして指摘していた東京市場終値ベースの85.00 以上が重要である。27日のNY市場では85.25で終えているが、このまま86.00以上で東京市場を終えることができるかが次の焦点である。86.00を上回れば短期的には“向き”が変わり、88円台後半から89円台も期待できると考えられる。ただし、株高に伴うリスク選好(リスク回避姿勢の緩和)はドル安であり、クロス円の上昇に伴ったドル円の上昇に繋がるかどうかはそのときの雰囲気、流れ次第と考えられる。

日銀が緩和政策をとっても、FRBも追加緩和姿勢をとれば日米金利差の拡大とはならず、金利面からの支援も限られると考えられる。
米国のドル安政策の下では、円安も限界があるだろう。