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「理想的な淡水水槽」 9.1.4. 塩分の少ない軟水の河川

デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

9.1.4. 塩分の少ない軟水河川


今まで行ってきたどの調査においても熱帯河川の水は非常に塩分が少なく、極端な軟性を示すということが我々を驚かせ、そして夢中にさせた。塩分含有量が高まるごとに熱帯河川の水質は、実験室内で行うやや汚染された蒸留水との比較に耐えることができるようになる。つまり塩分含有量が極めて少ない熱帯河川の水は、当然栄養分も乏しいに違いないと推測することができる。しかしそのような水に水草の種類が豊富である事が、この結論が間違っていることを教えてくれる。また熱帯河川における水草の種類の豊富さだけでなく、その密度にも驚かされる。

さらに熱帯河川の水質分析は、次のような事実も裏付けている。水の中に栄養素の欠陥が存在しないということである。1種類の栄養素も欠けていないのだ。さらに、生物の生命維持に不可欠なトレーサー元素も完全に揃っている。これは我々にとって長い間解くことのできなかった謎であった。というのも、水草の分布とその栄養分の需要との関連から、計算上では水中から植物の活動によって失われるミネラルや栄養素は、どこからか即座に減少分が供給されていると考えなければならないのである。事実我々は、何度となく完全に矛盾した状況に遭遇した。ある地点での測定値よりも、その下流での測定値の方が高い値を示し、栄養素の集中がより下流で起こっているという状況すら生じていたのである。

我々は、水槽で育てられる水草の成長に対して有効な、秘密の条件が上記の調査結果に含まれていると考える。この栄養素の供給に関する謎を解決するべく、次の章に移ることにしよう。


参考資料:クリプトコリネが生息する小川の水質分析

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沈殿 マンガン カルシウム マグネシウム カリウム ナトリウム 





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