サンプドリアとのセリエA第35節で逆転負けを喫してから一夜明け、ローマのサポーターは信じられない思いで目覚めを迎えた。だが、今のローマは泣いてなどいない。過去数年で最も悔しかったことを忘れ去ろうと努め、土曜に行われる次節パルマ戦のためにチケットを買おうと、列をつくっているのである。

26日の午前から、ローマの街にある複数のチケット販売所では、長蛇の列が生まれている。サポーターたちはまだスクデット獲得を信じているのだろうか? 多くのファンはそうである。だがどうやら、最終的な結果がどうなるかは別として、特にファンは開幕時に見下されていたチームのそばにいたいと思っているようだ。

それは、サンプドリア戦終了後の長い拍手にも表れている。まるで実質的に消え去ってしまった夢への落胆のすべてを、情熱で打ち消したいと思っているかのようだ。ローマサポーターに用意された2500枚のチケットだけでなく、彼らはほかのセクションのチケットも手に入れようとしている。ロマニスタたちはこの一戦を逃したくないのだ。よく言われるように、夢を見ることはタダだからである。

一方、サンプドリア戦についてファンの評価は分かっている。ロゼッラ・センシ会長と同じく、敗北を受け入れずに主審のジャッジへ怒りを見せ続けている者もいれば、クラウディオ・ラニエリ監督の性急な交代策から、正確性を欠いたFWミルコ・ヴチニッチまで、何をサンプドリア戦で間違ったかを見ようとする者もいる。また、前を見ようとする者もいるのだ。

決して簡単ではないものの、パルマ戦の勝利は確実との見方もある。ローマの試合の翌日、インテルはラツィオと難しい一戦を迎える。あの、インテルが最終節でスクデットを逃した「5月5日」の対戦相手だ。だが、今回ラツィオがインテルの足を引っ張れば、喜ぶのはユヴェントスではなく、ライバルのローマとなる。考えられないことだ。

しかし、インテル戦の前にアタランタがボローニャを下した場合、状況が変わるという見方もある。アタランタが勝てばラツィオとの勝ち点差は暫定で3ポイントに縮み、ラツィオはセリエA残留を確実にするために、インテル戦に臨むことになるからだ。ラツィオのエディ・レーヤ監督は、次のように話している。

「状況はよく分かっているが、我々はまだ残留が決まっていない。(前節)ジェノア戦のように戦えれば、インテル戦でも負けないと思う。勝ち点を手にすると確信しているよ。それが必要だしね」