IAEA事務局長、イスラエル大統領らと会談
【カイロ=安部健太郎】イスラエル訪問中の国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は25日、ペレス大統領、メリドール副首相兼情報・原子力相と相次いで会談した。一連の会談ではイランの核問題や、事実上の核兵器保有国とされるイスラエルの核拡散防止条約(NPT)未加盟問題などについて協議したとみられる。
ペレス大統領は数年内に核兵器開発の可能性があるイランについて「イスラエルと世界はイランの脅威の下にある」と改めて主張し、「国際社会とIAEAは厳しく接すべきだ」と求めた。
天野氏はイスラエル滞在中にIAEAの査察対象で、研究炉を持つソレク核研究センターを視察。NPT未加盟のため、ネゲブ砂漠ディモナにある核兵器関連とみられる施設の査察はできない。IAEA事務局長のイスラエル訪問は前任のエルバラダイ氏が2004年に訪問して以来。訪問は9月のIAEA総会で同国の核問題について報告する予定があるためとみられる。