米財政赤字、11年度もほとんど改善せず
今後10年の見通しを修正
【ワシントン=御調昌邦】米政府は23日、今年2月に公表した今後10年間の財政・経済見通しを修正したと発表した。2010会計年度(09年10~10年9月)の財政赤字は1兆4710億ドル(約129兆円)と、過去最悪になるとの見方を継続。11年度も1兆4160億ドルとほとんど改善せず、財政赤字が大きく縮小するのは12年度以降になる。実体経済では、失業率(年平均)が6%を割り込むのは2015年になると予想した。
今回の見通しは、米行政管理予算局(OMB)が今年2月の予算教書を改定する形で発表。10年度の財政赤字の予測は今年2月時点に比べると、預金保険への歳出などが当初より少なくなるため840億ドル下方修正した。ただ過去最悪だった09年度の1兆4157億ドルは上回る。
一方、11年度については、2月時点に比べて歳入が減少するとの見方から、財政赤字額を約1500億ドル上方修正した。
OMBは今回示した財政見通しについて、オバマ大統領が掲げた4年間の任期中に財政赤字の規模を半減させるとの目標に沿っているとの認識を示した。
景気情勢では、鉱工業生産や実質可処分所得などが改善してきたことを示したうえで「経済は依然として悪戦苦闘している」と指摘した。