30日の第22節でレンヌを相手に4―0と大敗し、今季17敗目を喫したグルノーブル。11月に3試合連続で引き分けて開幕からの連敗をストップ、第16節でようやく今季初白星をあげたものの、その後はまた“連敗街道”を進んでいる。

 冬の移籍市場の間に何とか選手の補強をしたいところだったが、間もなく閉幕を迎える現時点で獲得状況はゼロ。業を煮やしたバズダレビッチ監督が、レキップ紙に意中の選手を公表する事態に至っている。

 監督の“ご指名”は、昨シーズン終了とともにモナコとの契約が切れたMFのカメル・メリエム(30)。98年にソショーでデビューして以来、リーグ・アンで257試合の出場を誇るベテランだ。非凡なテクニックをもつゲームメーカーで、一時はボルドーでジダンの後継者としての期待がかけられた。ドメネク監督からフランス代表に招集を受けたこともあるが、2005年3月を最後に代表キャップは「3」で止まっている。

 そのメリエムにはつい最近、プレミアリーグのブラックバーンから声がかかったばかり。半年以上のブランクを経てようやく復帰かと思われたが、ブラックバーンに外国人選手が多すぎるという理由で、リーグから選手登録を却下されるという結果に終わった。

 バズダレビッチ監督は、「彼のような選手なら、我々にプラスの効果をもたらすだろう。チームがシーズンをきっちり終える助けになるはずだ。(1部)残留できるに越したことはないし、たとえ降格するにせよ、若手にとっていい手本になる」とメリエムの獲得を熱望している。チームのDFダヴィッド・ソジェが義理の兄弟という縁もある。

 しかし現実には、「首脳陣は高いと判断するだろう」とあきらめ気味のバズダレビッチ監督。半年以上のブランクがネックという声も予想のうちで、「そんなことは恐れていない。シーズン途中で15敗もしてしまうことのほうが、よっぽど恐ろしいと思うのだが」と補強に消極的なクラブに対する不満も覗かせた。

 サポーターから日本語で「恥を知れ」と書かれた横断幕を掲げられたグルノーブル経営陣(日本のインデックス社)。ついに何も手を打たないまま、移籍市場の閉幕を迎えてしまうのだろうか。