鶏卵をめぐる情勢
(1)需給概要
鶏卵の需給は、これまで食生活の高度化、多様化に対応して着実に増加してきたものの、近年はほぼ横ばいで推移。
国内の供給量はほぼ需要を満たす水準で推移。
資料:農林水産省「鶏卵流通統計」、財務省「日本貿易統計」
注1:18年度以降速報値。 2:4年1月より輸入の殻付き卵換算係数を変更。 (2)消費動向
家計消費は、近年ほぼ横ばい傾向で推移していたが、最近は減少傾向で推移。
増加傾向で推移していた業務・加工用も7年度以降はほぼ横ばい。
18年度における消費形態は、家計消費51%、業務・加工用49%。
一人当たり消費量は世界でも最高の水準。
資料:総務省「家計調査」、農林水産省「食料需給表」
注 :11年度以降の業務・加工用及び総消費量の数値は生産局推計。 (3)供給動向
生産量は、これまで需要の増加に対応して着実に増加してきたものの、近年は、生産資材(配合飼料)価格、鶏卵価格等の影響を受けながら、概ね横ばいで推移。18年度は前年度比1.4%増、19年度(4~12月)は前年同期比4.5%増。
ひなえ付け羽数は、18年度は前年度比0.7%増、19年度(4~1月)は前年同期比1.3%減。
輸入量は、国内の鶏卵生産・鶏卵価格の動向、為替レート等の影響を受けながら変動しているが、全需要量の4~5%程度で推移。
主な輸入相手国は、アメリカ、オランダ、ブラジル等。
資料:農林水産省「鶏卵流通統計」
注:平成18年度以降は概数値。
資料:農林水産省「鶏ひなふ化羽数調査」
資料:財務省「日本貿易統計」
(4)経営状況
採卵鶏の飼養羽数は、小規模層を中心に毎年減少しており、19年2月1日現在の飼養戸数は3,460戸と前々年比4.2%減少。
成鶏めす飼養羽数は、11年以降わずかに減少傾向で推移していたが、19年の飼養羽数は143百万羽と前年比4.3%増加。
一戸当たりの飼養羽数は、一貫して増加しており19年は前年比9.0%増の41,300羽。
19年における成鶏めす羽数規模5万羽以上層の飼養戸数は664戸(全体シェアの21.0%)、飼養羽数は109百万羽(全体シェアの76.8%)。
資料:農林水産省「畜産統計」、「家畜の飼養動向」(各年2月1日現在)
注 :種鶏のみ飼養羽数を除く。 3~9年は成鶏めす羽数300羽未満、10年以降は成鶏めす羽数1,000羽未満の飼養者を除く。 (5)価格動向
鶏卵に対する需要はほぼ横ばいで推移しており、かつ、95%を国内で自給しているため、主な価格変動要因は、国内生産量の増減(わずかな生産量の変動が大幅な価格変動につながる)。
鶏卵価格の変動は、毎年の季節的な需給バランスによる変動(季節変動)と、5~6年を周期とする変動(エッグサイクル)が存在。
卵価は、12年5月以降は、需要が低迷したこと等から低水準で推移していた。15年度は価格が大きく低迷した反動から、生産者が減羽等に努めたことにより、16年は秋以降、価格が例年より高水準で推移したが、17年度以降、落ち着きを取り戻している。
我が国における鶏卵の小売価格は、国際的に見ると低い水準。
注1:小売価格は、14年7月よりMサイズ1㎏からLサイズ10個に変更
注2:19年度の農家販売価格は1月までの平均。 |