昭和１５年（１９４０年）が皇紀２６００年で、国を挙げて大々的に祝賀行事を行いました。今年は皇紀２６６６年にあたります。 神武天皇が即位した年（紀元前６６０年）を紀元として計算する皇紀は、明治６年に施行された太政官布告により制定されました。 これが、歴史上国が認めた唯一の「紀元」です。米国ＣＩＡのサイトの「各国要覧」の日本の項目にも、神武天皇即位の紀元前６６０年がルーツだと記載されています。 なぜ紀元前６６０年かというと、その年が「辛酉」だからです。日本書紀に神武天皇の即位が「辛酉年」とかかれており、記述から割り出して紀元前６６０年を皇紀元年としました。 日中戦争の影響で中止になった１９４０年の東京オリンピック、東京万博は「皇紀２６００年記念事業」の核となるべきもので、このほかにも世界中の著名な作曲家にクラシック音楽の新作を委嘱した「奉祝演奏会」などさまざまな行事が行われました。 イギリスの大作曲家、ベンジャミン・ブリテンが「シンフォニア・ダ・レクイエム」という作品を委嘱作品として完成させたものの、日本政府の逆鱗にふれ（めでたいときに「レクイエム」とは何事だ、という怒り）、楽譜を返送されたという逸話もあります。 紀元２６００年で今でも知られるものに「紀元二千六百年」という歌があります。これは、「金鵄輝く日本の…」という歌詞の歌ですが、当時の超インフレ社会でタバコの銘柄の「金鵄」をもじって「金鵄上がって１５銭、栄えある光３０銭…」という替え歌で広く知られました。 また、「零式艦上戦闘機（ゼロ戦）」は、２６００年の「００」が名前の由来です。 天皇陛下が「現人神」だった時代の出来事ですので、２７００年の奉祝はまずないでしょう。