リヨンが21日、クラブ史上初のチャンピオンズリーグ(CL)準決勝に臨む。ファーストレグの会場は対戦相手バイエルン・ミュンヘンのホーム。アイスランドの火山灰の影響で、欧州の空の便が大幅に乱れる中、リヨンの選手たちはおよそ650キロを陸路で移動するという思わぬ負担を強いられた。

 フランス通信(AFP)によると、リヨンがとった緊急の策は、国内で使用するチームバスでなく、ミニバンでの移動。19日午後にベンツの高級ミニバンおよそ10台に分乗した選手たちは、その日の夕方、中継地点であるシュトゥットガルトに到着、一泊してからミュンヘンへと向かった。17日のボルドー戦につづく陸路の移動となったが、主将のクリスは「たしかにこういうのは久しぶり。でも体力を回復する時間はあるし、何しろ初めてのCL準決勝。移動のことなんてすぐ忘れるさ」と不安を払拭した。

 コンディションの面でリヨンにとって最大の懸念だったのは、リサンドロ・ロペスがボルドー戦で負った足首のケガ。今季のリヨンは、この新加入のアルゼンチン人エースがいるといないでは、試合内容に大きな差が出る。しかしバイエルン到着の夜に行なわれた前日の練習を普通にこなし、チームを安心させた。

 バイエルン戦の布陣は、このリサンドロをトップに脇を最近好調のミシェル・バストス(ブラジル)とデルガド(アルゼンチン)で固めるという南米トリオの攻撃陣。中盤は3週間ぶりに故障から復帰するマクーン、今シーズン頭角を現した若手のゴナロンとピヤニッチ(あるいはシェルストレーム)。守備には、トゥラランをセンターバックに下げてクリスとコンビで起用、左右にシソコ、レヴェイエール。ゴールマウスは世界が注目するロリス、と現時点でベストのオーダーが組める。

 カナルプリュス局によると、リヨンにとってはオリッチ、ロッベン、リベリの強力攻撃トリオをいかに封じ込められるかがカギ。これには、グループリーグで2度にわたりバイエルンを破ったボルドーの戦いぶりが参考になる。ラインを下げて相手の攻撃をしのぎ、カウンターとセットプレーでゴールを狙うパターンだ。カウンター攻撃には、トップのリサンドロが不可欠。デルガドの突破力、バストスとピヤニッチのフリーキックにも注目だ。キックオフは21日の現地時間20時45分(日本時間22日午前3時45分)。