インテルのマッシモ・モラッティ会長が就任したときから待ち望んだ瞬間が、ついに訪れた。インテルは28日、チャンピオンズリーグ(CL)準決勝セカンドレグでバルセロナと対戦し、0−1と敗北を喫したものの、2試合合計3−2でファイナルへと駒を進めている。モラッティ会長は「とても幸せだ。うれしいよ」と喜びをあらわにした。ただし、1960年代の成功と比べ、「我々はまだファイナルに進出しただけだ。あの時は優勝している」ともつけ加えている。

モラッティ会長はジョゼ・モウリーニョ監督の功績を特にほめ称えた。こうなれば、かつて“グランデ・インテル”を率いたエレニオ・エレーラ監督に肩を並べるのも当然だろう。

「2人とも非常に仕事をするという特徴を持った人間だ。ディテールにこだわり、プロフェッショナルで、それから勇敢だね。それぞれが選手たちに対して大きなカリスマ性を持っている。40年の歳月が経っているが、似ていると思うよ。モウリーニョが重要な存在だった。選手たちは数的不利になったときも、何をすべきか完璧に分かっていたよ。だが、今夜はチームにすべての功績がある。世界王者バルセロナを相手に、このチームは10人で準決勝を戦った。素晴らしいキャラクターがあるということだ」

モラッティ会長は試合中、バルセロナのジョアン・ラポルタ会長の隣に座っていたが、終了のホイッスルが吹かれたときには、落ち着きを取り戻してラポルタ会長に手を差し出す前に、喜びを表してしまった。

「終わりだとは思っていなかったんだ。終わったと分かったときに、無限の喜びを感じたんだよ。ラポルタは私の友人だ。彼は落胆しているだろう。我々が敗退していたら、私が感じていたのと同じようにね。彼はとても礼儀正しかった。私は彼のやり方をすごく称賛していたんだ。試合中はずっとすごい沈黙があったけどね」

昨年、バルセロナが達成した3冠(リーグ戦、国内カップ戦、CL)を、今年はインテルが実現する可能性を手にしている。モラッティ会長はどのコンペティションも諦めるつもりはないようだ。

「彼らから引き継げることを願おうじゃないか。我々は3つのコンペティションでファイナルにたどり着いている。大事なのは、ここまでと同じキャラクターで続けることだ。この選手たちのプライドと、モウリーニョの有能さに期待してね。選手たちはどこにいるか、どうすれば良いかを分かっていた。練習で学んだんだ。最初は相手のミスを待っていた。それからは守備しかしなかったが、我々は10人だったし、それ以外にやることはできなかった。インテルのサポーターが幸せを感じてくれることを願っているよ。彼らはそれにふさわしいんだ」