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昼寝が生産性を上げるのに効果的だというのは、よく聞く話です。実際に昼休みの間に、賢く昼寝を取り入れて働いている人も結構いますよね。カリフォルニア大学バークレー校の研究によると、1時間の昼寝は脳をリフレッシュするだけでなく、脳の回復を助け、頭も良くするそうですよ。逆に言うと、長時間起きているだけで、頭はどんどん悪くなっていくそうです...!

この研究によると、大学の試験期間中によくいる、徹夜で詰め込み学習している学生は、実は新しい情報を入れる記憶力が、40パーセント近くも落ちているそうです。昼寝が長時間起きている時の、ダメダメな状態をリセットしてくれるというのは、誰もが知るところですが、神経認知的なレベルでも、昼寝前より、昼寝後の方が能力が高くなるのです。

 これはある実験の結果から、明らかになったことです。若くて健康な成人の被験者を「昼寝グループ」と「寝ないグループ」に分け、脳の中でも事実記憶を司るという、海馬を刺激するような記憶力を試す実験をしました。どちらのグループも、基本的な能力レベルは同じです。

同時刻に実験を開始し、「昼寝グループ」は午後2時から90分の昼寝をします。その後、午後6時に被験者全員に記憶力テストを実施したところ、「昼寝グループ」は、「寝ないグループ」よりも成績が良かったのです。明らかに昼寝が記憶力を伸ばしたと思われるような結果でした。

海馬というのは、記憶や情報を前頭葉に送る前に、一時的に保管しておく倉庫のような場所だと言われています。睡眠が、海馬の短期記憶をクリアにして、脳に新しい情報が入るようにするということは、そこにあった記憶や情報を前頭葉に送っているということです。

例えば、メールでいっぱいになった受信箱が海馬だとしたら、メールをフォルダに仕分けして整理することが、睡眠の役割ということです。要するに、睡眠を取ることで海馬にあった一時記憶が前頭葉で脳に定着され、新しい情報も海馬に入れられるようになり、結果的に記憶力がアップしたということでしょう。

一夜漬けは本当は効果が無いというのはよく言われる定説ですが、昼寝が記憶力をアップさせるというのも新たな定説になりそうですね。短期間で何か新しいことを覚えなければならない人は、ぜひ昼寝を使って、効率良く記憶してみてください。

A midday nap markedly boosts the brain's learning capacity [EurekAlert]

Kevin Purdy(原文/訳:的野裕子)