書店で並んでいたものを
そのタイトルに惹かれて、
ついつい買ってしまうことって
結構多い。

んでもって、コレ↓もつい買っちゃった。

使ってもらえる広告 「見てもらえない時代」の効くコミュニケーション (アスキー新書)/須田 和博
¥780
Amazon.co.jp


博報堂のクリエイターの方が書かれたものである。

何の縁もゆかりも、

もちろん悪意もないけれど、

内容自体は、特別なことは何もなく、

「本」にしなくても・・・

というのが正直な感想である。


だが、逆に考えれば、

こうした内容を、新たな発見のように書いて「本」にするほど、

これまでの広告業界は特殊で、

通常の商慣習とは大きく異なる世界だったのだ(あえて過去形で)、

と深く感じ入るところがあった。


従来のTVCMをはじめとするマス広告を否定するものでもないが、

(筆者も文中でそのように書いている)

本来、広告主が広告を出したい、と考える一番の目的は、

「ブランディング」ではない。

その先にある、「(安定的な)売上の向上」である。


そんな当たり前の商慣習を忘れると、

TVCMなどのマス広告を出しても

本当に売上につながるのかは把握できない、

という、特性に甘んじてしまう・・・。


プッシュ型の広告では

見てもらえるか?

印象に残ってくれるのか?

ということすら、今では不透明になった。

TVCMなんて誰が見ているのかアヤしくなった。

だから、「使ってもらえる広告」みたいな考え方を持つべきだ・・・


みたいな話が、えんえんと書かれているのだが、

(特に筆者がかかわって、賞をとった事例が・・・)

ダイレクトマーケティングの世界では、

「一体、広告を出して、いくら売れたのか?」

ということだけが求められ、

それに携わる広告マンたちは、

それこそ胃が痛む思いで、毎日広告を作ってきたのだ・・・。


「使ってもらえる広告」

というキャッチーな言葉を上手く使いたかったのだろうが、

結局のところ、

広告主は「売上向上のために」消費者に何を伝えたいと思っているのか?

それを伝えると、はたして本当に消費者は買ってくれるのか?

伝えたいことは、どの媒体でどんな表現をすると、伝えたい相手に伝わるのか?

ということを真剣に考え、試行錯誤してきたのだ。


別に媒体がマスだろうが、WEBだろうが、

考えることは変わらない。

その媒体は、ターゲットが触れているのか?

その媒体で、伝えたいことは伝わるのか?

その後購入に結び付くのか?

そのためのクリエイティブになっているか?


変わらないテーマである。

かえって、マス媒体が低迷し、広告主が減れば、

大きなチャンスである。