「クルマはやっぱカッコでしょ、カッコ！」
昔から言われている真実ではあるが、久々にそれを実感させてくれるクルマに会った。トヨタ・ヴァンガード。２００７年に発表され、先日マイナーチェンジしたばかりだが、実にバランスがいい。
サイズは全長約４・６メートル×全幅１・８メートル強と、ＳＵＶにしてはデカすぎず小さすぎずだが、見た目は意外に立派。先日行った田舎では、地元のオバちゃんに、「あんれまぁ、ずいぶんコージ君も出世して…」と驚かれた。どうやらデカいランクル辺りを買ったと思われたらしい。今回のマイナーチェンジで、外装の光モノが増えたのも効いたよう。
それでいて、グリル回りの造形は日本車らしく抑えめだから、外車みたいな過度のイヤミはないし、排気音もトヨタ車らしく静かだから、真夜中に狭く神経質な住宅地に止めるのもラク。
乗り心地や操縦性は乗用車ライクなＲＡＶ４ベースがゆえ、ガッシリしすぎたり、重すぎることもないし、４ＷＤ仕様だけでなくＦＦ仕様も選ぶことができる。ミニバンライクな７人乗り仕様も選べる。
しかも、一番大きいのは燃費を改善し、１７０ｐｓの２・４リッター直４エンジン車で最大７５％のエコカー減税が受けられるようになったこと。それでいてお値段２４０万円台からだからお値打ち。今どきお気楽な“陸ＳＵＶ”ってこんな感じだろうなぁ…。（自動車評論家・小沢コージ）
