NTT持ち株会社とNTT東西地域会社は2011年3月1日、2011年度(2012年3月期)の事業計画を総務大臣に認可申請したと発表した。FTTHサービスのフレッツ光は、純増数をNTT東日本が125万件、NTT西日本が85万件と計画した。2010年度末時点での累計契約数見込みは東西合計で1515万件。これに210万件を上乗せし、2011年度末時点では1725万件とする計画だ。

 東西両社の純増数計画は、2010年度と同数である。NTT東日本の2010年度純増実績は105万件で、目標を20万件下回る見通し。「都市部を中心に競争が進み、他社への乗り換えが増えた。またマンションの光化がかなり進んでしまったため、新規ユーザーを開拓するテンポが落ちてしまった」(中川裕・取締役経営企画部長)と目標未達の要因を挙げた。

 そこで2011年度は6月1日から基本料金を2940円と割安にした準定額プラン「フレッツ 光ライト」を投入し、「125万件という純増計画にもう一度チャレンジする」(中川部長)とする。光ライトの2011年度の契約獲得目標は70万件で、純増計画を30万件ほど押し上げる効果を見込む。残りの40万件分は、光ライトを投入しなければ既存のフレッツ 光ネクストで新規獲得できるはずだったユーザーが流れる分と、通信量が少ない既存のユーザーが光ライトへ移行する分としている。

 NTT西日本は、地上デジタル放送対策としての訴求や、長期利用者を対象とした割引などの解約抑制策などによって、2010年度計画の85万件を達成する見込み。エントリー層向けの準定額プランの投入については「2011年度中の導入に向けて検討中。料金水準や仕組みはNTT東日本とは別になる可能性もあるが、できれば2011年内に開始したい」(小椋敏勝・取締役経営企画部長)とした。

 2011年度の収支計画は、NTT東日本の営業収益が1兆9100億円。2010年度見込みから500億円の減収となる。営業利益は800億円で同50億円増益の計画。NTT西日本の営業収益は1兆7010億円で同550億円の減収、営業利益は450億円で同50億円の増益とした。光回線事業では、NTT西日本が2011年度に単年度黒字化を初めて達成する。NTT東日本は2010年度に達成する見込みで、2011年度も黒字を維持する。準定額プランの投入は、新規需要を開拓する効果が期待でき、全体では減収要因にはならないとしている。

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■変更履歴
当初は、都市部の競争とマンションの光化を、同じ新規獲得ペースが落ちた要因としていましたが、正しくは都市部の競争は解約増加の要因でした。また、光ライトでは既存ユーザーの移行が40万件分としていましたが、2011年度の新規獲得分にも影響があることを追記しました。本文は修正済みです。 [2011/03/02 09:15]