菅サンと会った仲井真サンは、相変わらず黄色いカリユシ姿でした。つまり、米軍基地反対のシンボルカラーをまとったわけで、そこには政治的メッセージが込められていないと考えるほうが不自然です。でも、あのあと昼食をともになさったそうですので、テレビカメラの前のあのやりとりとはひと味違う話し合いがあったのでは、と勘ぐる自分がいやになります。が、沖縄がどんなに裏切られ続けてきたかを思うと、人も悪くなろうというものです。


朝日新聞 昭和天皇漫画


上に掲げた新聞の漫画、ある方に教えていただきました。ちいさくて見にくいとは思いますが、どうぞよーくご覧ください。こういう漫画があると聞いて、たぶん私は「うっそー!」みたいなはしたない反応をしたのでしょう。その方はわざわざ図書館に行って、探し当ててくださったのです。ありがとうございました。その方は、「自分も気になっていたので」とおっしゃっていますが、それは私が恐縮しないための言い訳、照れ隠しでしょう。かっこいい。ほんとうにありがとうございました。

1986年、フィリピンでピープルズ革命が起こり(その時のシンボルカラーも黄色でした)、マルコス大統領の一族が国外に脱出しました。マラカニアン宮殿に残された、大統領夫人の大量の靴が話題になりました。そんな指導者にひきかえ、日本では、というわけです。でも、昭和天皇がああ言ったということは、『マッカーサー回顧録』に書いてあるだけで、証拠や第三者の証言となると、とたんに曖昧模糊とするのです。ひるがえって、「米軍が沖縄に50年以上でも駐留することを希望する」という天皇の沖縄メッセージは、文書が残っています。動かぬ証拠が。

史実とは異なる「お話」は、事あるごとにさまざまなメディアで、ルートで、私たちに刷りこまれ、いつのまにか事実としてまかり通っていきます。私たちは、いくら用心してもし足りません。このあいだ、眉唾という言葉の意味を若い人が知らないと知って、ショックを受けましたが、これは、眉に唾をつけておくと狐や狸に化かされないという俗信から、なにごとも軽信してはいけない、ちょっとでもあやしいと思ったら警戒しなさい、という意味です。ですから、仲井真サンの黄色いカリユシも、信じたいけど寸止めにしておきます。昼食の席でもその色の服を心にもお召しになっていたかどうか、わからない以上は。

先のトンデモな漫画の2コマ目のセリフは、史実に照らせば「沖縄はどうなっても」となります。3コマ目で、「日本」とカッコつきのこのくにすなわち本土の人間が皇居にむかって日の丸を振っているのは、ですから、「米軍基地を沖縄に押し込めてくれてありがとう」と、いう意味になります。腹立つなあ。だって、心の奥ではそう考えている人も、減ってきているとはいえ、まだまだ多いからです。
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