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「理想的な淡水水槽」 6.4.1. 生物学的ろ過 後編


デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

6.4.1. 生物学的ろ過 後編



<6.4.1. 生物学的ろ過 前編より続く>


好気性バクテリアは生存・繁殖のためにエサとなる有機物と酸素を必要とする。水槽の中では生物の排泄物や死骸など様々な有機物がバクテリアのエサとなるが、このエサが急激に増えるような事態(留守を任せていた人が大量のエサを魚に与えてしまった場合など)が起こると、水槽内で保たれていたバランスが崩れてしまう。つまり水槽内に突如現れた大量の有機物を食料としてバクテリアが急激に数を増やし、結果として有機物の減少が生じるのだ。留守中にエサの量が増えるということがわかっている場合には、休暇前に一時的に魚に与えるエサを少しずつ増やしておくというトリックを用いるとよい。しかし最もよい解決策は、デュプラリン ディスペンサーで給餌を行うことだ。このデュプラリンのワンプッシュ容器であれば、プッシュする回数を伝えることで、適切な給餌量を正確に他人に伝えることができる。

ドライフィルターと密閉式フィルターとの大きな違いの一つに、ろ過スペース内の酸素濃度が挙げられる。滴下式のドライフィルターでは、連続する昼夜において酸素濃度は80~100%を保っているが、密閉式フィルターでは20~30%にまで低下するのである。ドライフィルターはこの点でもアクアリウムに非常に適した技術であると言える。

我々は経験上、ドライフィルターによって水槽内から失われる二酸化炭素(CO2)の量が多くないことを知っている。良好な状態にある水槽の場合、ドライ方式のろ過システムにより失われる二酸化炭素とバクテリアの分解活動により生産される二酸化炭素量はほぼ釣り合い、結果として水槽から失われる二酸化炭素量はとても少ないものとなる。

ろ過はその過程においていわゆる栄養素を析出すると言われるが、我々はこれを証明することができる。酸素とバクテリアの活動によって、ろ過槽内で栄養素の酸化がすぐに始まるからである。試薬で濃度を簡単に調べることができる鉄分を例にとると、ドライフィルターが作動した直後から(場合によってはまったく新しく設置された水槽の中においてさえ)鉄分が非常に素早く分解されるのがわかる。この急速な分解について、次のように説明できる。

a) 新しく設置された水槽は、最初に大量の鉄分を消費する。しかし設置後4~6週間でいわゆる緩衝機能が水槽に働き、鉄分の消費量は急激に減少する。

b) ドライフィルター内において、ろ材に定着し始める初期の段階でバクテリアは分解活動の際に大量に鉄分を必要とする。この状況は遅くとも6週間後には正常化する。水槽設置直後は、バクテリアや水槽全体に、それらが必要とするものを十分に与えることはやむを得ないことである。しかしその際には、頻繁な測定と適切な供給が必要である。

c) 繰り返して指摘されるドライフィルターによる多量の水の蒸発は、その構造により避けることができない。しかし現在では、蒸発量に応じて水を自動で補給する技術が確立されている。

d) 休眠バクテリアや乾燥させた酵素などを使用すると、好気性バクテリアがろ材に定着するまでの時間を短縮させることができる。この段階で鉄分のような栄養素は少量しか必要とされておらず、二酸化炭素の生産は既に始まっている。


ドライろ過槽に取り付けられた理想的な平板フィルター。
平板フィルターには栄養素(特に鉄分)が溜まりやすいが、
これは欠点にはならない。なぜならろ過の過程において
この栄養貯蔵庫から常に少しずつ新しい栄養素が
水槽に供給されるからである。





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