thuế と thuê

ベトナム語で、
thuếは「税」
thuêは「借りる」
という意味です。

thuế thu nhập(税収入)→所得税
văn phòng cho thuê(文房for借りる)→office for lease


こんな表現をよく見かけます。


この二つの単語、似てますよね。


それぞれ中国語にすると、
thuế=税
thuê=租


となります。


ここで「あれ?」と思ったわけです。
日本語で「租税」ってありますよね。
ベトナム語で似ているだけではなくて、日本語でも意味的に近い言葉?


昔学校で「租庸調」なんてのも習いました。
律令制度下の税制度です。
wikipediaの説明を要約するとこんな感じです。


租=土地に対する税。均田制に対する粟(穀物)の税。
庸=労役に対する税。労役の義務を免れるために収める税。
調=各戸に対する税。生産物を貢納(絹や綿の繊維製品が主)


「租」は土地の収穫の一部を税として納める、ということから、土地を使用する対価として使用料を払う、という風に意味が変化していったと解釈すると、「租」が「賃借料」として使われ、やがて「賃借」そのものを指すようになったとしても不思議ではありません。


こう解釈すると、税を意味するthuếと賃借を意味するthuêがもともと近い言葉だったのではないかと思えてきます。


そんなことを考えながらベトナムの街中を歩いていたりします。