またしても!NY TIMES日本経済のどん底と若者の受けた打撃を一面報道!なぜ?

またしても!NY TIMES日本経済のどん底と若者の受けた打撃を一面報道!なぜ?

何のため?

以前NY TIMESが、日本経済のどん底とそれによって一番被害を受けているのは、若者である。という記事を一面で紹介していると書きましたが、
http://ro69.jp/blog/nakamura/ymd:20101018

なんとこの金曜日にまたしても一面で、日本経済のどん底と若者への打撃について報じているのです。それで友達に聞いたら、これはなんと5回シリーズで、これは3回目。あと2回も同じライターが日本の経済のどん底について報じるらしいのです。

1回ならまだしても、なんで5回も!日本の経済がダメで、若者が打撃を受けている=未来もダメ、と5回も念押し。なんだか純粋な報道というよりも、誰かのための広告/プロモーションにしか思えないんです……読んでてむかむかしてくる。いや、私の思い込みかもしれません……というか、余計なことをここで書いて道ばたで殺されないように、私も気を付けないと。

今回はほりえもんがeメールでコメントを寄せています。記事の一部で、彼こそがいかに新世代の希望であり、それが旧体制に潰されたのか、の象徴なのだ、と書かれているので。

以下記事の要約。
http://www.nytimes.com/2011/01/28/world/asia/28generation.html?_r=1&scp=2&sq=japan&st=cse

ホリエケンイチは、将来有望な車のエンジニアだった。日本が韓国や中国などのライバルと戦っていくために正に必要な人材だったのだ。メジャーな車メーカーで働いていた彼は、30代にして新型の生物燃料システムを開発し、賞までもらった。しかし、多くの日本の若者がそうであるように、彼は会社の正社員ではなかった。正社員より給料は半額、社会保障などもない契約社員で、10年以上も正社員になろうと努力した末、ホリエは、会社を辞めたのみならず、日本を去る決意したのだ。2年前に、台湾に移住し、今は中国語を勉強している。

「日本の会社は、年配の社員を守るために、若い世代を消耗させている。日本は私の門戸を閉ざしたが、台湾では私は完璧な経歴を持っていると言われた」とホリエ。つまり、日本は、これから経済を急激に成長させるために、若い有能な世代こそ絶対に必要なのに、実際にやっていることは、その真逆なのである。つまりそれこそが、成長の弱化、年金の増大などを引き起こし、投資格付け会社Standard & Poorでの日本のランクが下がった大きな理由だ。

『世代間格差ってなんだ』を共著した城繁幸は、「若い世代は、どんなに頑張ろうとも、前に進むことはできないと思っています」。「すべての道は閉ざされていて、まるで頭を壁に叩き付けているような気分なのです」と語る。

ソニーや、トヨタ、本田のような会社を生み出してきた日本は、例えばグーグルやアップルのように、世の中を変える力を持った若き企業家を生み出すことを、この何十年か失敗している。

そればかりか、現在正社員になれない労働者が急増する中で、若い世代が最大の打撃を受けているのである。

昨年、15歳から24歳で定職を持たない人の数は、45%になった。1988年の17.2%から大きな増加であり、より年配の層に比べて2倍の数である。また日本のメディアは、新卒の就職について、「氷河期」であると報じている。就職の内定率が56.7%という史上最低の数字を記録したというのだ。

秋田大学の教授シマサワマナブは、「日本は世界で最も世代間格差のある国だ。日本がバイタリティを失ってしまったのは、古い世代が居座って、若い世代にチャンスを与え、成長する機会を与えないからだ」と語る。

……すいません。もう訳すの疲れました。超長いレポートなので。で、この後、これから日本は少子化により、若い世代の数は減ることなどが書かれ、それで、若い企業家がまったく生まれないばかりか、久しぶりに、若い世代の希望の星のような存在、ほりえもんが誕生したと思ったら、捕まってしまった、と。

彼が日本の経済界に登場した時、彼は最も日本らしくないビジネスマンだった。しかし、彼は5年前に逮捕された。それは、いかに日本で、若いアメリカ的な自由な思想を持った企業家が、荒波を立てようとすると、日本の古い体制に潰されてしまうのかを象徴していると。

ほりえもんはeメールで「あれは、古きコンサバな掟には、静かに従っておけというメッセージだった」と答えている。

東大卒のフルイチノリトシも、「彼は古い日本と新しい日本の葛藤の象徴だった」と語っている。

それで今の若者は、国民年金も、かつての世代よりもらえないことが分かっているので、収めない人が激増している話など。最後に、早稲田卒のキョウコが、就職面接で、自分を押し殺し会社に何でも従うというようなフリをして面接をしていたら、神経症になりそうになり、結局就職はあきらた。フリーターになって今は6個の仕事をしているけど、月給が29歳にしてわずか15万円。どうして自分らしくあろうとしているだけでこんな犠牲を払わなくてはいけないのか、と嘆いている、と終わる。

という記事です。

そして、この記事の真下に、S&Pのランクが下がった件についての記事が。完全に全面使って日本不況のプロモーションみたいです……。しかも、あと2回も載る。いい加減誰か何か言ったほうがいいんじゃないでしょうか?

しかし、それとは別に、こんなに20代にとって社会が八方ふさがりだったら、こんな時こそ、反撃のいい文化を生み出す最大のチャンスだと思うのですが、どうなんでしょうか?

日本に帰った時に村上龍のエッセーを読んでいたら、ほんとんど破れかぶれになっていて、そこに、今の若者は、そんな時に、怒り方すら知らないんだ、と書いてあって、それがやけに説得力があったりもしましたが……そうだと思いますか?
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