悪霊と戦うリア充? 『キガタガキタ!〜「恐怖新聞」より〜』 2巻

恐怖新聞に取り憑かれた少年・鬼形冥。
寿命を奪われまいと新聞の予言を覆す戦いは今日も続くが・・・
21世紀版恐怖新聞として始まった本作に早くも二巻目が登場となり、
新キャラの登場や、ちょっといい話など、
ただ例に抵抗するだけではないところも展開していますね。
全体的にイカれたキャラばっかり出てくるわけだけれども、
冥自身が作中一番まともな思考を持ち合わせてくれているおかげで、
イカれたテンションに流されることなく、
じっくりと冷静に読み進める事ができます。


今回は出てくるキャラが西条氏らしさ全開ですね。
きょぬーと筋肉とオカマに定評がある氏だけれども、
よりにもよって召喚された悪魔がオカマですかぃ。

妙に似合ってるからこれがまた複雑。
このオカマ口調が作中の世界における悪魔の共通語だったらどうしよう・・・
魔界は完全に新宿二丁目状態じゃないか。
他にもモブキャラに至るまで、
笑顔でえげつない凶行をしてる場面が多々あるから、
本当にイカれたキャラばっかだなと。


悪霊に憑かれている鬼形は意外とリア充
けっこう女と関連性を持つこともある点からもそうだけど、
この主人公、何故かやたらとモテやがります。

例えそれがグロ好きの特殊性癖持ちだったり、
家の鍵を破壊して侵入するようなストーカーだったり、
言動の何もかもが嘘で成り立っているくらいの大嘘付きだったりしても、
やっぱり見ていて羨ましいと思ってしまうわけでして。
確かに全員とも普通とは異なるイカれたところがあるけれども、
それを除けばいい娘たちですからね。
普通に冥のことを想っているのも間違いないし。
それにしてもさすが西条キャラなだけあって揃いも揃って胸がデカい。
こいつらこれでも中学生ですよ?
中学生じゃないキャラもやっぱりきょぬーだし、
取り憑いてるポルターガイストだってまた然り。
頭をガジガジされたいと思った人はきっといるはず。


寿命を奪うために多様化する予言の数々。
今までのパターンだと、誰かが死ぬとか、
その手の類のことが書かれていることがメインであり、
対象の人物を救出することで予言を覆してきたものでした。
が、逆に覆すことが悪い結果になる予言があったり、
どう足掻こうとも覆しようのない内容であったりと、
悪霊もまた随分と手の込んだことをしてきてます。

一方で、冥が自分の命は大事ではあるけれども、
それ以上に大切なものがあるとちゃんと人間らしい考えを持ってる点がわかって
好感が持てるようになったりもするところも大きいです。
当の『愛のママ』は珍しくいい話ですよ。
絵面的には色々とシュールな回ではありますが。
『ノン・ストップ・ラブ』はちょっと笑えたわ。


しかし他の何よりも一番目に付いてしまったのが、
さりげなく、盛大に、政権を皮肉っている場面があったことでしょうか。
死人ばかり出る病院の回で、霊安室に安置されている死体の名前が・・・

『管』『汚沢』『犯田』『廉舫』ときたもんだ。
民主批判もここまで露骨だと清清しいですよ。
台詞とかコマ割りで見えないところには、
きっと『戦国』とかって名前もあるぞ絶対。
個人的にはいいぞもっとやれと言いたいところだけど、
一般の少年誌に連載されてる作品としては大丈夫なんですかね?