西武からFA宣言した細川亨捕手(30)が23日、ソフトバンク入りを表明した。都内ホテルで2度目の交渉を行い、同席した秋山幸二監督(48)と“入団発表”さながらに会見。4年契約で出来高を含めた年俸総額は変動制の最高8億円、最低2億5000万円で合意。背番号は27に決定。横浜、オリックスには断りを入れ「青森の田舎っぺが九州にいきます」と新天地へ向かう意気込みを示した。

 終始晴れやかな表情で「スッキリしました。これだけ評価してもらっていいのかな」と今季7100万円から、破格の条件提示には驚きを隠せなかった。試合数を重視した出来高が組みこまれ、成功報酬が大きいシステムにやりがいと誠意を感じた。秋山監督から「西武で培った実力と経験を生かして、若い投手を引っ張ってほしい」と正捕手としての期待を受け止め、決意も新たに。交渉には真紀子夫人を同席させ、新たに“家族手当”として1000万円が上積みされた。

 交渉前には、西武ドームで行われたファン感謝イベントに参加。ライバル球団への移籍が決定的な状況で、ファンと交流し「ブーイングがくると思ってたら『いかないで』の声が多くて。ウルッときました」と感激した。けじめをつけ、思い残すことはない。目標には「全試合出場で日本一。最低でも(打率)2割5分、20発は打ちたい。そのために、王さんや監督にも教えていただければ」と課題とする打撃指導のお願いだけは忘れなかった。【柴田猛夫】

 [2010年11月24日8時52分

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