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世界三大三代川が語るiPhone版『ファイナルファンタジー III』プレイインプレッション 

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ついに配信されたiPhone版『ファイナルファンタジーIII』。『FF』シリーズに造詣の深いライター世界三大三代川がその魅力を語り散らす!

●『FFIII』ならこの男にオマカセ

 世界中で人気を博すRPG『ファイナルファンタジー』(以下、『FF』シリーズ)の第3弾『FFIII』が、iPhone、iPod touch(第2世代以降対応)にて配信された。2011年3月25日現在、あっという間にApp Storeのランキングのトップに駆け上がり、100件以上のレビューがつきながらも評価は★5をキープとこれ以上ないくらい上々のスタートダッシュといっていいのではないだろうか。とは言え、それでもまだ1800円[税込]という価格に躊躇している人はいるはず。そんな人のために、今回は『FF』シリーズを多くプレイしているフリーライター、世界三大三代川によるインプレッションをお届けする。

ダウンロードはこちらから(App Storeにつながります)

●ファミコンから21年を経たiPhone版

FFI』も『FFII』も遊んだけれど、「『FF』ってこんなにおもしろいんだ!」と初めて強く実感したのは、ファミコンで『FFIII』に夢中になったときだと思う。あれから21年。テレビの前で夢中になっていた『FFIII』は、携帯ゲーム機はおろか、携帯電話で動くようになってしまった。自分で書いておきながらなんだが、「ファミコン版から21年か!」と、時の流れに驚きながら、iPhone版(iPod touchなどでも動くが、今回は総称してiPhoneと記載させていただく)『FFIII』のインプレッションをお届けしようと思う。なお、筆者はファミコン版、ニンテンドーDS版とプレイしてきているが、まずは敢えて『FFIII』をプレイしていない人に向けて『FFIII』のおもしろさを伝える内容から記していこう。

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●『FFIII』と言えばジョブチェンジ!

 『FFIII』は、その名のとおり『FF』シリーズの第3弾。それまでの『FFI』、『FFII』よりもストーリーのボリューム、システムともに大きくパワーアップし、ファミコン版ではシリーズで初めて100万本以上を販売するという、シリーズの転換点ともなったソフトである。そんな『FFIII』の最大の特徴といえば、ジョブチェンジ。主人公たちのジョブ(職業)を自由に変更できるシステムで、以降の『FF』シリーズでも頻繁に採用される名物システムとなっている。『FFIII』ではストーリーの進行に合わせて変更できるジョブが増えていき、最終的にジョブの数は20種類以上にも及ぶ。ジョブの組み合わせはプレイヤーの自由ではあるのだが、『FFIII』の醍醐味は登場する敵や、場面に応じた最適なジョブの組み合わせを考えること。たとえば、ガルーダという大鷲のようなボスには、空中の敵に強い竜騎士を加えたり(全員竜騎士という極端なパーティーもアリ)、みずからの弱点属性をコロコロ変えていく“バリアチェンジ”という技を使うボス、ハイン戦では、弱点を見破る学者を加えたりと、敵に合わせた編成を考えるのが非常に楽しいのだ。しかも、最適な編成にしないと苦戦はするものの、絶対に勝てないわけではないという絶妙なバランスがポイント。いちいち編成を変えるのが面倒という人もレベルを上げて力押しで突き進むこともできるし(一部の敵ではキツイものもいるが)、考え抜いた編成で弱点を突くというカタルシスを得ることもできるのだ。

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●iPhoneで大きく変わった操作性

 ちなみに、今回iPhoneで配信された『FFIII』は、2006年にニンテンドーDSでリメイクされたものをベースに、iPhoneに合わせて細部がブラッシュアップされたもの。とくに大きく変更されたのは操作まわりのインターフェースだ。キャラクターの移動は画面内のどこかに触れて指をズラすことで、キャラが同じ方向に動くというもので、画面内ならどこでも触れた場所がスティックになるというわけだ。iPhoneのゲームに詳しい方なら、スクウェア・エニックスの『ケイオスリングス』と同じ操作方法と考えるとわかりやすいだろう。また、バトルでは敵を直接タッチするだけで敵を攻撃可能。これはiPhone版の『FFI』、『FFII』からさらに遊びやすくなったポイントでもある。ちなみに、敵を直接触らずとも、コマンドが表示されていない場所をタッチすれば、すでに選択されているコマンドが実行されるため、初期状態で“たたかう”が選択されているバトルでは、何もないところを連打するだけで“たたかう”が選べるような快適なインターフェースになっているのだ。また、iPhoneの液晶に合わせて解像度が上がっているため、キャラクターの表情といった細部や、文字が非常に読みやすくなっている。ニンテンドーDS版を遊んだ人も一度iPhone版に触れると、その違いに驚くかもしれない。

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 ファミコン版、ニンテンドーDS版、iPhone版と、すべての『FFIII』を遊んできた筆者が思うのは、本作は何度遊んでもおもしろさが不変だなということ。ストーリー展開はすでに把握しているので驚きなどは薄れてしまうが、それでもシャシャッと攻撃して敵を倒すのはうれしいし、ジョブチェンジで編成を考えるのも楽しいし、うかつにボス戦に挑んで全滅してしまう歯応えに悔しくなってしまうものだ。『FFIII』を初めて遊ぶ人にとっては、その楽しさが初めて味わえるのが、正直うらやましい。歯応えある内容に驚く部分もあると思うが、ぜひボス戦で全滅して呆然とする感覚を味わってほしいものだ。そういった苦い思い出があるからこそゲームが記憶に残るし、人に伝えたくなるはず。『FFIII』はまさにそんな人に伝えたい楽しさが凝縮した作品。未体験の人もiPhone版の発売に合わせてぜひ遊んでいただき、バトルやジョブチェンジの楽しさはもちろんのこと、クリスタルタワーの長い道のりに苦笑してしまう気持ちを味わってほしい。

【ファイナルファンタジー III】
対応端末:iPhone/iPod touch
ダウンロードはこちらから(App Storeにつながります)
価格:1800円[税込]

 プロフィール:世界三大三代川
 週刊ファミ通などで『FF』シリーズの記事を担当しているフリーライター。好きなジョブは赤魔道師だが、好きなパーティーは忍者、忍者、賢者、賢者。

(C)1990, 2011 SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved.
ILLUSTRATION : 2006 YOSHITAKA AMANO
ILLUSTRATION : AKIHIKO YOSHIDA

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