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ウルトラシリーズ元祖「ウルトラQ」、45年の時を経てハリウッド最新技術で「総天然色ウルトラQ」として復活が決定

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放送当時の「ウルトラQ」(上)、カラーライズされた「総天然色ウルトラQ」(下)-ガラモン
放送当時の「ウルトラQ」(上)、カラーライズされた「総天然色ウルトラQ」(下)-ガラモン - (C)円谷プロ

 1966年に1話完結のドラマとして放映され、子どもから大人までを熱狂させた円谷プロによるウルトラシリーズ(空想特撮シリーズ)第1弾、「ウルトラQ」がハリウッドの最新デジタル技術によりフルカラーで「総天然色ウルトラQ」として、復活することがわかった。

 「ウルトラQ」は、当時日本でも人気のあったアメリカのSF空想ドラマ「アウターリミッツ」や「トワイライトゾーン」を下敷きにし、日常生活におけるさまざまなバランスが崩れたときに起こる異変や怪事件を、特撮技術を駆使して描いていった伝説のドラマ。制作スタッフには、テレビ黄金期の始まりを告げるため、日本映画全盛の時代に育ったクリエイターたちが集い、映画『ゴジラ』の特撮監督として世界的に名を轟かせていた円谷英二の構想のもと、円谷プロ、東宝、TBSの3社がトライアングルを組んだ国内初の特撮テレビ映画で、最高視聴率36.4%、平均視聴率32.39%を記録した。(視聴率はニールセン調べ、関東地区)その内容は、エンターテインメント性に富みながらも社会風刺でもあり、高度経済成長期の日本に警鐘を鳴らし、社会現象を巻き起こした。

 その伝説のドラマが2年間におよぶHDリマスター&着色行程を費やし、くしくもデジタル社会の象徴、東京スカイツリーが完成しようとする2011年によみがえることとなった。HDリマスター作業を行ったのは、『スターウォーズ』エピソードIV~VIのリマスターをはじめ、数多くのハリウッドの名作のデジタル化を進めてきたPoint.360 Digital Film Labs。さらに、レイ・ハリーハウゼンのモノクロ作品のカラー化など、世界最高のカラー化技術をもったLegend Filmsと業務提携を行い、総天然色版として完成。その後日本でカラーコレクション、音のリマスター作業行程を行い、最終のBlu-Ray用の映像圧縮は、スタジオジブリの『崖の上のポニョ』をはじめ、高品質のBlu-Ray用の圧縮技術とオーサリング技術を持つパナソニックにが行った。

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 経年劣化によるフィルムのキズや汚れをHDによるリマスター技術にで修正した上に、往年の撮影現場を知る関係者からの証言や、当時の資料を元に、作品の世界観をカラー化により再現。後のウルトラシリーズの基礎となった怪獣や星人といったキャラクター造型、近未来的メカニカルプロップがその質感も新たに、「総天然色ウルトラQ」として、復活の息吹を上げる。

 戦後、何もかも失った日本人が必死の思いで築き上げていった高度成長期だったが、がむしゃらになるあまり、自然界とのバランスを顧みることなくあらゆるひずみを社会に生じさせていった。そんな日本に警鐘を鳴らしていた「ウルトラQ」。45年の時を経て「総天然色ウルトラQ」は、今日本人に何を訴えかけてくるだろうか。

 物語は、宇宙における地球と自然界のバランスが崩れたとき発生する現象や怪事件に、青年パイロット万城目淳とその助手 戸川一平、そして毎日新報の女性カメラマン江戸川由利子が、時にユーモラスに、時にシリアスに遭遇・解決していく。ミステリアスなオープニングと共に語られる石坂浩二のナレーション、カネゴン、ガラモン(ピグモンの原型)、ゴメスやペギラなどの人気怪獣の登場するなど、その世界観はまさにウルトラシリーズの原点となっている。(編集部・下村麻美)

「総天然色 ウルトラQ」は 2011年8月26日(金)BOX1、2012年1月27日(金)BOX2、Blu-Ray & DVD BOX発売決定 定価:30,000円(税込)

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