【4月21日 AFP】富士重工の自動車ブランド「スバル(Subaru)」の車がパレスチナ人の若者をはねる内容の広告が複数のウェブサイトに掲載され、パレスチナ自治政府当局は21日までに、同社イスラエル法人に対策を取るよう要請した。問題の広告はパロディとみられる。

 広告に使われた画像は、昨年10月に東エルサレム(East Jerusalem)で覆面をして投石していた少年2人を、イスラエル人入植者がスバル車でひいて軽傷を負わせた事件のもので、現地ではよく知られた写真。広告では、写真の上に重なるように、ヘブライ語で「あなたの行く手を阻む者を見よ」とのキャッチコピーが現れる。

 テル・アビブ(Tel Aviv)を拠点とするスバル現地法人はAFPの取材に対し、「わが社はこの件にまったく関係ない。わが社の評判を傷つけるこうした行為に強く抗議する」と声明で答えた。

 パレスチナ自治政府は、声明で「これが本物の広告なのか、誰かがスバルのロゴを使って作ったものなのかは不明」としつつ、「おぞましい画像の使用」に対抗措置を取るようスバルに要請し、「この卑劣で不見識な画像が(インターネット上で)出回ることを止めるために必要なあらゆる措置を取り、この画像を非難するよう強く求める」という内容の文書を送ったことを明らかにした。

 問題の写真の事件は当時、金曜礼拝の後によく起こる暴動を取材しようと現場にいた複数の写真家や報道陣が撮影していた。(c)AFP