12月16日の首相会見で「最後に」と切り出して、野田が言ったこと

福島の再生なくして、日本の再生なし。
これは、国家の挑戦であり、人類全体の挑戦でもある。
福島が世界と日本の英知を結集し、人々の勇気と意思の力で
人類の未来を切り開いた場所として、思い起こされる日が必ず来ると信じてる。
福島では再生可能エネルギーの推進、医療関連産業の構想がある。
国も地元と一体となって、この構想を支援していく。
福島再生のための基金を第三次補正予算において、
福島県内の企業立地促進に1700億円、その他併せて総計5000億円の予算組んだ。
福島復興特別法案、地元の意見をまとめて
自宅を離れた方々が元の場所に戻れるよう全力を尽くす。



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以上のことを、いつもの丁寧な口調で野田は言ってた。
これを上杉隆Twitterで要約して速報飛ばすとこうなる。
福島県民は放射能に勝てる。世界人類のため福島で住み続けよう!」
https://twitter.com/#!/uesugitakashi/status/147605149341335552


意訳しすぎだけど、本当に言ってる。

避難してる福島県民がアリで、
野田内閣が角砂糖を置いて「さあ、ここに集まれ」とやる人間のイメージがオレの脳内に浮かんだよ。


国会議員全員で、チェルイノブイリ視察してこい、マジで。

収束宣言に対して、コメントしてる国会議員は現時点で福島瑞穂ぐらいじゃないか?

西加奈子『こうふく みどりの』(小学館文庫)読解・軽く分析

後輩の女の子が
西加奈子『こうふく みどりの』を読んでて最後の方でわからなくなった」
「全部わからない」(←多分、謙遜して?“全部”と言ったと思う。物語を通しての解釈が最後の方でわからなくなったのだと思われる)
というので、『こうふく みどりの』読んでみた。

で、確かに色んな仕掛けがしてあって、読書経験が少ないと
キッチリ読み解くのは些か難儀しそうな物語だった。
少なくとも、軽い気持ちでさらっと読める物語ではない。


気付いた特徴をとりあえず列挙すると
・目次がない
・語り手が5人登場し、2人は作中の誰が語り手となっているのか、
 読み進めないと明らかにならない
・マトモな男性が出てこない。じゃあ、マトモな女性は
 出てくるのかと言われたら、それも微妙w 
・『民生を豊かに 明るい明日を』
 これは代議士(おっさん)の選挙ポスターに書かれてるコピー(初出は41頁)で、
 ところどころ出てくる。
 41頁以降、緑は「豊かさとは何か」をちょいちょい考察してる(記憶違いだったらごめんなさい)
・匂いに関する記述が多い。特に前半。



最初の方は、中二の緑14歳が語り手(関西弁)となって日常生活がのほほん(読むスピードをあげようとしても、こののほほん感が作中に漂っているので速く読めないぐらいののほほんぶり!)と描かれている。こののほほんぶりは、関西版「ちびまる子ちゃん」と言ってもいいぐらいに。
まあ、冒頭いきなり「ガバマン」の話が出てきたり、いいところで大根がでてきたりするのだけれど。<目次がない>
例えば、村上春樹の『1Q84』は目次があって、バッハの平均律クラヴィーアの、
2冊各24曲を模した構成になってる。作者は意識して書いたと言われ、読み解く1つの鍵になっていた。
しかし、のちのちBook3が出たことによって、崩れてしまったが。



閑話休題。本作の目次がないのはもちろん作者の意図。
試しに、以下に列挙してみる。
ちょっとネタバレになるけれど、一緒に語り手も。

『そのまま前にお進みください』 <語り手:緑 3頁〜>
『始まりはいつもあいさつから』 <語り手:緑 16頁〜>
なし <語り手:棟田の奥さんの回想 28頁〜>

『銘菓 水団子 お早めにお召し上がりください』<語り手:緑 33頁〜>
『身辺の整理整頓は、心の整理整頓につながる!』<語り手:緑 コジマケン登場 44頁〜>
なし <語り手:棟田の奥さんの回想 52頁〜>
『犬の糞は飼い主の責任』 <語り手:緑 57頁〜>
『二組の窓ガラス割った者は生徒指導室に来ること』 <語り手:緑 66頁〜>
なし <語り手:棟田の奥さんの回想 77頁〜>
『あなたの未来、占います』 <語り手:緑 82頁〜>
『突撃! ウェンズデイ 進行台本』 <語り手:緑 91頁〜>
なし <語り手:緑の祖母 相手は誰だかわからないけれど告白してる104頁〜>
『頭を下げる世の中ではなく、頭が下がる世の中に 明心寺』 <語り手:緑 110頁〜> 青木君、屋上から手を振る
『遅刻した者は職員室に名乗り出ること』 <語り手:緑 121頁〜> 前章と同じ日
なし <語り手:棟田の奥さんの回想 131頁〜>
『ふんわりやさしい味です』 <語り手:緑 136頁〜>
『キケン、トマレ』 <語り手:緑 146頁〜> 青木君、自殺
なし <語り手:藍、というか日記形式 157頁〜>
『それから』 <語り手:緑 159頁〜> 夏目漱石『それから』が出てくる
なし <語り手:棟田の奥さんの回想 167頁〜> 棟田、シゲを殺してしまう。
『A』 <語り手:緑 172頁〜> 
かあちゃんへ <語り手:茜、というか手紙形式 184頁>
『生徒指導室 静かに』 <語り手:緑 188頁〜> 藍、おばあちゃんにボコられる
なし <語り手:棟田の奥さんの回想 197頁〜> 棟田が刑務所に入ってからの奥さんの心境等
『春休みの心得』 <語り手:緑 201頁〜> 
『辰巳 呼び鈴は門の中』 <語り手:緑 210頁〜> 
なし <語り手:棟田の奥さんの回想 221頁〜> 自分に酔ってたと独白
『ご家族の団欒を、美味しいハロー!ビスケットと共に』 <語り手:緑 226頁〜> 
『A』 <語り手:緑 172頁〜> 
なし <語り手:緑の祖母(の告白の続き) 237頁〜>夫となるヒトの弟を海に突き落とし、殺害
『調子が悪いので、レバーを下まで押してください』 <語り手:緑 243頁〜> 
なし <語り手:茜 日記形式 253頁〜>
『明るい明日を』 <語り手:緑 254頁〜> 
なし <語り手:棟田の奥さんの回想 263頁〜>



<登場人物>
緑・・・本編の主人公。幼い時に「タイガーマスク」を見て「さやま」と正体を見破る。
    ラストで緑の目になり、不思議な能力をおばあちゃんから受け継いだっぽい。
おばあちゃん・・・誰が帰ってくるとか、亡くなるとか、未来が読める。
         戦後女手一人で2人の子供を育てただけあり、パワフル。
         物語の中で、戦後の苦労などを語らず。戦後の苦労話は
         既に他に五万とあるからか。おばあちゃんの戦後の苦労は
         『ほたるの墓』等から推測すべし。
         独占欲が強い。夫となる人の弟を海に突き落とし、殺害。
茜・・・緑の母。妻子ある人を好きになり、妊娠・出産。
    物語の中では布団の中で1日中タバコ吸ってボンヤリしてる(という割には1日3箱)
    藍が来てから家事は一切しない。
藍・・・DV夫から、娘の桃を連れて逃げてきた。
    料理上手。14歳のコジマケンと交際。
    作中で出てくる日記が凄い。20代とは思えないぐらい幼い内容。
桃・・・藍の4歳の娘。父親から虐待を受けていた?(作中で言明されていない)
    ロクに口がきけない、というかしゃべらないし、意思表示をしない。
    おしっこの時も「おしっこ」といわずにその場におもらしするぐらい、意思表示しない。
    (二十歳になっても続いたら・・・と考えたら恐ろしいね。
    藍は一体何を考えてるのか、とオレも心配になる)
シゲおじさん・・・本当の名はシゲオ。藍の父親。荒くれ者。
         おばあちゃん、茜には優しかったらしい。
         おでん屋で隣の人の酒を肘ぶつけて落として、喧嘩になり、死ぬ。
         おばあちゃんの旦那(緑の祖父)が亡くなった弟と同じ名前を命名
         おばあちゃんは殺害した旦那の弟の名前を呼び、育てたということ(恐!)
緑の父・・・妻子あり。月に30万ぐらい生活費・養育費を茜の口座に銀行振り込みしてる。
      通常だと、緑は異父兄弟を見に行く展開になってもおかしくないのだけれど、
      緑はそういうことに興味なし。
明日香・・・アホで身勝手な美少女?中一の秋に初体験。喫煙癖あり。
      作中で喫煙が見つかり、停学になる。中二にして過去に4人の男と付き合ってる(!)
      初体験の相手は3人目でケンカが強い不良っぽい。顔はイケてないっぽい。
      明日香は作中で「相手をもっと選べば良かった」みたいなことを言い、後悔してる。
コジマケン・・・小島犬。父親が賭博で負けて「犬」と名づけられた。
        背がでかい。茜と同じような目をしてると緑は感じてる。
        胸にコンパスか何かでAと彫る
コジマケンの父・・・流しの修理工。人妻と交際中。
金田・・・緑のクラスメイト。洋物のエロ本好き?お調子者で遅刻の常習犯。
     実家にゼットンズという若手お笑い芸人が来て以来、
     「日本一の芸人か役者を目指す」と言い始める。
     最初、両親は反対するが「本気なら応援する」と認められる。
田村のおっさん・・・仕事してるのかどうかわからないおっさん。
          巻末の西原と西の対談では、「仕事してる」らしい。
金田のおとうさん・・・芸人に嫁を暗にデブとからかわれて怒る。
          作中に出てくる人物でマトモな人その1。
金田のおかあさん・・・ニコニコ愛想がいい。芸人にデブと暗にからかわれて以来、
           お客さんに「私そんなに太いですか」と聞くようになる
          (そんなに気にするんだったら、オレは痩せればいいだけ
           じゃねーかと思うんだけど)
アキオ・・・森元さんの息子。もうすぐ二十歳。妊娠させた18歳の子を連れて帰ってくる。
アスコ・・・アキオの嫁

カミさん・・・神棚にあがってた白猫。辰巳家のペット。
ホトケさん・・・黒猫。辰巳家のペット。
ポックリさん・・・愛想で尻尾を振る犬。

棟田さん・・・おでん屋でシゲおじさんに酒をこぼされ、包丁で脅すつもりが
       あやまって殺してしまう。ち○この奇病で、子供を作れない。
棟田さんの奥さん・・・口下手。オレの勝手なイメージでは幸薄そうな顔w
増本さん・・・棟田夫妻が住むアパートの大家。奥さんをなくし、子供もいないので
       若い棟田夫妻を子供のように見守る。すっごくいい人。
       作中に出てくる人物でマトモな人その2(マトモな人は2人だけ)

猪木・・・アントニオ猪木。プロレスラー。1943年生まれ。
     引退が55歳ということは、棟田の奥さんが40歳の時は1998年。
     その7年前に緑に「棟田さん、もう大丈夫」と言われているので
     1991年の時に緑は14歳なので、緑は恐らく1977年生まれで作者の西加奈子と同い年か。
     巻末のあとがき、対談で猪木の引退の言葉?詩?である「道」から
     インスピレーションを得たと作者が言い
     物語の最後に出てくることから、物語を読み解く1つ鍵になっている。



<辰巳家は男運がない?>
・おばあちゃんの場合、旦那の弟を殺しているのだから逃げられても仕方なくね?
・茜の場合、妻子ある人を好きになり、妊娠・出産。そういう人を選ばなければ
 いいだけの話だけど、好きになったらしょうがないっていう感覚。作中で、
 この一家は幸せそうなのでこれはこれでいいのかもしれない。相手の妻子から
 したらとんでもないことだと思うけれど。
・藍の場合、結婚相手に虐待され、家を飛び出す。
以上のことから、「男運がない」わけではなく、自ら招いた結果、
男を見る目がないだけだと自分は思うのだけど。
世間一般的に、「男を見る目がない」ことを「男運がない」ということ多いと思うけれど、
現実を直視できないからか?認めたくないのか?
ちなみに、上記の3人は自分で「男運がない」とは言ってない。


<辰巳家の恋愛観?>
おばあちゃんは弟を殺して夫をゲットするも、バレて逃げられる。
茜は、妻子ある男性の子供を生み、生活費・養育費を貰って育ててる(と明言するのは厳しいか)
藍は、14歳の少年に手を出す。
この一家、大丈夫か?


<2人のシゲオ>
緑のおじいちゃんの弟は重度の知的障害で普段からヘラヘラ。
シゲおじさんは喧嘩で死ぬほどの荒くれ者。


<親の子供に対するメッセージ>
「緑、あんたの好きなようにしぃ」(茜から緑へ 203頁)
「(わかり難くなるので冒頭部分略)それがお前のほんまの夢やったら、頑張れって」(金田の親から金田へ 219頁)
「あたしより先に死なないでいてくれたら、それでいい」(アスコから子へ 235頁)


<緑とコジマケンの共通点>
同性の片親でみどりは父親に会ったのは1回。
コジマケンは小さい頃いたらしいが覚えてない。
お互い、会いたくない。



<類似性があると感じた作品>
山田洋二監督「おとうと」・・・とにかくダメなおじさん(笑福亭鶴瓶が演じてる)が温かい目線で描かれてる。舞台もたしか関西だったかな?
町田康の『夫婦茶碗』等初期作品・・・ダメ男が脇役ではなく主人公なので、視点を変えれば。


<青木君の自殺>
謎として残る謎。青木君、小6の2学期から不登校。学級会でなぜ不登校になったか
話し合うが誰も原因わからず。そうこうしてると自殺する。遺書なし。

<おばあちゃんの死生観>
・「殺人者は、そこいら中におるからな」(←154頁より抜粋)
 おばあちゃんとの会話により、緑の車に轢かれそうになって死が身近に
 あったかもしれないことを緑は思い出す。
 これは作中では言及されないが、藍のDV夫は昨今ニュースで話題になるように、
 桜を虐待死させた可能性も。
・シゲオは死ぬことになっていたんです(←243頁より抜粋)というおばあちゃんの独白(恐!)


<棟田の奥さんの愛>
「心清らかに」、「あの人のために」、そう思ってたときは、きっと、彼のこと、見てへんかったにゃと思います。彼を愛してるなんて言うといて、その対象を、見てなかった。私の気持ちはそのまま自分に返ってきて、その甘ったるい気持ちをじゃあじゃあ浴びて、生きていました。でも今、彼に腹を立てて、憎んで初めて、彼のこと、好きなんやわ、と、思いました。ものすごく、悔しかったけど、ちゃんと、好きなんやわと思いました。(以上263頁から抜粋)


<どうしようもない人も受け入れる共同体の文化?>
これは巻末にある西と西原の対談の小題。
ここで西原は「西の人は優しいんだよね。トラブルも、傷ついた人も、みんな包み込んでしまう」と言ってるけれど、おばあちゃんは「この人がいなくなれば」と人を殺してるじゃねーか(笑)
自分が西の出身だから、美化したいんだろうね、西原。

オレの関西人のイメージは、笑いについてこれなかったら村八分な感じ。
特に若いと先鋭化しちゃうから、その傾向は強い。
国民性というか、人間の多くは基本排他的、年をとれば取るほど保守的になり、
新しいものを受け入れなくなると思ってるけど。
もちろん、全員が全員というわけではなく。


<その他>
・おじいちゃんが出奔した理由を、おばあちゃんは「戦争が終わったことで、いろんなことに絶望したんやろう」(←60頁より抜粋)と言う。普通は終わってほっとするところでは?
・シゲおじさんの葬式で「自分のことだけで飽き足らんと、他人さんまで不幸にしくさって」というおばあちゃん。夫の弟を殺しておいて言えることか?人間は矛盾した生き物、と考えるなら問題ないけど、そうでなければ作中の矛盾点となるが。
・「おかしくなるくらいヤッて」と叫びだしたかった(←263頁より抜粋)棟田の奥さん、出てきた時は二十歳そこいらで初々しかったのが、40になってハッチャケ過ぎだろww この辺りは作者のユーモアか。西のお笑い文化か。

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挙げておきながら、個人的見解を述べてないところもあるけれど
この文章が後輩の女の子に向けてのもので、その子が考える余地を
残しておこうという一応配慮なのでご容赦を。

次のエントリは、小説ではなくノンフィクション。
佐野眞一津波原発』の予定です。

この期に及んでも政局報道か

東日本大震災原発問題で生活に困ってる人たちを無視するかのような政局報道にウンザリ。

政局報道の裏で佐賀原発スリーマイル島と同じレベル5の事故を去年起こしていたことが大きく取り上げられず、自殺者、餓死する人たちもいるのに。

ウンザリしてて日常で話題にしなかったし、政局報道してるメディアを冷ややかな目で見ていて
最近気付いたのが、政局報道を無視すること、日常の話題にしないこと。メディアが騒いでるから、それに乗っかって政局ばかりに注目していたら、政治家やメディアの思うつぼなんじゃないかってことに気付いた。スピンって言葉は10年前から知っていたのに、相変わらず遅くて鈍いよ、自分。

政治に何を望むのか、どうしたら今の日本が良くなるかは考えたり、話題にしても、とにかく“政局”報道ばかりのメディアにNoを突きつけるには無視するのが一番で、皆で権力争い報道をシカトすれば、政局ばかりに注目する日本のメディアも少しは変わるんじゃないかと淡い期待をする一方で、こんな状況で政局報道を連日繰り返しているTV・新聞離れが進んでいいじゃないかとも思う。
記者クラブメディアが衰退して、ジャーナリストらしいフリージャーナリストたちがもっと幅を利かせる時代がくれば、と思う。



3.11以後目にした、ニュース記事の中にあった「日本人は政治に期待しすぎ」(たしかイタリア人の意見)という言葉が胸に突き刺さる。
佐藤優の著書には「ロシア人の政治に関する感覚・選挙に関する感覚は日本人と違う。選挙っていうのは重要な制度で、候補者っていうのは自分たちと関係ないところから2人か3人降ってくる。悪い奴、うんと悪い奴、とんでもない奴と。その3人の中で悪い奴を選ぶっていうのが選挙だと。とんでもない奴とうんと悪い奴をはずすために投票に行くんだと」という言葉も出てくる。



そもそも政治に期待すること自体、他力本願でどうしようもなく、
政治家になってこの国を良くするっていうのが、ある意味正しいスタンスだとも思う。
といいつつ、政治家になろうとは思えず。
ヒトって身勝手やなーとつくづく思う。
もちろん、自分を含めて。



原発を推進してきたのはそもそも自民党だから、「自民党の歴代首相は
 過ちを認め、謝罪すべし」という意見はよく見るけど、「自民党
 支持してきた全ての人たちは猛省すべし」っていう意見は全然見ない。
 「自民党の歴だ首相は過ちを認め、謝罪すべし」って言ってる人たちは、
 元自民党支持者?

チェルノブイリ(ウクライナ)の現状に、未来の日本の姿を見た気がした

6月2日深夜1時過ぎ、NHKチェルノブイリ原発事故から25年という節目で、
ここ数年のチェルノブイリの現状・研究結果を
伝える海外のドキュメンタリー番組3本を放送していたので観た。
再放送らしい。

背筋が凍った。今まで感じたことのないゾクゾク感。
今のチェルノブイリ(ウクライナ)の姿は日本の未来だと思った。
勿論、そうならない可能性もあるだろうけど、そうなる可能性の方が高い気がする。

人は忘れるので(忘れない人もいるけれど、それは極々少数派)、
事故は風化する。だから、ウクライナはまた原発
作ろうとしているのだろう。チェルイノブイリ事故があった当時は
ソ連だったので、純粋に”また”とは言えないが。

今、福島第一原発事故に関心がある人と無関心の人との
割合とはどれぐらいなのだろう?
ツイッターなど、ネット上では関心ある人が多そうだけれど、
実際のところは1:100ぐらいなのではないだろうか。
そして、関心も一過性のもので長く続かないのでは?
「関心がある」と言えるのはどういう状態なのか、という問題があるけれど、
自分は知ってもらう、デモに参加するなどのアクションを起こすってことが大切で
アクションを起こさなかったら、関心ないも同然でしょ。


乱雑ではあるけれど、読解可能な範囲だと思うので
番組を見ていて取ったメモを、そのまま以下に貼り付けておきます。
間違ってる箇所は全くない、とは言い切れないので
ご指摘いただけると助かります。


気になった方は、以下のページから再放送を希望したり、
NHKオンデマンドで視聴してみるといいかも。

BS世界のドキュメンタリー「永遠のチェルノブイリ
チェルノブイリ原発事故から25年。事故が風化する一方で、
事故を起こした原発が根本的な解決を見いだせないまま、
周囲を汚染し続けている現状を伝える。
http://nhk.jp/H73vz1tF

BS世界のドキュメンタリー「被曝(ばく)の森はいま」
悲劇の記憶を残すチェルノブイリは、今や科学者にとって
放射能の自然界への影響や汚染地域での穀物や野菜の栽培を
研究する上で格好の場所となっている。その最先端を追う。
http://nhk.jp/H73vz1tH

BS世界のドキュメンタリー「見えない敵」
ウクライナ人の妻をガンで失ったドイツ人の監督が、
チェルノブイリ原発事故に深く関わり、
死の恐怖という見えない敵と闘い続ける人々を
追ったドキュメンタリー。
http://nhk.jp/H73vz1tK

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当時のことを知る人が若い人に語って教えないので、
自分で調べて知ろうとしない限り、若い人は知らない。
人口700万人が減少。
2740万人。治療が必要とされる人。
国際的機関(IAEA?)は調査を縮小する。治療を縮小すると言った
(10年後の1996年時点に??)

現在健康に問題ない子供は5〜10%。
中には5つもの病気を同時疾病してる子がいる。
平均寿命が10歳短くなってる。
10年後には平均寿命が55歳になり、1986年以降20歳短くなる予想。

原子力発電が23機、今後作られる予定。
原発廃絶で電力不足になるであろうヨーロッパ全域に、電気を輸出する予定。

石棺は30年耐えられるように作ったが
完成した直後から補強が必要だった。

作業してる人たちは50km離れた街から電車で通ってる。
親子3代で働いてる人たちも。
他にいい仕事がなかったから、この仕事をしている。
放射線測定士。

フランス、ドイツ、アメリカが石棺工事に人を派遣している。
維持費が7000万〜8000万ユーロ。建設費と同額。
建設費・維持費ともに目処が立たない。

3000万人の人が飲んでいるドニエプル川の水が汚染されている??
実態はウクライナ全域に人が住めなくなる汚染濃度?

ツバメの1年目の生存率が3割。

初期の頃に作業してた人たちは
被曝から数週間でなくなった(福島第一原発のように
ガイガーカウンターで正確に測定していなかった模様。今現在はしている)

チェルノブイリで事故があった4号機での作業。
90秒数えたら戻ってくる…
遠隔操作の機械は強い放射線を浴びて電子部分がダメになり、
すぐに使用不能となったため、人手で作業することとなった。

クラスノカメンスクにウラン鉱山があって
軍医だった男が3年で脳腫瘍。
10代をそこで過ごした女性が35歳に乳がんで死亡。
ウラン鉱山の影響か?

(メモ、ここまで)

中野剛志の『TPP亡国論』の第二章の前半 まとめ

『TPP亡国論』 第二章では「TPPを理解するということは、単なるアジア太平洋
の貿易問題を超えて、世界の経済全体の構造を理解するということなのです」と言って、中野氏は世界経済の構造問題をザックリと見ていきます。
ベースとなる知識なので、ここにバーっと抜粋・要約等していきます。
『超マクロ展望』にも書いてあったように、覇権国家アメリカは斜陽の時期にきていて、1980年代に金融で建て直そうと(というのは『TPP亡国論』には書いてません)、
金融のグローバリゼーションを推し進めます。

その結果起こったのが、1990年代後半のアジア通貨危機と2008年のリーマンショックです。
アジア通貨危機の主な原因はアメリカ主導の国際的な金融市場の自由化、規制緩和などによる国際的な資本取引の活発化。とりわけ東アジア諸国には海外から資本が大量流入し、新興国経済は急成長。新興国は海外資本の流入が経済成長を促進するものと考え、対内直接投資を促す政策を積極的に推進。また、アメリカを中心とする経済学者や政策担当者は、資本の自由な移動が経済を成長させるものと信じており、この信念を批判したのは一部の良識的な知識人に限られていた。
しかし、無規制な資本の国際的な移動は、経済の変動性を著しく高め、好況も不況も増幅させるように働き、バブルとクラッシュを起こしやすくした。
こうした状況下で、ロシアや南米において金融危機が発生するようになり、ついに東アジアにおいて巨大な金融危機を引き起こした。

さすがに、この巨大な金融危機を目の当たりにして、経済学者の中からも、金融のグローバリゼーションに対する批判が高まる。ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツを代表格に、自由貿易の強力な擁護者として有名なジャグティシュ・バグワティですらも、物品の自由化と金融の自由化は同列に論じられないとして、金融のグローバリゼーションを厳しく批判。
バグワティは、「自由な資本移動が大きな利益をもたらすことを示す実証的な証拠はない」と断言(『TPP亡国論』では例示しているので、知りたい方は本書に当たってください)
また、バグワティは、「資本移動の急激な自由化が進められてきたのは、アメリカの金融機関という利益集団の強力なロビー活動のせいである」と主張。
例えば、金融機関に有利なように、金融市場の自由化の方向へと動かされているのです。バグワティは、このような政治と金融の癒着を「ウォール街財務省複合体」と呼んでいます。この政治と金融の癒着は、アメリカの深刻な病理となっており、今もなお、治癒したとはいえません(だから、G7だかG8の協調介入時に円で儲けた輩がいたり、原油市場が再高騰して儲けてる輩がいるんですね)
現実の政治がウォール街に乗っ取られているので(っていうのは、なかなか日本国内で流通しない情報ですね。自分も『TPP亡国論』読んで初めて知りました)、金融市場の改革はなかなかうまく進みません。
しかし、アジア通貨危機のおかげで、「外資の導入を積極的に促進すればよい」というような考え方は間違いであるという認識は、ニ一世紀初頭には、世界の有力な知識人の間で共有されるようにはなったと言えます(知識人だけで共有してもしょうがないので、こうやってブログで広めようと思ってます、自分は)もっとも、日本では、この期に及んでもなお、外資導入を進めたがる金融資本主義者が生き残っているようですが(大概なんでも民営化・規制緩和すればいい、外資もドンドン入ってきて競争すればいいと思ってるホリエモンは、これにだいぶ近い)


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第二章は、中身が濃いので一端ここで区切って、
リーマンショックまでは次回に。

福島第一原発で被害にあってる方々に落ち度は全くないのか

飯館村の酪農家、酪農歴53年、69歳男性がNEWS23Xで
原発さえなければ、乳を搾って(酪農で)金を稼いで生活できたのに」
と言っていた。
福島第一原発、一号機の着工が1967年。
原発に対する無関心、反対してこなかったツケが今に繋がってると思わないのか?そういうことを考えたら、この酪農家の落ち度は0%ではない。
SPEEDIで予測できていて、政府はもっとはやい避難をさせようと思えばできえたであろうことを考慮しても。。

選挙で毎回、反原発、もしくは非原発推進の人に投票してきた自分は、そんな風に思うけど、世間的、飯館村原発から半径20キロ圏内及び、その近辺の人たちは思わないんだろうなぁ、きっと。

NHKのドキュメンタリー『原発導入のシナリオ』を見ればわかるが、
日本に原発ができる以前に、第五福竜丸の事件が起き、
日本の一般国民は反原子力、反米一色に染まっていた。
そのあと、読売の人間が暗躍し、原発安全神話を垂れ流し、
原発は導入されることとなったわけだし。




■神奈川県南足柄市の茶葉から基準値を超える放射性セシウムが検出された件。
この放射性セシウムはどこからどのようにして来たものなのか、そういう検証がないのが気になる。海に垂れ流した汚染水が雨雲となって日本各地に降る可能性ってどのぐらい?もうすぐ梅雨だし、めっちゃ気になるのですが。
専門家の方、どなたか調査してくれないかな。


福島第一原発で作業してる方々が宿泊してるJビレッジがある福島県楢葉町で、作業車に付着した放射性物質?を落とそうとしてJビレッジ敷地内で水を使って落としてる件も気になってる。楢葉町の土壌も汚染されつつあるじゃん。ゴシゴシ洗ってもなかなか測定値が下がらない作業車もあるって話(TVか雑誌の情報)楢葉町の土壌は大丈夫なのだろうか。
楢葉町のJビレッジでも測定値、出して欲しい。

中野剛志の『TPP亡国論』読みかけなので序文と第一章について

序文に「TPPという具体的な問題の検証を通じて、日本人の戦略的思考回路を回復させようという試みです」とある。
元外務官僚の孫崎氏は昨年『日本人のための戦略的思考入門』という本を出している。
二人がなぜ戦略的思考をテーマにしているのか。
それは、かつてキッシンジャー(注1)が1974年にと訒小平に述べた台詞、「日本はいまだに、戦略的な思考をしません。経済的な観点からものを考えます」(『キッシンジャー〔最高機密〕会話録』毎日新聞社、1999年)や「キッシンジャーの側近によれば、キッシンジャーは『日本人は論理的でなく、長期的視野もなく、彼らと関係を持つのは難しい。日本人は単調で、頭が鈍く、自分が関心を払うに値する連中ではない。ソニーのセールスマンのようなものだ。さらに悪いことに中米日本大使に昼食に呼ばれるといつもウインナーシュニツェルしか出さない』と嘆いていた」(注2)等から明らか。


第一章は、Twitterで話題になった動画、テキストをある程度目にしてる人は読む必要性はあまりないかも。


(注1)日本では国際政治の分野で神様のように扱われてきた人 <孫崎氏『日米同盟の正体』26頁より>
(注2)マイケル・シャラー・アリゾナ大学教授が96年の日米プロジェクト会議での報告書「ニクソンショックと日米戦略関係」に記している。本訳は孫崎氏によるもの <孫崎氏『日米同盟の正体』27頁より>

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ところで、戦略的思考をするためには、その元となる知識・データ、
視野の広さ、冷静さ、ある程度客観的にモノ・状況を見ることが
できないといけないわけで、そこはスルーしてるんだよね。
それらはもうセンスみたいなもんだと自分は思うから、
ないひとには局所的な戦略的思考しかできない。
「じゃあ、お前は局所的でない戦略的思考ができるのか」と言われても困るんだけど。