この記事は、作成日から13年経過しています。内容が古い可能性があります。またこの記事は、大幅なデザイン変更前に書かれたものですので、レイアウトが崩れている可能性があります。ご了承ください。

再就職活動を始めたいとのことで相談にいらした、Bさん。明るい笑顔、柔らかな物腰の20代女性です。11ヶ月になる男の子のお母さんでもあります。大学卒業後、正社員の営業職として就職して5年目、妊娠中に夫の転勤にともない退職。初回ご相談の概略をお伝えします。

  • 再就職についての今のお気持ちを伺いました。

「早く仕事を再開したい。でも・・・。」

「早く仕事をしたいな、と思う日々なんです。」
「転勤で初めての土地で出産することになってしまったけれど、子どもがいるおかげでママ友もたくさんできて、毎日楽しく暮らしているんです。」
「でも、子どもが寝た夜とか、時間ができると、仕事をしていた充実していた日々のことを思い出すんです。営業の仕事で5年、さあこれからだと思っていたときに、妊娠。育児休業をとって1年後に復帰しようと上司とも相談していたのに、夫の転勤で会社を辞めなければならなくなってしまいました。」
「転職なんてしたことないし、知らない土地だし、営業の仕事も中途半端で辞めることになってしまって・・・。」

  • 再就職に対する不安な気持ちをもう少し伺いました。

「やり残した感、同期においていかれている感、後悔というかなんというか・・・。」

「ひとつの会社でしか働いたことがないし、営業の仕事も即戦力として採用してもらえるほどアピールできることもないし、子どももいるし、知らない土地だし・・・。なにもかもが八方ふさがりな感じがして・・・。妊娠していなかったらすぐに再就職活動ができたのにな、と考えても仕方ないことを考えてしまいます・・・。」
「だから、まずは保育園の見学から始めようと思って。認可保育園はどこもいっぱいだから、認可外保育園を見学したのですが、いいなと思っても、保育料は高いし。どうしようかと・・・。4月に復帰して認可保育園をねらうのが一番いいのかな、と思ってはいるんです。」
「保育園のことがなんとなく見えてくると、やっぱり肝心な仕事のこと、どんな仕事ができるのか、何がしたいのかと考えては堂々巡りになっています。やり残した感、同期においてかれている感もわいてきて、後悔というかなんというか。」

  • 後悔ということばの背景を伺いました。Bさんは、しばらくじっと考えてから口を開きました。

「営業の仕事は大変だったけど、面白かったということなのかな。」

「夫の転勤は仕方ないし、会社を辞めたのも仕方なかったんだと思っているんです。」
「後悔・・・。なんでしょうね・・・。もっともっとちゃんと仕事をすればよかったな、やれることがあったのではないかな、とか。営業の仕事は大変だったけど、面白かったということなのかなと思います。私、営業が好きだったんですね、きっと。」

  • (途中省略) 
     
  • 4月の再就職に向けた準備のポイントをアドバイスして、次回以降、「これまでの仕事経験の整理、できること、強みの整理」を一緒に考えていくことにし、今回の相談が終わろうとしたとき、Bさんがぽつりとおっしゃいました。

「母親失格なのではないかという気持ちがある。」

「自分が、子どもより仕事を選んでいる、優先して考えているような気がして、母親失格なのではないかという気持ちがあるんです。」
「夫にもそう思われているのではないか、気になっているけど聞けずにこれまできてしまいました。」
「これが心にひっかかっていたのだと、今、気づきました。」

Bさんは夫に今の気持ちを素直に話してみようと思うとのことでした。
再就職活動のやり方・進め方、子どもを育てながらの仕事復帰準備のコツなどをお伝えするのも私たち相談員の役割ですが、一番大切な役割は、心の奥底にひっかかっている気持ちが自然に出てくるのを、お話を聞きながら、一緒に整理しながら待つことだと思っています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次