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電子図書館 新装版このような情報の自由流通の世界に知的所有権、著作権という意識を強く持ちこみ過度に適用すると、せっかく新しい世界が開けてゆこうとしているのに、ブレーキをかけることになってしまう。 本書は、国立国会図書館長による電子書籍に関する解説書である。 だが、解説に「ここで著者である長尾氏の慧眼を褒めたたえることに終始するべきではない」(124 ページ)とコメントされているように、われわれは驚いているだけではいけない。 そして、著者が「電子図書館の場合には、貸し出すということは記憶装置の中の情報のコピーを作って送ることであり、同時に何人にでも貸出しが可能である。そして原本は記憶装置の中にずっと存在しているのであるから、返却ということをしてもらう必要がない」(108 ページ)と指摘しているように、従来の著作権法の独占権は消滅せざるを得ない。 解説は、こうもコメントしている――「慧眼には驚嘆しつつも、ひるがえってわれわれは大きな悔恨を味わうべきだろう。本書が登場した 1994 年の時点で、本書の指摘が真正面から正確に受け止められていたならば、この 15 年ほどの歴史はまったく変わっていたのではないだろうか」(124 ページ)。 ■メーカーサイト⇒長尾真=著/岩波書店/2010年03月発行 電子図書館 新装版 ■販売店は こちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.11.29 23:19:56
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