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単3電池から単1電池を作る方法
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単3電池から単1電池を作る方法

緊急時に単3電池を単1電池の替わりに使用する方法です。もう単1乾電池が買えなかったからと言って慌てる必要はありません。ご家庭にある身近な材料と簡単な工作で単3電池が単1電池の代用にできます。なんとかなります。大丈夫です。

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使用画像は全てTwitpic上にも置いてあります。

お急ぎの方は以下のTwitpicの画像をご利用ください。

   

    * 乾電池のサイズ一覧 http://twitpic.com/49we3p

    * 単3を単1にする方法1 http://twitpic.com/49walk

    * 単3を単1にする方法2 http://twitpic.com/49wavs

    * 単3を単1にする方法3 http://twitpic.com/4a6mix

    * 単3を単2にする方法 http://twitpic.com/49wb4q

    * A4用紙の折り方1 http://twitpic.com/49x3dq

    * A4用紙の折り方2 http://twitpic.com/49x2oq

    * 実際の作成例1 http://twitpic.com/49x76s

    * 実際の作成例2 http://twitpic.com/49wizt

    * 実際の作成例3 http://twitpic.com/49wjd5


【電池の規格について

円筒型乾電池はみな1.5ボルトで共通ですので、余程の大電流を流さない限りサイズを合わせてあげれば代用ができます。サイズについては以下のようになっています。

このため適当なスペーサーを作成してあげると単3乾電池は単2や単1の替わりに使用することが可能です。単4はちょっとサイズが半端なので単3をベースにするのが比較的簡単です。以下にいくつかの実例をあげます。

※もちろん容量は単3のままですよ。


【単3電池から単2電池を作る方法】

まず初歩的な物から入ります。単3と単2は規格上の長さがほぼ同一です。従って何か適当な紙などを巻き付けて太さを合わせてあげるだけで良いです。

紙の巻き方は各自で工夫した方が早いですが、あまりきっちり電池の長さに合わせた紙を巻くよりも、若干狭い(45ミリとか40ミリ幅の)紙を巻く方が良いです。例えば日本で一般的なA4の紙は 297ミリ × 210ミリですが縦長に四つ折りにすると幅が52.5ミリになりちょっと広過ぎます。

ですので例えば1円玉一枚分(20ミリ)を切り落とせば四つ折りで47.5ミリになりますし、二枚分切り落とせば四つ折りで42.5ミリになります。

これを2枚分巻くとだいたい単2電池と同じサイズになります。なお、あまりいい加減に巻いたり、実際の単2電池の直径(26.2ミリ)より太くなってしまうと懐中電灯などだと取り出せなくなるので注意してください。

また、巻き始めを電池にセロテープで固定してしまうと後から電池が抜けなくなりますので固定しないようにしてください。(スペーサーは使い回せるので)


【単3電池から単1電池を作る方法1】

次は若干上級です。単1電池は太さだけでなく長さも単3電池とは違いますので、何らかの金属でゲタを履かせて両方の電極が接触するようにしてあげないといけません。寸法を見ますと、単3と単1の長さの差は11ミリです。これにちょうどいい金属でしかも入手が簡単で全国どこにでもある素材を見つける必要があります。

一つ目の素材は「パチンコ玉」です。あのチン・ジャラのパチンコの玉ですが、このパチンコ玉(遊戯球)は厳密な規格で一律直径11ミリと定められています。つまりこれはスペーサーとして非常に都合のいいサイズなのです。

上の図のように単3電池の下に(別に上でも良いが)パチンコ玉を挟んだ状態で紙を適当に巻き付けると緊急仕様の単1電池のできあがりです。パチンコ玉が単3電池の直径より細いので落ちない様に電池といっしょにセロテープなどで固定するか、抜け落ちない程度までパチンコ玉に帯のようにセロテープなどを巻き付けます。後者の方が電池本体の交換は楽です。


【単3電池から単1電池を作る方法2】

「パチンコ玉なんかどこに転がっているんだよ!(-_-#」 と言う方に朗報です。多分全国どこにでもあるはずの素材を見つけました。

「一円玉」を8枚用意してください

一円玉が無ければ十円玉でも良いですが原価が十倍に跳ね上がります。厚さはどちらも1.5ミリなので8枚重ねると12ミリとなりほぼ必要なサイズとなります。使用する機器によって電池ホルダのバネがキツかったりする場合は7枚に減らして10.5ミリにしてください。

なお、一円玉と十円玉を混在させるのは絶対やめてください。いろんな意味で危険です。

まず8枚(7枚)の一円玉をセロテープで固定します。直径20ミリ高さ12ミリの円筒形になりますので単3電池よりちょっと太めになります。このままだと扱いが面倒なので電池の方に先ほどの単2電池を作る要領でA4サイズ用紙1枚分を巻き付けます。これでだいたい一円玉と同じぐらいの直径になります。


次に一円玉と太らせた電池を重ねてその上から紙の帯を巻いて単1電池の太さまで巻きます。紙はA4サイズ用紙をただ四つ折りにした物が良いでしょう。

幅52.5ミリでちょっと電池より短めですが、適当に巻いて行くとこのぐらい余裕があった方が都合がよいです。A4サイズ用紙5枚分ほど巻けば必要な太さが得られるでしょう。巻き寿司の要領で巻いて行ってください。


【単3電池から単1電池を作る方法3】

Twitterで複数報告があったのが「アルミホイルを使っています。」というお話でした。アルミホイルなら大抵の家にありますし、加工もすごく楽なのでいいアイデアですので「方法3」として追記掲載することとしました。ただしこれはまだ自分で実際に作成したことが無いので、適量なアルミホイルの面積などの情報はありません。構造的にはパチンコ玉で作る方法をもっと簡略化したような感じです

適量のアルミホイルを丸めて「単3電池と同じ直径(14.5ミリ)」で「高さ11ミリ」の円筒形に固めます。この時あまりふわふわだと、実際に使用しているうちに押し縮められてしまい電極が十分接触しなくなりますので、かなり硬めに加工した方がよいでしょう。また高さに関してはアバウトにやるしか無いのですが、硬貨7〜8枚分が目安です。このアルミ(ホイル)の円筒を電池と重ね、四つ折りにしたA4サイズ用紙5枚程度を巻き付けて完成です。


【まとめ】

以上のように、身近な材料で単3電池を単1電池として使用することができるようになりました。普段からこのような物を使用することは決しておすすめしませんが、この程度の小学校の図工レベルのスキルでラジオや懐中電灯が使用できるようになるんだということを知っておくだけでも心の余裕も違って来ますし、何より生死を分ける状況での助けになるかもしれません。

最後に実際に工作した物の写真を掲載しておきます。

左から、緊急仕様単1、単1、 緊急仕様単2、単2。白く飛んで見難いですが電池はエネループが入っています。

一円玉バージョンを底側から見たところ。紙が二段巻きになっている事に注意。

紙幅が若干狭い方が電極に干渉しないので良い。逆に紙がはみ出ていると電極が正しく接触しないなどの問題が出る。


付録1:

なぜ一円玉と十円玉を混在してはいけないのか?

一円玉硬貨はアルミニウム、十円玉は銅でできていますが、このような異種の金属を重ねて間に電解質(塩水とか)があると「ボルタ電池」が構成されてしまい、意図しない電流が発生してしまいます。結果的に硬貨を痛める(変質)ことともなり、後述する法律上も問題が出ます。

付録2:

これって貨幣の損壊・変造にならないの?

なりません。

日本には「貨幣損傷等取締法」なる法律が存在しており、貨幣(硬貨)を溶かしたり潰したり削ったりすることを禁じています。この法律の主旨は、硬貨を鋳潰して原料(この場合アルミニウムとか銅)として使用することおよびその為に貨幣を収集することを禁じているものです。

また貨幣の変造も刑法で禁じられています。

実際に日本の硬貨を手品用に孔を開ける加工を行ったマジシャンが検挙されたり、学校の化学の実験のアルミ材、銅材の替わりに硬貨を使用して溶液に溶かしたりする行為が法に抵触すると問題になったりします。

先に解説した一円玉と十円玉でボルタ電池(11円電池、44円電池)を構成する実験も、貨幣の(表面)材質に影響があったりするので、人によっては違法という解釈をされる場合があります。

しかし本Tipsの場合貨幣本体は物理的にも化学的にもなんら変化させるところではありませんので、当該法律には抵触しないと考えて問題ないでしょう。

ただ、接触が悪いからといって表面にヤスリかけたりしたらアウトです。

#というか、お約束でこの一文を追加していますが、このTips使わなきゃいけない状況でそんなこと気にしていられないとは思いますが・・・

付録3:

スペーサーならお店で売ってるよ〜?

はい、エネループを始め比較的大電流が流せる二次電池(充電式のNi-Cd、Ni-MHなど)は単3型が主流ですが、単2、単1用の変換スペーサーが別売で用意されています。これらが購入できるならば入手しておくと便利です。とか言えていたのはちょっと前までの話で、電池本体も品薄な状態でこの種の付属品の入手も困難になりつつあるようです。「買えるなら買う」のはいいのですが「買えない」「売ってない」状態に直面した時(今がそうですね)、自分の頭だけで解決しなくてはいけない場面での回答は「お店で売ってるよ」では無いわけです。サバイバルなんです。何でも自分で作れないと生き残れないと肝に銘じておく必要があります。

P.S. ちなみに百均でも売ってるらしいです。

付録4:

自作は危ないよ?

ラジオが動かなくて緊急避難情報が聞けないで危険地帯に取り残される方がよっぽど危険です。もちろん恒久的に使い続けるのはお薦めはしません。あと精神安定剤的な効果もあります。「単1乾電池買って来て」と言った家族が入手できなかったと聞いてパニックを起こしたらすかさず作ってあげてください。

付録5:

容量が足りなくて使えないことが多いよ?

そういう場合足りていないのは「容量」ではなく「電流を流す力」の方です。特にマンガン乾電池は非力で電流をあまり流せませんので、モーターを回すような機器ではすぐに動かなくなります。アルカリ乾電池はそれなりに電流が流せますので短時間なら動くでしょう。ただ、ここで「容量」が少ないため、継続して動かせる時間が短くなるのはしょうがないことです。エネループなどの二次電池はかなり大電流を流せるので、素の乾電池の単1より高性能かもしれません。

付録6:

紙が無いよ〜

何かあるでしょ。菓子の外箱のボール紙とか工夫してください。夏休みの工作の宿題と同じです。

付録7:

セロテープが無いよ〜

ビニールテープ、ひも、糸、輪ゴム、紙の切り込みの組み合わせ、等々帯紙の固定方法は無限に考えられます。配給のおにぎりの米粒をつぶして糊代わりにする方法もあります。

付録8:

単3も手に入らないよ〜

本当のサバイバル状態であるなら、上の方にリンクがある11円電池を大量に作るとか、もっとでかい材料を拾って来て電池を作るとかになるでしょう。ネットに繋がっているような人はもっと別のことを考えた方が良いかもしれませんが。