2011年5月27日10時17分
米原子力規制委員会(NRC)のボーチャード事務局長は26日、東京電力福島第一原子力発電所で、核燃料の大部分が原子炉圧力容器の底に落ちる炉心溶融が起きていた可能性について「東日本大震災が発生した数日後には、そう確信していた」と述べた。
日米交流団体「ジャパン・ソサエティー」がニューヨークで開いた講演会のあとの会見で述べた。根拠について「(当時観測されていた)高いレベルの放射線は、かなり深刻な燃料損傷が起きない限りあり得ないからだ」と述べた。
NRCは大震災発生から5日後、同原発から50マイル(80キロ)圏内の米国人に対する避難勧告を出しているが、「(炉心溶融など)深刻な事態が起きていることがすぐにわかったことが、そう勧告した理由の一つだった」と話した。
炉心溶融の可能性は専門家がかなり早い時期から指摘していたが、東京電力が同原発1〜3号機について正式に認めたのは大震災発生から約2カ月後だった。(ニューヨーク=勝田敏彦)