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【任天堂ラウンドテーブルその2】『ゼルダ』、『マリオ』などの新情報が続々と明らかに【E3 2011】

ゲーム Wii ニンテンドー3DS
2011年6月7日(現地時間)、恒例の任天堂ラウンドテーブルが開催され、宮本茂氏、青沼英二氏、小泉歓晃氏によるタイトルプレゼンテーションが行われた。

●期待作の開発者が揃い踏み!

 2011年6月7日〜9日(現地時間)に行われた、任天堂ラウンドテーブルリポート第2弾。ここでは、宮本茂氏と、『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』(以下、『スカイウォードソード』)プロデューサーの青沼英二氏、『スーパーマリオ(仮題)』プロデューサーの小泉歓晃氏によるプレゼンテーションの内容などをお届けする。(※撮影禁止だったため、会場の模様は文章のみでお伝えします)

●“世界の中でものを見つけ出す楽しさ”を拡大する

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 ニンテンドー3DSのラインアップが紹介された後、まず登場したのは、歴代『ゼルダ』シリーズを手がけ、『スカイウォードソード』でもプロデューサーを務めている青沼英二氏。青沼氏は、『スカイウォードソード』の紹介に入る前に、同じく青沼氏がプロデューサーを務める『時のオカリナ 3D』について触れ、「E3会場で、裏ゼルダと、ヒント映像と、それから水の神殿が遊べますので、ぜひ皆さん遊んでください」とアピール。さらに、「ヘビーブーツが、めちゃめちゃ簡単に脱いだりはいたりできるようになったので、それを体験してもらって、すぐに、“楽になった”って記事に書いてほしいです」と語り、会場の笑いを誘っていた。これについては宮本氏も補足するように、「青沼さんは、水の神殿は難しいんじゃなく面倒くさいんです、と。面倒くさくなくなったら、難易度はいじらなくていいんです、と言っていました」と、開発中の裏話を語ってくれた。
 ちなみに“水の神殿”は、“ヘビーブーツ”を脱いだり履いたりしながら攻略するダンジョン。オリジナルのニンテンドウ64版では、ヘビーブーツが装備扱いだったため、着脱する際にその都度装備画面を開き、装備を変更する必要があり、わずらわしさを感じたユーザーが多かった。『時のオカリナ 3D』ではヘビーブーツがアイテム扱いになり、メニュー画面を開かずにボタンひとつで着脱可能になっている。

 その後、いよいよ『スカイウォードソード』の紹介に。今回はニンテンドー・オブ・アメリカのスタッフがデモプレイヤーとなり、ふたつのシーンが披露された。いずれも、特定のアイテムを探すという内容で、これについて青沼氏は、「『ゼルダ』シリーズでは、世界に隠されているものを見つけ出すというのが大事な要素で、ずっとそれをやってきましたが、『スカイウォードソード』では、それをかなり拡張して、いろいろなものを探し出すということが遊びとして入っています」と語り、この要素が『スカイウォードソード』にとって非常に重要な要素であることを説明した。

 まず最初に披露されたのは、ゲーム序盤、ふたつ目のフィールドとなる火山のフィールド。プレイヤーは、ここに住んでいるモグマ族というキャラクターから、神殿の鍵が5つに分けられ、隠されているという情報を入手し、それらの鍵を探すことになる。ちなみにここで、宮本氏から「どうして5個?」という突っ込みが入ったが、これに対する青沼氏の返答は「5個くらいがいいかなと」。これを聞いた宮本氏が「安易なゲームですねぇ」と聴衆におどけてみせると、すかさず青沼氏が「安易じゃないです!」と突っ込み返す、というやりとりがあり、会場を大いに沸かせていた。
 そのあいだもスクリーンにはプレイの模様が映し出され、2009年のE3でイメージイラストのみが公開されていたキャラクター、“ファイ”が登場。青沼氏によると、ファイはいろいろなことを解説してくれるキャラクターで、このシーンでも、「鍵を探そう」と提案をしてくれる。どうやらファイは、『時のオカリナ』のナビィや『トワイライトプリンセス』のミドナのように、プレイヤーをナビゲートしてくれるキャラクターのようだ。
 鍵探しは、剣の力を使った“ダウジング”という手法で行われ、画面上で“ピコンピコン”と音がするところを探し、鍵を見つけ出すことになる。ただし、ダウジングで反応したところに行けばすぐに鍵をゲットできるわけではない。プレイデモの中でも、ダウジングで反応したところにある邪魔な塔や、道をふさぐ岩をバクダン花で破壊することでようやくゲット、という場面が見られた。プレイデモ中で披露されたのは、5つの鍵のうち、3つ目を取るまでの過程。謎解きの手強さには定評のある『ゼルダ』だけに、4つ目、5つ目を入手するまでには、さらにプレイヤーを悩ませる仕掛けが隠されていそうだ。
 ちなみに、鍵をゲットする際に、埋まっている部分をリンクが掘り起こしていたが、これは新アイテムの“モグラグローブ”の力によるものだとのこと。こうした新アイテムがほかにどれだけ存在するのか、気になるところ。

 つぎに披露されたのは、“サイレン”という遊び。すでに明らかにされている通り、『トワイライトプリンセス』は、青沼氏いわく「マスターソードが生まれる話」になる。そこでリンクは、剣を鍛えるために、ある試練を与えられるのだという。リンクがとある場所に剣を突き刺すと、異次元のような不思議な世界に入り込むことができる。そこで“しずく”というアイテムを集めて脱出することが、“サイレン”の目的だ。
 ただし、この世界にはガーディアンが存在し、リンクに襲いかかってくる。剣で撃退しようにも、剣はこの世界に入るときに突き刺しておいてきてしまっているため、リンクは逃げるしかない。青沼氏によると、ガーディアンの攻撃を受けると、リンクは一撃で倒されてしまうとのことなので、緊張感あふれるプレイとなりそうだ。ちなみにしずくを1個取ると、画面に花が表示され、この花びらがなくなるまでのあいだは、ガーディアンの動きを止めることができる。本作では、このあたりの駆け引きも重要になりそうだ。

 最後に青沼氏は、ここまでのプレイデモの内容を受けて、『スカイウォードソード』の特徴を「フィールドがダンジョンのようなものになっています」と表現。フィールドの中にも謎解きの要素がたくさんあり、同じフィールドの中でも、何度もイベントが起きるという、いままでのシリーズ作品にない構造になっていることを説明した。また、「世界の構造が本当に頭の中に、印象に、記憶に残っていく。そこが『スカイウォードソード』のいちばんの特徴かな、と思っています」と語った。
 最後に宮本氏が、「かなり長いあいだ遊べるゲーム、地図を覚えることがおもしろいゲームなので、地図のシステムはかなり練りましたよね。おもしろい地図のシステムになっていますよ」と語り、『スカイウォードソード』のプレゼンテーションは終了となった。

●なんと“ゼルダマリオ”が実現!?

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 つぎに登場したのは、『スーパーマリオギャラクシー』シリーズを手がけ、現在ニンテンドー3DSの『スーパーマリオ(仮題)』のプロデューサーを務めている小泉歓晃氏。最初に小泉氏は、今回のE3でも正式タイトルが発表されなかったことについて触れ、「正式なタイトルをご紹介したかったのですが、いろいろ悩みがありまして。キーワードはタイトルに込めようということで、タイトルにちょろっとしっぽが出ています」と語った。もちろんこのしっぽは、一目瞭然に“タヌキマリオ”を示すもの。小泉氏も、「これは何でしょう? ……って言う必要もないと思います、皆さんご存じだと思うので」と語り、会場の笑いを誘っていた。
 『スーパーマリオ(仮題)』のデモも、ニンテンドー・オブ・アメリカのスタッフによるプレイデモとなった。最初に披露されたのは、『スーパーマリオ』らしい天上ステージ。小泉氏も、「『スーパーマリオギャラクシー』から、今回はとても『スーパーマリオ』らしい雰囲気にしました」と、意図的に“らしい”雰囲気にしていることを語った。また、『スーパーマリオギャラクシー』シリーズを通じて、テンポや難易度などの研究を進めたうえで、今回はとことん“マリオらしい”3Dマリオにしたのだと明かした。3Dのマリオで初めてBダッシュならぬX、Yダッシュが可能になっていることがその顕著な例で、ステージのゴールがスターではなく旗になっているあたりも、“マリオらしさ”を感じさせる要素だ。
 続いて、立体視のよさを活かしたステージとして、巨大な棍棒が画面手間に向かって突き出してくるギミックがあるステージと、横スクロールで奥から手前に向かって障害物がせり出してくるステージが披露された。さらに、小泉氏の「『ゼルダ』25周年にあやかってじゃないですけど、こんなものを作ってみました」との言葉に続いて披露されたのは、なんと『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』を彷彿とされる、『ゼルダ』風スクロールダンジョンのステージ。これについて小泉氏は、「『ゼルダ』を作りたかったというのもありますが、奥から手前に飛び出すのが非常にわかりやすくなったので、作ってみたものです」と語った。会場のスクリーンでは当然立体視はできなかったが、画面はほぼ真上から見下ろす視点で、マリオの足下、つまり画面奥から火の玉などが飛び出してくる様子ははっきりと見て取ることができた。これを立体視で見ると、どれだけの迫力が感じられるのか……実機でのプレイが待ち遠しくなるところだ。ちなみにこの『ゼルダ』風ステージでは、小泉氏は「まだあんまり見せたくないんだけど……」と話していたが、部屋の四隅に据えられた燭台に火が灯り、『ゼルダ』シリーズおなじみの“謎解き音”が流れるシーンもバッチリ見ることができた。

●『ルイージマンション2』は宮本氏がみずから指揮!

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 青沼氏、小泉氏によるプレゼンテーション終了後、宮本氏から、『ルイージマンション2』のプレゼンテーションが行われた。宮本氏は、本作の発売時期について、「今年はこんなにラインアップがあるので年内じゃなくていいと思うんですが、来年早い時期に発売できると思います」とうれしいコメント。さらに、ほかにたくさんの有力なシリーズもある中で、なぜ『ルイージマンション』を制作することになったのか、ということについて、「本当に作りたかったからなんです。ニンテンドー3DSの始まりのとき、立体の画像の実験をしたときに、最初に作ったのが『ルイージマンション』。ゲームキューブの『ルイージマンション』を立体にしてみたんです」と、このプロジェクトがかなり以前から存在していたことが明かされた。それが、『マリオストライカー』や『パンチアウト』を制作したカナダのNGL社が非常に乗り気になったため、実現の運びになったのだとのこと。
 なお『ルイージマンション2』は、宮本氏の所属する情報開発部のプロジェクトではないが、直接宮本氏が責任者として指揮を執っており、とても順調に開発が進んでいることも明かされた。
 その後、任天堂カンファレンスで公開されたものとは異なる、より先に進んだ内容のデモ映像とともに、宮本氏みずからが『ルイージマンション2』の新要素を解説していった。映像では、下画面につねに地図を表示させておけることや、ジャイロセンサーを使ってきょろきょろとあたりを見渡したり、といったシーンが見られたが、これらはまさにニンテンドー3DSならでは。細かいところでは、ルイージの使うスキャナがちょっと高級になっていたり、オヤ・マー博士がまた登場していたり……と、前作のファンなら思わずニヤリとするような要素も確認することができた。
 最後に宮本氏は、「わりと女性でも楽しめると思います。謎解き半分、アクション半分、というくらい。それと、前作でも懐中電灯をあてましたが、今回はそれが強化されて、ストロボになったんですね。バシッと当てて吸い込む感じ、その手応えが、すごくおもしろいです。試してみてください」と語り、プレゼンテーションは終了となった。


 プレゼンテーションの終了後には、恒例の質疑応答タイムが設けられた。以下、その内容を紹介しよう。

−−ニンテンドー3DSのラインアップを見ると、任天堂のメジャーなフランチャイズが揃っていて、コアなユーザーにアピールするものになっている。過去のニンテンドーDSではカジュアル向けのタイトルが揃っていたが、ニンテンドー3DSで、カジュアルなタイトルの必要性についてどのように考えていますか?

宮本氏 『マリオ』よりも先に『Nintendogs』を作ったので、へんな順序になっていますけど。たぶん、『Nintendogs』があると、おばあちゃんには、3年くらい、ずっと買ってもらえるチャンスがあるんじゃないかと思っています(笑)。
当然、そういう、カジュアルなゲームタイトもル、たくさん作ればいいと思うんですが、ニンテンドー3DSでは、我々が考えたそういう機能を、すべて入れてしまったんです。あれがあれば、当分はカジュアルな遊びはできるだろうと。そういう考えで作っています。
ニンテンドーDSっていうのは、タッチペンだけで遊ぶ新しいハードウェアでしたが、今度は携帯機で3Dで遊ぶというものなので、ゲームらしいゲームを作らないと、というのが強いんですね。それで僕は、そういうほうにフォーカスしていて、いっぱいあってどれから作ろうか、という状態なんです。
もちろん、デベロッパーのほうでは、カジュアルなものも準備しています。それは順々に紹介していきますが……いまは言えないんですよね。


ーー『ルイージマンション2』に関して、女性でも遊べるようなソフトと言っていましたが、いままで、そういう男女の区別について意識していたことはありますか?

宮本氏 小泉さんとよく話したのは、『マリオ』って女の子もよく遊ぶゲームだけど、『スーパーマリオギャラクシー』ってなんか男の子だよね、って(笑)。それから、『ルイージマンション』を作ったときには、怖いからやらない、って女の子が言うんですよ。でも基本的には、男も女も、ゲームを楽しむという意味では変わらないと思って作っています。ただ『スターフォックス』を作るときとかは、自分が戦闘機のパイロットになったような、男の夢を形にしたい、自分がそれを経験してみたい、というのはありましたね。

小泉氏 『スーパーマリオギャラクシー』の話がでましたが、かっこいいマリオを作りたかったので、宇宙に飛び出させたというのはありました。これは非常に男の子的な魂で作ったので、そういう面はあったのかなと。

宮本氏 今度のマリオは?

小泉氏 今度は、いままでの、皆さんが知っている『スーパーマリオ』で作っています。男の子の魂では作っていないので、皆さんに楽しんでほしいと思います。


−−『スカイウォードソード』はWiiの最後のタイトルになりますか?

青沼氏 知らないです、ごめんなさい(笑)。ただ僕が作るという意味では、どんどん新しいハードのソフトを作らないといけないので、最後かどうか……それに近くはなると思います。でも、ほかのデベロッパーもまだまだ作っていますし、まだ紹介していないWiiのソフトもありますよ。ああそう、『スカイウォードソード』は25周年の最後を飾るタイトルなので、Wiiの最後を飾るにも、ふさわしいソフトにしたいな、という思いはあります。

宮本氏 最後の『ゼルダ』?(笑)

青沼氏 いやいやいや、そんなことはないですよ(笑)

宮本氏 このゲームが過去最高のデキじゃなかったら、もう『ゼルダ』は作らない、って青沼さんは言ったんですよ。『スターフォックス』の担当のプロデューサーには、この『スターフォックス』で、やっぱり『スターフォックス』はおもしろい、って思ってもらえなかったら、もう『スターフォックス』は作れないよ、って言いました。それで、けっこうみんな真剣に作っています。


−−今日『スーパーマリオ(仮題)』を遊んでみて、遊びの流れがいまがでのマリオと違う雰囲気があるという印象を持ちました。細かい調整、Bダッシュやジャンプ、止まるときいのスリップの量など。そのあたりの調整はどのようになっていますか?

小泉氏 いままでの3Dゲームって、大らかに調整してきたところがあって。今回の3Dマリオは、速度、ジャンプを厳密に操作できるようにして、より『スーパーマリオ』っぽく遊べるように調整しています。なので、ちょっと歯応え、手応えがあると思いますが、そこはくり返し遊んで、うまくなってほしいと思います。


−−Wii バイタリティーセンサーについてはどうなっていますか?

宮本氏 ずーっと開発は進めているんですが、安定した性能を出すことが難しい。いろんな環境で遊んだときに、正確に測れないんです。ずーっと研究は続けています。まだ安定して使ってもらえる環境にはないので、もう少し待ってください。


−−『スーパーマリオ(仮題)』のタヌキマリオが、完全に飛べる機能が付いていないのはなぜですか? そして、そもそもタヌキのしっぽで飛べるようになるというアイデアの出どころは?

小泉氏  原作(編集部注:『スーパーマリオブラザーズ3』のこと)では飛べますが、じつをいうと、最初はしっぽマリオという飛べないものをやってたんです。飛べるものをやりたかったんですが、それだと3Dが破綻してしまうので。でもしっぽマリオで落下をゆっくりにしてしまうと、3DSの画面ででわかりにくかった。そこでわかりやすくするために、タヌキスーツにしました。

<<ここでリクエストに応えて、タヌキマリオの産みの親である情報開発本部の手塚卓志氏が登壇>>

手塚氏 『マリオ3』のとき、まずしっぽをつけようと。マリオが敵を蹴散らすためになんですが、せっかくしっぽをつけるので、ほかのことにも使いたいと。そこでしっぽをバタバタさせると少し飛べるようにして、やっているうちに、いっそ飛んじゃえ、ということになりました。


 手塚氏の登場に会場が大いに沸いたのち、最後の締めとして、宮本氏がWii U用に『ピクミン』新作を開発中であることを宣言(詳しくはコチラ)。盛りだくさんの情報が詰まった任天堂ラウンドテーブルは、これにて閉幕となった。

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