「薪を運ばなければならない時は、水を割るな(Don't Chop Water When You Should Be Carrying Wood.)」この格言は、13歳の少女が昔からあることわざ「薪を割れ、水を運べ(chop wood, carry water.)」に呼応して作ったものです。注意力を散漫にせず、その瞬間に集中するには、肉体に意識を向けた方がいいということを思い出させてくれます。

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 それだけでなく、この少女作の格言は、人間はマルチタスクの能力に欠けるということも指摘していて、とても興味深いです。「Psychology Today」で、Michael J. Formica氏がそのことについて、以下のように述べています。

一般的な認識に反して、人間というのはマルチタスクできないものです。人間にできるのは、早急に成し遂げなければならない一連の仕事の数を管理することや、そこまで自動化されていない仕事と自動化された仕事を組み合わせることなどです。

アメリカの国家運輸安全委員会が、運転中に何かを書くことは、法定制限の3倍の血中アルコールレベルで車を運転することに、機能的には等しいと報告しているのも、人間がマルチタスクできない理由の一つでしょう。一見どんなに自動化されているように見えても、誰もが同時に2つのことをうまくこなすことはできません。

過去記事「マルチタスク偏重の落とし穴」でも、マルチタスクは集中力が散漫になるだけなので、ひとつのタスクに集中した方が結果的に効率がいいと説いています。目の前の仕事に集中することが、結局は仕事がはかどるようですよ。

5 Steps for Being Present | Psychology Today

Adam Dachis(原文/訳:的野裕子)