サイエンス

「においが出るテレビ」開発中、アイドルや女優の香りも再現可能に

by Mr Jan

3D対応テレビなどに見られるように家庭用のテレビは進化してきていますが、さらなる進化形として映像に合わせたにおいを発するテレビが開発中だということです。

小さな装置からさまざまなにおいを精製することが可能で、映像で流れたピザやコーヒーなどの食べ物のにおいの再現や、アイドルや女優が映し出された際にその人をイメージした香りを放出するなど、さまざまな用途が検討されています。


Coming to TV Screens of the Future: A Sense of Smell [Jacobs School of Engineering: News & Events]

カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者たちが、サムスン高度先端技術研究所のJongmin Kim氏率いる研究チームと2年間にわたって基礎研究をする中で、視覚・聴覚以外に嗅覚に訴えることで、視聴者の楽しみや広告主の訴求方法が広がるのではないかというアイデアが生まれ、研究が進められました。

スーツを着た男性がサムスン高度先端技術研究所のJongmin Kim氏。


カリフォルニア大学サンディエゴ校にて航空宇宙工学とナノエンジニアリングを教えるSungho Jin教授と大学院生から構成された研究チームは、どのような種類のにおいでも生成できるコンパクトな装置を実現するために「X-Y matrix system」という技術を使用。においの元となるのはアンモニア水溶液のような液体で、細い金属のワイヤーに電気を通すことで液体をガス化することでにおいを放出する仕組みです。これらは無害で非可燃性のシリコン製ケースの中に収納され、熱とにおいのガスの圧力が発生した際にケースのごく小さな穴が広がり、においが放出されます。

電極とシャーレを使い、においの発生を実演しているところ。


Jin教授のチームはこのにおい発生装置のテストに、ジェニファー・ロペスをイメージした香水「Live by Jennifer Lopez」と、エリザベス・テイラーをイメージした香水「Passion by Elizabeth Taylor」を使用しました。被験者はにおいの発生源から30センチ以内であれば、それぞれの香りの違いをかぎわけることができました。ちなみに、かぎわけをより正確に行うため、違う香りを嗅ぐ前にはコーヒー豆のにおいをかいで嗅覚をリセットしていたとのこと。

この装置はテレビの裏側ににおい発生を取りつけ、においが薄くなってきたらプリンターのカートリッジを取り換える要領で新しいカートリッジを購入するような形になるようです。次なるステップはプロトタイプの開発で、現在普及しているテレビや携帯電話のような機器に取りつけ可能な大きさにまで装置を改良し、指示した通りの香りが放出されるかというテストが行われる予定とされています。

発生させるにおいのパターンは広告を出す会社や流れる映像の数だけ増えていくため、それに併せてシステムアップデートが必要となるのではないかという点や、テレビ番組の製作側が望む通りのにおいを発生させるための仕組みなど、検討材料はまだ多いようです。

芸能人や映像作品と香りを結びつける傾向として、香水を販売する際に「芸能人が愛用中」という売り文句が使われることが多く、またアニメ作品のキャラクターをイメージした香水が多数発売されていたり、「TIGER & BUNNY」の1シーンからキャラクターが使用しているとおぼしき香水が判明して購入者が続出したりする例もあるため、この技術が実用化されることによって、映像作品の演出や広告手法にさらなる展開が期待できそうです。

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in ハードウェア,   サイエンス, Posted by darkhorse_log

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