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ビンラディン容疑者殺害、作戦の詳細が判明

2011年5月3日 21:14

 アメリカ軍によって潜伏先のパキスタンで殺害された国際テロ組織「アルカイダ」のウサマ・ビンラディン容疑者について、アメリカ軍が40分間にわたって展開した作戦の詳しい状況が明らかになった。

 ビンラディン容疑者は首都・イスラマバードから約60キロ離れたアボタバードに潜伏していた。アメリカ政府高官によると、収容所に拘束されているテロの容疑者の情報から潜伏場所を特定。建物は要塞のような造りで、敷地の周囲には最大約5メートルの高さの塀があった。

 襲撃作戦はアメリカ単独で少数精鋭で行われ、現場にはヘリコプター4機が向かった。ビンラディン容疑者は家族と暮らしていた邸宅の3階で殺害されたとみられ、息子を含む4人も殺害された。また、「人間の盾」となっていた側近の妻とみられる女性も殺害された。NBCテレビによると、アメリカ兵はビンラディン容疑者を発見すると、すぐ本人と認識し、左目辺りに銃を2発撃ったという。

 NBCテレビによると、今回の作戦でビンラディン容疑者はギャンブルの大当たりを意味する「ジャックポット」というコードネームで呼ばれていた。殺害後、作戦司令部には、作戦成功を意味する「神と国のために、ジェロニモ、ジェロニモ、ジェロニモ」という暗号が伝えられた。

 ビンラディン容疑者の遺体は、洗われた後、白いシートに覆われて重りをつけられ、海に沈められたという。

 アメリカ政府高官によると、ビンラディン容疑者の身柄拘束も選択肢の一つだったものの、抵抗したため殺害したことを明らかにした。NBCテレビによると、作戦実行に先立ち、特殊作戦チームは先月7日と13日の2回にわたり、潜伏先に見立てた場所で予行演習を実施し、周到に準備していたことが明らかになった。

 オバマ大統領は1日、ホワイトハウスでモニター越しに作戦の進行状況を見守った。

 殺害後、アメリカ全土では、アルカイダの報復を警戒し、厳戒態勢が敷かれている。ロサンゼルスの空港では、自動小銃を持った警察官が普段よりも巡回を増やすなど緊張感が高まっている。