Passing Thought

行きたい。


今月1〜10日までの間デンマークの首都コペンハーゲンでは、
Copenhagen Jazz Festival(コペンハーゲン・ジャズ・フェスティバル)が開催されました。
今年で33回目を迎えるこのフェスの期間中はコンサートホールだけでなく、
公園や城の中庭、雑貨屋や通り等コペンハーゲンの街全体がライブ会場へと変化します。


このフェスは10日間で約100の会場で1000以上のライブが行われるとても大規模なものですが、
デンマークでも他国と同じように、Jazzが今の主流な音楽というわけではありません。
Jazzは他の古典的な音楽に比べると利益を生んでいるとは必ずしもいえず、
非常に脆い音楽ともいえます。
しかしながらその小規模性がコペンハーゲンという街に合致し、
多くの国で失われたJazz文化、カフェや公園で気軽にJazzを楽しむ光景が
市民の間には脈々と受け継がれているといえます。
楽家たちはそれを理解した上でこのイベントに参加し、
それがまた新たなJazz文化をこの街へと根付かせています。


今年は2日から3日に掛けて都市部が豪雨に見舞われた影響でいくつかのコンサートは中止、
Jazzhus Montmartreで行われたライブの観客はわずか85名という寂しい事態も起きています。
「33年間このフェスに携わってきましたが、
こんなに短時間でこれほどの大雨は体験したことがありません」
と同フェスの責任者は話しています。
この大雨の影響で今年のフェスは赤字と予想されています。


今年開かれた1000ある会場でお勧めはOfelia Beachです。
ここでは左手にはAmalienborg右手にはOperaenと、
近世から現代にかけてのデンマークを代表する建築物を眺めることができ、
Jazzを味わうには極上の空間といえます。


ステージの様子はどうだったのか。
各メディアでは6段階でアーティストのパフォーマンスを評価しています。

  • ibyen.dk Politiken紙
  • b.dk Berlingske紙
    • 6星:
    • 5星:Bunky Green/Juhani Aaltonen Quartet/Kristin Korb/
    • 5星:Dr.Lonnie Smith Trio/Søs Fenger (On Holiday) with Adam Nussbaum


デンマーク出身のピアニストであるCarsten Dahlは、
Nils Davidsen(b),Stefan Pasborg(dr),Jesper Zeuthen(as)を従えてKrudttøndenに登場します。
序盤からDahlを中心に見事な即興演奏を披露し、
周囲を巻き込む大きな渦のようなものが会場を支配しました。


以下は写真です。
太陽と雨とJazz 

Passing Thought / Carsten Dahl, Arild Andersen, Patrice Heral 2004年