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「理想的な淡水水槽」 9.1. 自然の生態系における水の状態

デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

9.1. 自然の生態系における水の状態



魚や植物を探すために熱帯地方を訪れたことがある人なら誰でも、熱帯の小川と自分達の住む場所の近くの小川との間に根本的な違いがある事にすぐに気づくだろう。すなわち熱帯の小川にある錆色の土や、水中のぬるぬるした黄色い水酸化物などの堆積物などである。それに加え熱帯には、錆色をしたボロボロの雲のような物質が水中を漂う小川もよく見られ、この物質は分厚いクッションのように水草や土壌の上にどんどん堆積していく。分析してみると、この物質は非常に高い濃度で鉄分を含有している。実際に水を分析してみても、熱帯の水草が生息する小川は、その他の小川と比べて鉄分濃度が一般的に高いのだ。

確かに熱帯の地学を知る者にとっては、これは驚くことではない。水中の比較的高い鉄分濃度は熱帯紅土によるもので、これについては8章で述べた。川底を通る強い水流により、熱帯の底床土から鉄分が水中へと溶け出ているのだ。

このことから我々は最も重要な教え(これは水槽にとっても大きな意味を有するのだが)を受けた。つまり鉄分は水草の成長にとって非常に重要な要素であるということだ。水草の葉が黄色く透き通ったようになる症状は、鉄分の不足による病気の印なのである。



1. 我々は熱帯の小川を四季を通じて徹底的に調査した。
  写真は
前項の小川と同じ川であり、増水した時のもの。




2. 1の写真と同じ場所を2年後に撮影したもの。
   比較的長い乾季の後の様子



3. この写真は1の16年後、2の18年後に撮影された。
   河川における植物の明確な相乗効果を示す写真。
   パイナップルやバナナの農園がすぐ隣に開かれたにも関わらず、
   小川の中のクリプトコリネは失われていなかった。
   それどころか写真左側に多くの植物が生い茂っている。
 
 


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