横浜市の結核対策(横浜市議感染について) | 不可能をかのうにする かのう重雄 オフィシャルブログ「一つ、ひとつを重ねて」 Powered by Ameba

横浜市の結核対策(横浜市議感染について)

横浜市の結核対策(横浜市議感染について)


危機管理において、保健所は政治的な影響から独立した存在でなければならない。一方、公人である議員も、何らかの政治的な便宜を図ったのではないかと疑われるようなことを保健所にさせてはいけないという配慮が必要であろう。


平成23年6月20日、横浜市の消防局職員25人が結核集団感染を起こしたことが岩田医務担当部長によって記者発表され、報道各社に報道された。

どの記事も “新たな感染が広がる可能性はない” という保健所の見解を示していた。このような “言い切り” は非常に危うい。


結局、7月12日に開催された消防の常任委員会で、6月20日1名であった発病者が5名になったことが明らかにされた。保健所は濃厚接触者の内28人を検査せず被災地に職員を派遣。そのうち30代の男性が発病。15名の感染が判明した。


また、岩田医務担当部長は会見で “危機管理室の換気は問題なし” と話したというが、実際私が総務局に問い合わせて調査したところ、危機管理室の換気は以前から悪かった。換気の悪い環境は結核の感染しやすさ、発病しやすさを決める因子である。(横浜市結核接触者健康診断の手引きp10)



前にも書いたが、危機管理担当の医師は嘘をついてはいけない。まして、調査も十分にしないでものごとを断言することは極めて危険である。



結核感染は、保健所が説明しているように感染あるいは発病にはある程度の時間を要する。だから、経過をみなければ感染あるいは発病の最終的な全体像はつかめないはずだ。独自に消防局の結核について問い合わせて経過を追っていた。保健所の結核対応あるいは記者発表の手法には多くの疑問をもっていたからだ。


そんなとき、平成24年11月4日、団長より私が結核の接触者健診の対象者であることの説明があり検診の協力を求められた。


そして、1枚の調査票?を手渡された。

“今後の健診を検討・実施するための資料とさせていただきますので、ご回答をよろしくお願いします。” と冒頭に記載してあり、 “11月7日まで団控室あてに発送・投函をお願いいたします”。と結んであった。


文書の発信もとが一切記されていなかった。疑問を持ったので発信もと(責任者)の確認をしたら “保健所長です” との回答を岩田医務担当部長者らから伺った。また、保健所の事務手続きの最高責任者は、畑澤健康安全部長であるとも伺っている。つまり、事務手続きが、適切か否かの判断を行う責任者である。


横浜市の結核対応マニュアルでは、患者居住区の福祉保健センターが原則的には患者管理を行う。また接触者健診が必要と考えた場合、勧告書が交付されるはずだった。勧告書発行の前であり、特別に作成した調査票?であったことから通常の処理ルールでないことをすぐに認識した。しかも個人情報の記載を多く求められている。


そして、驚いたことに医師も保健師も誰ひとりと説明に来なかった。その対応に私は、接触者検診の対象者として不安と不信を抱いていたため保健所へ連絡し、専門職の説明を求めた。


10日の朝日新聞で横浜市保健所が “市議と言っても対応は一般人と同じ” と言ったと記載されていた。しかし、少なくとも私の場合は明らかに違った。

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000001202100002


結局、通常の接触者健診と明らかに違っていると認識しながら、今日まできてしまった。明日、接触者健診が開始され3カ月余り経過して初めて、団として保健所から説明を受けることになった。


横浜市結核接触者健康診断の手引き(p18)には接触者の問診や教育を行うことが明記してあるが、そんなことも一度もなかった。

私からすると、手引きと乖離した手法を展開してきた保健所の岩田医務担当部長が “対応に問題がなかった。” と言い切った根拠を聞きたいと思う。


新聞報道後、いろいろな方から “加納さんは大丈夫ですか” との問い合わせを頂いた。(ご心配をかけてすいません。)


昨年、保健所から提出依頼があった胸部エックス線(またはCT)検査(発病の有無を調べる検査)について、検査画像を提出したが、『異常なし』と判断された。


QFT(血液検査:結核菌感染の有無を調べる検査)も陰性だった。

しかし、QFTが陰性だからといって100%安心はできないということを、平成22年6月に改訂された感染症法に基づく結核の接触者健康診断の手引きにはきちんと書いてある。


また、保健所(中福祉保健センター)からの検査結果にも、『今回陰性(感染を受けた可能性は極めて低い)との判定です。』、『しかしながら、今回の検査も精度はかなり高いとはいえ100%ではないため、今後も健康には十分留意してお過ごしください』との記載があった。