いま、遺言や相続で悩んでいる人が増えている。人それぞれ、いろいろな問題を抱えている中で、遺言があった場合となかった場合では、大きな違いが生じることがある。ユニークな遺言の書き方を提唱する『90分で遺言書』の著者・塩原匡浩氏に、これからの遺言の動向を聞く。

コロナ禍における「自筆証書遺言制度改革」の有効性をレポートする!Photo: Adobe Stock

遺言の革命!
「自筆証書遺言書保管制度」とは?

 予想もしなかった新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。とくに志村けんさんや岡江久美子さんという長年お茶の間で愛されてきた芸能人が、コロナ感染が原因で逝去されたことで、これは決して他人事ではないという危機感が誰の心にも芽生え、潜在的な恐怖感がひしひしと迫ってきているように感じる。

 このようなタイミングで、自筆証書遺言革命とも言われる「法務局における自筆証書遺言書保管制度」の概要が、法務省ホームページに公表された。

 これは、令和2年4月20日、法務局における遺言書の保管等に関する省令が公布されたことに伴ってページを更新したものである(法務省民事局商事課)。今回は、コロナ禍における「自筆証書遺言制度改革」の有効性についてレポートしてみようと思う。詳細は法務省ホームページを参照。

 法務省ホームページの該当箇所を見ると、「預けて安心!自筆証書遺言書保管制度」という大見出しのもと、お堅いイメージの 法務省にしては、動物の絵を多用して親しみやすい雰囲気を演出している。そこには12のアイコンがあり、自分が欲しい情報のアイコンをクリックすると、情報先のページに進める仕組みとなっている。

 また現在公表されている内容に関してはピンク、まだ公表されていない内容に関してはグレーに色分けされており、その進捗度合いがひと目でわかる。「難しいことをわかりやすく解説」したい、「この新制度を日本に遍く普及」させたいという法務省の意気込みが伝わってくるようだ。