インドネシア イスラム教のラマダン始まる ワクチン接種は可能

新型コロナウイルスの感染者が東南アジアで最も多いインドネシアで、イスラム教徒が日中の飲食を断つ断食月、ラマダンが始まりました。断食中のワクチン接種について、飲食に当たるのではないかと不安の声が出ていたのに対し、イスラム教団体が問題ないとの見解を示すなど対応に追われました。

インドネシアでは、新型コロナウイルスの感染者と死者が東南アジアで最も多く、今月に入ってからも一日当たりの新規の感染者が4000人を超える日が続いています。

13日から日中の飲食を断つ断食月、ラマダンが始まりましたが、国民の9割近くを占めるイスラム教徒からは、ワクチン接種が飲食に当たるのではないかと不安の声が出ていました。

このため、国内のイスラム教団体は先月「筋肉に打つので断食を無効にするものではない」として、問題ないとの見解を示すなど対応に追われました。

首都ジャカルタの病院で、13日接種を受けた27歳のイスラム教徒の女性は「断食中にワクチンの接種を受けても大丈夫だという見解が示されていたので、安心しています」と話していました。

インドネシアでは、イスラム教団体がワクチンについて、イスラム教の戒律に反していない方法で製造されたものと認める「ハラル認証」をするなど、国と協力してワクチン接種を進めようとしています。

夜間に接種を

インドネシアのイスラム組織を統括する団体のアンワル・アバス事務局長は「口からワクチンを投与するのであれば断食を妨げることになるが、筋肉に注射する方法はイスラムの教えに反しない」と指摘しています。

そのうえで「ワクチンの目的はイスラム教徒とそのコミュニティーを守ることだ。非常に重要なもので、ラマダン中も接種を受けなければならない」と話しています。

また、接種を受ける時間帯については「体に異変を感じたとき飲食することができるので、夜間に受けたほうがよい」と述べ、ラマダン中でも飲食が許されている夜間に接種するよう呼びかけています。