【独自】商店会の男性「祭りで1万円頂きまずいと思った」…菅原前経産相に新たな現金提供疑惑

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 有権者に香典などを渡した公職選挙法違反事件で不起訴(起訴猶予)となり、検察審査会に「起訴相当」と議決された前経済産業相の菅原一秀衆院議員(59)に新たな現金提供疑惑が浮上した。菅原氏には地域行事で数千円~1万円程度を配っていた疑いがあり、行事の主催者らは取材に「ありがたく受け取った」「まずいと思った」などと口々に証言。東京地検特捜部も地元の東京都練馬区に検事らを送り込み、捜査している。

■盆踊りはしご

菅原一秀前経産相
菅原一秀前経産相

 「車内で浴衣に着替えては、踊りに加わっていた」。後援会幹部の男性は、毎夏、選挙区内で開かれる盆踊りを「はしご」する菅原氏の精力的な姿をそう語る。

 ただ、手ぶらで参加していたわけではなかったようだ。菅原氏が2019年頃まで盆踊りなどに参加していたというある町内会の会長は「お菓子や飲み物しか出していないのに、いつも5000円や1万円を置いていった」と証言した。

 商店会の男性も「祭りで1万円を頂いた」と証言。「『会費』として受け取ったが、菅原さんはすぐに帰ってしまった。寄付にあたり、まずいと思った」と心境を吐露。例年の夏祭りで「菅原一秀」「会費」と書かれた現金入りの封筒を受け取ったという商店主男性は、「『いけないことだ』と思ったが、お釣りを渡すのは失礼ではないかと考え、できなかった」と気まずそうに話した。

 現金を置いていくのは菅原氏に限らないとの声もあった。区西部の商店街で代表者を務める男性は「夏祭りでは、菅原さんだけでなく、都議や区議でも5000円程度の会費を払い、あいさつだけで帰る人もいる。現金提供は選挙のためではなく、地域への愛着からだ」と持論を展開した。

■帳簿提出求める

 特捜部は東京第4検察審査会が2月に起訴相当の議決をしたことを受け、改めて刑事処分を行うために再捜査を始めた。関係者によると、特捜部は町内会や商店会、菅原氏と関係が深い団体の代表者らから事情を聞き、帳簿類の提出を求めるなどしているという。

 町内会の旅行に例年参加している男性は今月に入り、特捜部から連絡を受けた。訪れた検事には、19年の旅行時に菅原氏から「行けないけど、参加費です」として現金入りの封筒を渡されたことを説明し、菅原氏の名前や日付、参加費を記した出納帳を提出。取材に「お金は町内会の活動費に充て、ありがたかったが、特捜部が来るとは……」と困惑気味に話した。

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2004967 0 社会 2021/04/23 05:00:00 2021/04/23 10:47:43 2021/04/23 10:47:43 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210423-OYT1I50019-T.jpg?type=thumbnail

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