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東京・大阪は10人以上の集会、家族以外と会食自粛を-専門家会議

更新日時
  • 感染拡大警戒地域は学校の一斉臨時休校も選択肢-医療崩壊に警鐘
  • 東京都で66人の新型コロナ感染者、累計587人に-大阪府は最多34人

政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は1日、東京や大阪など直近1週間の新規感染者数が急増している「感染拡大警戒地域」では、期間を明確にした外出自粛を要請するとともに、10人以上の集会や家族以外の多人数での会食を避けるよう提言した。

  専門家会議副座長の尾身茂自治医大名誉教授が同日の会見で、現状について諸外国で起きている「オーバーシュート(爆発的患者急増)は見られていない」と評価した。「都市部中心にクラスター感染が次々報告され、感染者が急増している」と危機感を示した。

  東京では3月下旬になって感染者数が急増している。1日には新たに66人の感染を発表、うち38人は感染経路を調査中。累計では587人。最多だった前日の78人よりは減少した。大阪府は最多となる34人の感染を発表した。

急増する都内の新型コロナ感染者数

出所:東京都

備考:1日現在の累計感染者数

医療崩壊へ警鐘

  専門家会議は医療崩壊への警鐘も鳴らした。尾身氏は東京や神奈川、愛知、大阪、兵庫など医療供給体制に切迫感のある地域が出てきており、「供給体制強化が喫緊の課題」と指摘。その上で、「爆発的感染が起こるかなり前に医療供給現場の機能不全に陥る可能性がある」と述べた。

  学校の休校判断に関して、「子供は地域で感染拡大する役割をほとんど担っていない」とし、地域や生活圏ごとのまん延状況を踏まえ判断することが重要と語った。医療供給体制が切迫している「感染拡大警戒地域」では、学校の一斉臨時休校も選択肢との考えを示した。

  直近1週間の感染者増加数が一定程度の「感染者確認地域」では、屋内では50人以上の集会イベントの参加を控えるほか、直近1週間で感染者が確認されていない「感染未確認地域」では、屋外でのスポーツや観戦は感染症対策を講じ、感染リスクの少ない活動は注意して実施することが必要だとした。

市民に求める行動
  • 3密に加え、大きな声を出す、大きな声で歌うことは感染リスク高い
  • 夜間から早朝に営業するバー、ナイトクラブ、接客伴う飲食店への出入り控える
  • カラオケ・ライブハウスへの出入り控える
  • スポーツジムや卓球など呼気の激しくなる場所での集団感染が生じていることを踏まえた対応

  安倍晋三首相は1日午後の参院決算委員会で緊急事態宣言について「まだ全国的かつ急速なまん延という状況には至っておらず、ぎりぎり持ちこたえているという状況」との認識を示した。その上で、「同時に時々刻々変化をしている」とも述べ、専門家の見解も聞きながら「適切に対応したい」と話した。

  また、同日夕の政府対策本部では、来週決定する緊急経済対策に布マスクの買い上げを盛り込むことを明らかにし、「全国で5000万余りの世帯全てを対象に日本郵政の全住所配布のシステムを活用し、1住所当たり2枚ずつ配布する」と語った。補正予算成立前でも予備費の活用などにより再来週以降、感染者数が多い都道府県から順次配布を開始する予定。

(専門家会議の提言の内容や大阪府の発表を追加し、更新しました)
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