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コロナブルーを追い払ういくつかの方法

Posted March. 14, 2020 08:08,   

Updated March. 14, 2020 08:08

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新型コロナウイルス感染症と憂鬱を意味するブルーが結合して「コロナブルー」という新造語が生まれるほど、多くの人が憂鬱になっている。映画館で映画を見たり、スーパーマーケットで買い物をする日常が、今では勇気が必要なことになった。顔を出して爽やかな風を感じて空気を吸う自由を失った。

多くが日常を失って家に閉じこもって過ごし、社会的孤立を感じている。このような孤立感はうつ病につながったり、すでにうつ病の人はさらに悪化する恐れがある。生計のためにマスクをつけて出勤する人は、すぐに疲れ、業務に集中することができない。消費心理が萎縮し、自営業者のため息は増えていく。新型コロナウイルス関連の否定的なニュースのため、近ごろ精神健康科を訪れる患者の表情は暗い。

確実な治療剤やワクチンがまだない状況で、多くの人が不安を感じるのは極めて自然な反応だ。精神健康科の医師は感染疾患を治療しないが、新型コロナで憂鬱感や不安感を訴える患者を診療する。新型コロナウイルスに感染しないだろうか。家族にうつさないだろうか。このような不安を感じる患者が多い。目に見えない感染や、エレベーターや玄関ですれ違う隣人や地下鉄、バスで通り過ぎる人々の中に感染者がいるのではないかと思うと日常の中で恐怖を感じ、外出時に衛生手袋をはめる人も多くなっている。

このような心配は、感染で健康を失うかも知れないという水準に止まらない。新型コロナウイルスに感染すれば、同僚や他人に被害を与えるかもしれず、非難を受けることもあるという恐怖心が増す。自分が感染すれば、共に時間を過ごした家族や友人が不安な気持ちで検査結果を待ち、自宅隔離することになるかもしれない。勤務先の職場や、よく利用するレストランやスーパーマーケットが閉鎖されるかもしれない。感染が明らかになれば、自分や家族が周囲から冷たい目で見られ、非難を受けるかもしれない。

明らかに自分は被害者なのに、誰かには加害者になり得ると考えると、深刻な不安と恐怖を覚える。適切な程度の心配は緊張と警戒心を持たせ、危機な状況にうまく対処できるようになるが、自分で統制できないほどの深刻な不安、恐怖に発展すれば、極端な非合理的な行動につながる恐れもある。一部の感染者に対する過度な非難や嫌悪表現もこのような不安感や恐怖感を育てる可能性が高い。否定的な感情と攻撃的な態度は、状況の解決に全く役立たない。

 

個人はどのように対処すべきだろうか。今感じる否定的な感情を無理に押さえつける必要も、過度に巻きこまれる必要もない。適切に自分の感情がどうか振り返り、家族、友人と話し合って感情と状況を共有することが感情的な安定に役立つ。統制できない状況に無力感を覚えるよりも、「手きれいに洗う」、「顔を手で触らない」といった個人が実践できる行動に集中し、状況をコントロールしているという感覚を回復させるのも良い方法だ。自宅隔離を誠実に行っている市民や、残念なことに新型コロナウイルスにすでに感染して治療を受けている感染者を温かい目で応援してほしい。感染が地域社会に広がっており、誰もが危険にさらされている。励まし合い、支え合う社会的ムードなら、感染の恐怖におびえている市民や治療を受けている感染者すべての不安が和らぐだろう。

新型コロナウイルスの克服に向けて社会各界から温情が続いている。脆弱階層や医療スタッフにマスクを譲歩するキャンペーンも市民が自発的に始めた。奉仕や寄付などで他人を助ける建設的な行動を精神健康科では「利他主義(Altruism)」と呼ぶ。このようなキャンペーンに関心を持ち、自分の状況に合わせて参加することも勧めたい。このような行動を通じて、孤立よりも社会的連帯を感じ、肯定と希望を見出すことができる。不安な心をコントロールし、心の平静を回復することに多いに役立つだろう。

世界最高水準の医療スタッフが使命感を持って治療に専念している。新型コロナウイルスは新しい感染症なので、既存の感染症と比べて多くの情報がないのが現実だ。このような時ほどデマや出処が不明な情報を選り分け、専門家の話に耳を傾けて指針に従う必要がある。大変な時期を賢明に勝ち抜くことを心より願う。