汚染水処理情報ポータルサイト

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福島第一原子力発電所では、多くの方のご協力を頂きながら、事故に伴って発生した高濃度の放射性物質を含む「汚染水」への対策を進めています。
当サイトでは、汚染水に含まれる放射性物質を浄化し、リスクを低減したALPS処理水等について、データ情報や対応状況などを皆さまにお伝えしてまいります。

「ALPS処理水」の表記について(2021.4.27見直し)

トリチウム以外の放射性物質が、安全に関する規制基準値を確実に下回るまで、多核種除去設備等で浄化処理した水(トリチウムを除く告示濃度比総和1未満)を「ALPS処理水」、
多核種除去設備等で浄化処理した水のうち、安全に関する規制基準を満たしていない水(トリチウムを除く告示濃度比総和1以上)を「処理途上水」、
2つを併せて示す場合は「ALPS処理水等」と表記します。
※なお、過去に掲載した資料については、これまで(2020.3.11見直し)の表記としています。

information

お知らせ


  • 2021.12.28
    (コメント)政府の「ALPS処理水の処分に関する基本方針の着実な実行に向けた行動計画」とりまとめについて
    詳しくはこちら
  • 2021.12.23
    「多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の海洋放出に係る放射線影響評価結果(設計段階)」のポイントについて
    放射線影響評価の結果はこちら
    放射線影響評価の方法はこちら
    海洋拡散シミュレーション結果はこちら
  • 2021.12.21
    多核種除去設備等処理水の取扱いに関する「福島第一原子力発電所特定原子力施設に係る実施計画変更認可申請書」の申請について
    詳しくはこちら
  • 2021.12.3
    原子力規制委員会の更田委員長による福島第一原子力発電所ご視察について
    詳しくはこちら
  • 2021.12.2
    (福島県浜通り13市町村のみなさまへ)
    福島第一原子力発電所 視察・座談会の参加募集について
    【開催日:2022年1月15日(土)/申込締切日:2021年12月17日(金)】
    詳しくはこちら
  • 2021.11.30
    内堀福島県知事による福島第一原子力発電所ご視察について
    詳しくはこちら
  • 2021.11.19
    ジュリア・ロングボトム駐日英国大使による福島第一原子力発電所ご視察について
    詳しくはこちら
  • 2021.11.17
    ALPS処理水の海洋放出に係る放射線影響評価報告書(設計段階)について
    概要版はこちら
    報告書はこちら
    動画はこちら
    募集要領はこちら
  • 2021.11.17
    国際原子力機関(IAEA)による福島第一原子力発電所ご視察について
    詳しくはこちら
  • 2021.11.16
    Q&Aを更新しました
  • 2021.10.19
    福島県のみなさまへ※浜通り13市町村を除く
    福島第一原子力発電所 視察・座談会の参加募集について
    【開催日:2021年12月11日(土)/申込締切日:2021年11月19日(金)】
    詳しくはこちら
  • 2021.10.17
    岸田首相による福島第一原子力発電所ご視察について
    詳しくはこちら
  • 2021.10.17
    石井経済産業副大臣による福島第一原子力発電所ご視察について
    詳しくはこちら
  • 2021.10.11
    萩生田経済産業大臣による福島第一原子力発電所ご視察について
    詳しくはこちら
  • 2021.9.28
    (福島県浜通り13市町村のみなさまへ)
    福島第一原子力発電所 視察・座談会の参加募集について
    【開催日:2021年11月20日(土)/申込締切日:2021年10月20日(水)】
    詳しくはこちら
  • 2021.8.25
    福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の取扱いに関する検討状況について
    詳しくはこちら
  • 2021.8.24
    (コメント)福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の取扱いに関する政府の「当面の対策」の取りまとめについて
    詳しくはこちら
  • 2021.7.29
    福島第一原子力発電所 海洋生物の飼育試験に関する検討状況
    詳しくはこちら
  • 2021.7.12
    多核種除去設備等処理水の取扱いに関する海洋放出設備の検討状況について
    詳しくはこちら
  • 2021.7.9
    国際原子力機関(IAEA)による福島第一原子力発電所における多核種除去設備等で処理した水の処分に関するレビューの実施について
    詳しくはこちら
  • 2021.6.24
    多核種除去設備等処理水の二次処理性能確認試験結果(第三者機関)
    詳しくはこちら
  • 2021.6.24
    ALPS出口サンプルタンク(フランジ型含む)における信頼性向上対策
    詳しくはこちら
  • 2021.6.10
    廃炉情報誌「はいろみち 第26号」発行
    『「福島第一原子力発電所の水」について』をトピックスで紹介
    「はいろみち 第26号」はこちら
  • 2021.5.27
    「多核種除去設備等で浄化処理した水からトリチウムを分離する技術」に関する公募を開始しました
    詳しくはこちら(ナインシグマ社ホームページ)
  • 2021.5.26
    福島第一原子力発電所で発生する汚染水の処理技術について、東芝エネルギーシステムズ株式会社が全国発明表彰「発明賞」を受賞しました
    詳しくはこちら
  • 2021.4.28
    パンフレット「トリチウムについて」を公開しました
    詳しくはこちら
  • 2021.4.27
    「ALPS処理水の定義について」
    詳しくはこちら
  • 2021.4.16
    福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の処分に関する政府の基本方針を踏まえた当社の対応について
    詳しくはこちら
  • 2021.4.13
    (コメント)福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の処分に関する政府の基本方針決定について
    詳しくはこちら
  • 2021.4.13
    国の「多核種除去設備等処理水の処分に関する基本方針」
    詳しくはこちら
  • 2021.4.13
    国のALPS処理水の定義変更
    詳しくはこちら
  • 2021.4.13
    「検討素案(2020.3.24)」公表以降、地域の皆さまをはじめ多くの皆さまから、さまざまな機会を通じ、いただいたご意見をふまえ、当社としての考え等をまとめさせていただきました。
    詳しくはこちら
  • 2021.4.13
    国の「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する書面での意見募集結果」
    詳しくはこちら
  • 2021.1.28
    「汚染水発生量150m3日程度に抑制」の達成
    詳しくはこちら
  • 2020.12.24
    「建屋滞留水処理完了」の達成
    詳しくはこちら
  • 2020.12.24
    多核種除去設備等処理水の二次処理性能確認試験結果(終報)
    詳しくはこちら
  • 2020.11.26
    告示濃度比総和別貯蔵量の見直し
    詳しくはこちら
  • 2020.11.26
    多核種除去設備等処理水の二次処理性能確認試験結果(J1-G群)(続報)
    詳しくはこちら
  • 2020.11.16
    多核種除去設備等処理水の二次処理性能確認試験結果(続報)
    詳しくはこちら
  • 2020.10.28
    Q&Aを更新しました
  • 2020.10.15
    多核種除去設備等処理水の二次処理性能確認試験結果(速報)
    詳しくはこちら
  • 2020.10.8
    多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の御意見を伺う場(第7回)開催
    詳しくはこちら
  • 2020.9.15
    多核種除去設備等処理水の二次処理性能確認試験の開始
    詳しくはこちら
  • 2020.9.14
    「多核種除去設備等の処理水*」全ベータと主要7核種合計値のかい離調査資料
    詳しくはこちら
     2019年1月17日資料
     2019年6月17日資料
     2020年3月16日資料
     2020年9月14日資料
  • 2020.9.10
    多核種除去設備等処理水の二次処理の性能確認試験
    詳しくはこちら
  • 2020.9.9
    多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の御意見を伺う場(第6回)開催
    詳しくはこちら
  • 2020.8.27
    告示濃度比総和別貯蔵量の見直し
    詳しくはこちら
  • 2020.8.11
    8月8日ストロンチウム処理水の処理完了
    詳しくはこちら
  • 2020.7.30
    再利用タンク水の分析結果を踏まえたタンク利用方針
    詳しくはこちら
  • 2020.7.17
    多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の御意見を伺う場(第5回)開催
    詳しくはこちら
  • 2020.7.10
    多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の御意見を伺う場及び書面による御意見の募集(再延長)
    詳しくはこちら
  • 2020.7.3
    Q&Aを更新しました
  • 2020.6.30
    多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の御意見を伺う場(第4回)開催
    詳しくはこちら
  • 2020.6.19
    汚染水の浄化処理設備で発生する廃棄物の安定化処理
    詳しくはこちら
  • 2020.6.12
    多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の御意見を伺う場及び書面による御意見の募集(再延長)
    詳しくはこちら
  • 2020.5.11
    多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の御意見を伺う場及び書面による御意見の募集(延長)
    詳しくはこちら
  • 2020.5.11
    多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の御意見を伺う場(第3回)開催
    詳しくはこちら
  • 2020.4.13
    多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の御意見を伺う場(第2回)開催
    詳しくはこちら
  • 2020.4.6
    多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の御意見を伺う場(第1回)開催
    詳しくはこちら
  • 2020.4.6
    多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の御意見を伺う場及び書面による御意見の募集について
    詳しくはこちら
  • 2020.4.3
    Q&Aを更新しました
  • 2020.3.27
    多核種除去設備で発生するスラリー状廃棄物とその安定化処理の計画状況について
    詳しくはこちら
  • 2020.3.24
    多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会報告書を受けた当社の検討素案
    詳しくはこちら
  • 2020.3.16
    「多核種除去設備等の処理水*」全ベータと主要7核種合計値のかい離調査資料
    詳しくは以下をご覧下さい。
     2019年1月17日資料はこちら
     2019年6月17日資料はこちら
     2020年3月16日資料はこちら
  • 2020.3.11
    「多核種除去設備等の処理水」の表記を濃度の違いにより見直し
    トリチウムを除き告示濃度比総和1未満の処理水は「多核種除去設備等の処理水」又は「処理水」、
    十分に処理していない処理水は「多核種除去設備等の処理水(告示比総和1以上)」、
    2つを併せて示す場合は「処理水*」と表記しています。
    (2020.3.11~2021.4.26掲載分)
  • 2020.2.10
    多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会報告書の最終版
    詳しくはこちら
  • 2020.2.6
    多核種除去設備等処理水のタンク内部の点検結果
    詳しくはこちら
  • 2020.2.3
    多核種除去設備等処理水の現状に関する在京外交団向け説明会が開催されました
    詳しくはこちら
  • 2020.01.31
    第17回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会が開催されました
    詳しくはこちら
  • 2020.1.30
    ストロンチウム処理水タンクから多核種除去設備等処理水タンクへの再利用計画
    詳しくはこちら
  • 2019.12.23
    第16回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会が開催されました
    詳しくはこちら
  • 2019.11.21
    多核種除去設備等処理水の現状に関する在京外交団向け説明会が開催されました
    詳しくはこちら
  • 2019.11.18
    第15回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会が開催されました
    詳しくはこちら
  • 2019.10.31
    多核種除去設備等処理水のタンク内部の点検結果
    詳しくはこちら
  • 2019.10.30
    「処理水の保管」に“敷地全体MAP”と“今後の敷地利用の検討“を追加しました
  • 2019.09.27
    第14回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会が開催されました
    詳しくはこちら
  • 2019.09.26
    「処理水の保管」を新設しました
  • 2019.9.4
    多核種除去設備等処理水の現状に関する在京外交団向け説明会が開催されました
    詳しくはこちら
  • 2019.8.9
    第13回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会が開催されました
    詳しくはこちら
  • 2019.7.29
    タンクエリア毎にタンク水量・容量の算出方法が異なっていたことから、算出方法を統一しタンク水量・容量を変更しました
    詳しくはこちら
  • 2019.4.25
    ストロンチウム処理水溶接型タンク内部の状況調査と点検結果
    詳しくはこちら
  • 2019.3.27
    ボルト締めのフランジ型タンクに貯蔵している多核種除去設備等処理水について、溶接型タンクへの移送が完了しました
    詳しくはこちら
  • 2019.2.15
    スマートフォン用サイトを開設しました
  • 2019.1.21
    英語ページを開設しました
  • 2018.12.28
    第12回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会が開催されました
    詳しくはこちら
  • 2018.12.27
    Q&Aページを公開しました
  • 2018.12.10
    ポータルサイトを開設しました

タンク内ALPS処理水等およびストロンチウム処理水の貯蔵量

  • (2022年1月6日現在)

    *水位計の測定下限値からタンク底部までの水を含んだ貯蔵量

ALPS処理水等

ALPS処理水 %(m³)
処理途上水 %(m³)

  • サンプルタンクや満水となっていないタンク群の貯蔵量は含んでおりません。また、集計時期の相違等により貯蔵量と相違がある場合があります。
  • 割合は、小数点以下四捨五入のため割合の和が100にならない場合があります。

ストロンチウム処理水

タンク

%



福島第一原子力発電所では、発生した汚染水に含まれる放射性物質を多核種除去設備(ALPS)等で浄化処理し、敷地内のタンクに貯蔵しています。
<貯蔵している処理水>
ALPS処理水等 (ALPS処理水,処理途上水)※1
※1 トリチウム以外の大部分の放射性物質を低減した水
ストロンチウム処理水 (ALPS処理前水)※2
※2 セシウムとストロンチウムを低減した水
なお、敷地内には1061基のタンクがあります。(ALPS処理水等の貯蔵タンク1020基、ストロンチウム処理水の貯蔵タンク27基、淡水化装置(RO)処理水12基、濃縮塩水2基/2021年12月16日現在)。
※2020年12月11日に、約137万㎥のタンク設置を完了

ALPS処理水等
貯蔵量および放射能濃度

  • (2021年9月30日現在)

    *満水タンク(再利用タンク含む)のみカウントした貯蔵量で、全体貯蔵量とは差があります

ストロンチウム処理水

タンク
円グラフ テキスト

現在、ALPS処理水等は、トリチウムを除く大部分の放射性核種を取り除いた状態でタンクに貯蔵しています。
多核種除去設備は、
国の「規制基準」のうち、
環境へ放出する場合の基準である「告示濃度限度」より低いレベルまで、放射性核種を取り除くことができる(トリチウムを除く)能力を持っています。ただし、設備運用当初の不具合や処理時期の運用方針の違いなどにより、現在の
告示濃度比総和別の貯蔵量は下図の通りになっています。

タンクと敷地利用について

ストロンチウム処理水(ALPS処理前水)や多核種除去設備等の処理水*は、敷地内のタンクに貯蔵しています。2020年12月11日に、約137万㎥のタンクの設置が完了しました。
汚染水発生抑制策の効果や今後の汚染水発生量の予測について慎重に見極めていく必要がありますが、これまでの汚染水発生量の実績を踏まえると、2022年夏以降に計画した容量に達する見込みです。(タンク建設進捗状況
廃炉事業に必要と考えられる施設(貯蔵を継続するためのタンクや使用済燃料・燃料デブリの一時保管施設など)の設置に向けて、敷地全体の利用について、作業進捗に合わせ検討していく必要があります。

  • 震災前
    2009年11月
  • 震災直後
    2011年5月
  • タンク増設の変遷
    2011年3月頃~2013年3月頃:フランジ型タンクの設置
  • タンク増設の変遷
    2013年4月頃~2014年12月頃:溶接型タンク設置
  • タンク増設の変遷
    2015年1月頃~2020年12月頃:フランジ型タンクのリプレース
タンクの建設計画

2019年9月27日 第14回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会資料3より

※2020年12月11日に、約137万㎥のタンクの設置を完了

  • ※1 溶接型タンクに貯蔵しているストロンチウム処理水の処理が完了する見込みのため、ALPS処理水等の増加が緩やかになる。
  • ※2 2020年内に汚染水発生量150㎥/日程度を達成した場合の想定。汚染水の発生量が各建屋に流入する地下水の量や降雨の影響を受けて変動するため、130~170㎥/日の幅をもって試算していてる。
  • ※3 多核種除去設備の処理を行うにあたり運用上必要となるタンクとして確保しているもの。

敷地全体MAP

福島第一原子力発電所の敷地利用状況です。

※点線施設は、建設計画が決定しているものです。
※2019年10月時点

今後の敷地利用の検討

廃炉事業に必要と考えられる施設の設置に向けて、敷地全体の利用について、作業進捗に合わせ検討していく必要があります。

敷地北側
廃棄物を処理・保管するために活用するエリア
敷地南側
「ALPS処理水等を貯蔵するタンク」
「使用済燃料・燃料デブリの一時保管施設」に活用するエリア

今後具体化を検討していく施設

汚染水処理の経緯

福島第一原子力発電所では、敷地内でALPS処理水等を
タンクに貯蔵する際の国の基準「敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年」を満たすため、2013年度以降、多核種除去設備等による浄化処理を進めた結果、2015年度末に敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年未満を達成しました。
多核種除去設備は、それ以降も発電所のリスク低減を踏まえた運転を実施しています。

2013年度〜2015年度

フェーズ.1 [2013〜2015]

  • 課題

    セシウムのみを取り除いた状態の高濃度汚染水を敷地内のタンクに貯蔵していた2013年当時の敷地境界線量は、9.76ミリシーベルト/年に達し、国の定める基準である
    「敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年」を大幅に超過していた。

  • 処理方針

    多核種除去設備による処理を2013年より開始し、敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年の早期達成を目標とし、稼働率を上げて浄化処理を実施。

  • 結果

    多核種除去設備による浄化処理を進めた結果、2015年度末に敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年未満を達成した。一方、多核種除去設備の不具合などにより、核種別の告示濃度超過も発生した。

    空間線量
    処理水の放射性物質の濃度
    ※1 サンプリング数に対する告示濃度超過回数の割合を核種別に示したもの
    ※2 既設・増設・高性能多核種除去設備による処理量の合計

閉じる

2016年度

フェーズ.2 [2016]

  • 課題

    多核種除去設備等による処理が進んだことにより、処理容量がタンクの建設容量を上回ったため、処理水を貯蔵するタンクが不足しはじめた。

  • 処理方針

    処理水を貯蔵するタンクの建設を急ぐとともに、多核種除去設備の浄化能力をいかし、核種別の告示濃度を意識した処理を実施。

  • 結果

    多核種除去設備の浄化能力をいかした処理を行ったため、2013年度~2015年度と比べ、核種別の告示濃度超過の発生割合が少なくなった。

    処理水の放射性物質の濃度
    ※1 サンプリング数に対する告示濃度超過回数の割合を核種別に示したもの
    ※2 既設・増設・高性能多核種除去設備による処理量の合計

閉じる

2017年度~

フェーズ.3 [2017~]

  • 課題

    漏えいリスクの高いボルト締めのフランジ型タンクに貯蔵している水を早期に処理すること。

  • 処理方針

    2018年度末までにフランジ型タンクに貯蔵している水を多核種除去設備で処理することを目標とし、敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年未満を維持しつつ、多核種除去設備の稼働率を上げて浄化処理を実施し、リスク低減をはかる。

  • 結果

    フランジ型タンクで貯蔵するリスクを低減させることを意識し、多核種除去設備の稼働率を上げて処理を実施した。
    その結果、2018年11月に、フランジ型タンク内のストロンチウム等処理水(ALPS処理前水)については、全量処理が完了したものの、2016年度と比べ核種別の告示濃度限度超えの割合が多くなっている。
    なお、2019年3月に、フランジ型タンクに貯蔵している多核種除去設備等処理水についても、溶接型タンクへの移送が全て完了した。

    処理水の放射性物質の濃度
    ※1 サンプリング数に対する告示濃度超過回数の割合を核種別に示したもの
    ※2 既設・増設・高性能多核種除去設備による処理量の合計

閉じる

ALPS処理水等の今後

Q&A

Question and Answer

皆さまからのご質問におこたえします

  • 福島第一原子力発電所で発生している「汚染水」ってどういうものですか。
    福島第一原子力発電所の事故により発生している、高濃度の放射性物質を含んだ水のことです。

    福島第一原子力発電所1~3号機の原子炉内には、事故により溶けて固まった燃料(燃料デブリ)が残っています。燃料デブリは水をかけ続けることで冷却された状態を維持していますが、この水が燃料デブリに触れることで、高濃度の放射性物質を含んだ「汚染水」が発生します。また、この高濃度の放射性物質を含んだ「汚染水」は原子炉建屋内等に滞留しているため、建屋内等に流れ込んだ地下水や雨水と混ざることによっても「汚染水」が発生します。
    この「汚染水」は、複数の設備で放射性物質の濃度を低減する浄化処理を行い、リスク低減を行った上で、敷地内のタンクに
    ALPS処理水等」として保管しています。

    汚染水対策について詳しくみる

  • 「多核種除去設備」では福島第一原子力発電所で発生する汚染水に含まれる、すべての放射性核種を取り除くことができるのですか?
    汚染水に含まれる放射性核種のうち、トリチウム以外の大部分の核種を取り除くことができます。

    「多核種除去設備」は、福島第一原子力発電所で発生する汚染水を浄化する設備のひとつです。この設備にある、吸着材が充てんされた吸着塔に汚染水を通すことによって、放射性物質を取り除く仕組みになっており、トリチウム以外の大部分の核種を取り除くことができます。
    なお、汚染水に関する国の「規制基準」は
    ①タンクに貯蔵する場合の基準
    ②環境へ放出する場合の基準の2つがあります。周辺環境への影響を第一に考え、まずは①の基準を優先し多核種除去設備等による浄化処理を進めてきました。そのため、現在、ALPS処理水等はそのすべてで①の基準を満たしていますが、②の基準を満たしていないものが約7割あります。
    当社は、処理途上水(告示比総和1以上)の処分にあたり、環境へ放出する場合は、その前の段階であらためて浄化処理(二次処理)を行うことによって、トリチウム以外の放射性物質の量を可能な限り低減し、②の基準値を満たすようにする方針です。

    処理の経緯について詳しくみる

  • 「トリチウム」とはどういうものですか。
    水素の仲間で、放射性核種のひとつです。
    自然界にも存在し、大気中の水蒸気、雨水、水道水にも含まれています。

    「トリチウム」は水素に中性子が2つ加わったもの(三重水素)で、水素とほぼ同じ性質を持っています。
    放射性核種のひとつであり、ベータ線という放射線を出しますが、そのエネルギーは小さく、紙1枚で遮ることができるほどです。
    もともと「トリチウム」は、宇宙から降りそそいでいる放射線(宇宙線)と大気がまじわることによって常に生成されています。そのため、トリチウムが水素の代わりに酸素と結びつき、「水」のかたちで大気中の水蒸気や雨水、海等自然界に存在しています。
    「トリチウム」は、日常生活でも飲水等を通じて体内に取り込まれていますが、新陳代謝等によって、蓄積・濃縮されることなく体外に出ていきます。
    なお、国内外にある原子力施設(原子力発電所や再処理施設)では、核分裂等を通じてトリチウムが生成されており、各国が、それぞれの国の規制に基づいて管理されたかたちで、海や大気等に排出しています。

    トリチウムについて詳しくみる(経済産業省スペシャルコンテンツ) パンフレット「トリチウムについて」

  • ALPS処理水等の放射性物質の濃度はどうやって分析しているのですか。
    定期的にサンプルを採取し、放射性物質の濃度を“全ベータ測定”と“核種分析”の2つの方法で分析しています。

    タンクに貯蔵しているALPS処理水等は、トリチウム以外にも放射性物質が含まれています。その放射性物質の濃度については、さまざまな放射性物質から出るベータ線をまとめて短時間で測定できる“全ベータ測定”と、
    告示濃度限度に対して検出濃度が比較的高い主要な7つの放射性物質(※)の各濃度の合計値で評価する“核種分析”の2つの方法で分析しています。
    2018年10月、全ベータ測定値と核種分析の合計値に差(かい離)があることが分かり、その後の調査で、差分は7つ以外の炭素14,テクネチウム99が起因していることが分かりました。(2019年1月17日公表)
    今後は、主要な7つの放射性物質に加え炭素14およびテクネチウム99についても分析し、全ベータ値との差がないかを確認していきます。また、炭素14、テクノチウム99以外の不明な放射性物質がないかも調査します。
    なお、環境中に放出する場合、トリチウムを除く核種の告示濃度比総和が1以上の処理途上水は2次処理して、告示濃度比総和1未満にする方針としています。


    (※)主要な7つの放射性物質(主要7核種)
    セシウム134,セシウム137,コバルト 60,アンチモン 125,ルテニウム106(+ロジウム106),ヨウ素129,ストロンチウム90(+イットリウム 90)

  • 多核種除去設備では、どれくらいの放射性物質(核種)が取り除けるのですか。
    汚染水に含まれる62種類の放射性物質(核種)を取り除くことができるように設計・確認しています。

    国の法令では、原子力施設から放射性物質を環境へ放出する場合の告示濃度限度が定められており、その放射性物質は、約1,000種類あります。
    多核種除去設備は、汚染水に含まれる放射性物質のうち、人や環境へのリスクの観点で取り除く対象に設定した62種類の放射性物質(トリチウムを除く)を、国の規制基準(告示濃度限度)未満まで取り除く能力を有するように設計しています。

    運用を開始した初期の除去が不安定な時期や、周辺環境への影響を第一に考え「タンクに貯蔵する場合の基準」を優先して処理をしていた時期を除き、62種類の放射性物質は、告示濃度限度比総和1未満になると評価(※)しています。

    下のグラフは、汚染水に含まれる62種類の放射性物質のうち、「告示濃度限度」に対して放射性物質の濃度が比較的高いものについて、多核種除去設備で浄化処理する前(入口)と後(出口)で濃度を比べたものです。

    多核種除去設備による汚染水の「処理前」と「処理後」の放射性物質の濃度比較

    処理後を見ると、環境へ放出する場合の国の規制基準(告示濃度限度)を下回る濃度まで低減できていることがわかります。

    「62種類およびトリチウム」以外の炭素14をはじめとする他の放射性物質の濃度については、基準に照らして十分に低いと評価しています。


    (※)多核種除去設備で浄化処理した後(出口)に採取し、分析した結果から評価

  • タンクに貯蔵している国の規制基準を満たさない水(告示濃度比総和※が1以上)はどのように処理するのですか。
    ※放射性物質毎に法令で定める告示濃度限度に対する濃度の比率を計算し合計したもの
    トリチウム以外の放射性物質については、告示濃度比総和1を確実に下回るまで、多核種除去設備等であらためて浄化処理(二次処理)を行います。

    二次処理にあたり、その性能確認を行うため2020年に試験を実施しました。 この試験では、告示濃度比総和が異なるタンク群(「J1-C群」及び「J1-G群」)について、各々約1,000m3(合計約2,000m3)を二次処理し、トリチウムを除く放射性物質(62種類の放射性物質+炭素14)が国の規制基準値(告示濃度比総和1)を下回る値まで低減できることを確認しています。また、多核種除去設備による二次処理後のALPS処理水を第三者機関にて分析を行い、当社の分析結果と同様な結果が得られています。

    <除去対象核種(62核種)+炭素14の告示濃度比総和※>
     J1-C群 : 【処理前】2,406 → 【処理後】0.35
     J1-G群 : 【処理前】 387 → 【処理後】0.22

    *分析結果が検出限界値未満の放射性物質は、検出限界値を用いて算出。
    *除去対象核種(62核種)+炭素14のうち、検出された放射性物質は12種類(ストロンチウム90、イットリウム90、ルテニウム106、ロジウム106、アンチモン125、テルル125m、ヨウ素129、セシウム135、セシウム137、バリウム137m、コバルト60、炭素14 )。


    〇参考資料
    2020.9.10
    多核種除去設備等処理水の二次処理の性能確認試験
    2020.12.24
    多核種除去設備等処理水の二次処理性能確認試験結果(終報)
    2021.6.24
    多核種除去設備等処理水の二次処理性能確認試験結果(第三者機関)

  • 海洋放出にあたり、どのような水を放出するのですか。
    浄化処理、希釈処理を行い、安全に関する国の規制基準等を遵守した水です。

    法令に基づく規制基準等の遵守はもとより、国際法や国際慣行に基づき、放出する水が安全であることを確実にします。
    具体的には、放出する水を2段階で浄化・希釈処理を行います。
    第1段階として、トリチウム以外の放射性物質の濃度について、環境へ放出する際の規制基準値を確実に下回るまで浄化処理を行います。また、希釈放出前に、ALPS処理水中の放射性物質(トリチウム、62種類の放射性物質、炭素14)の濃度を測定・評価し、第三者による確認を得ます。
    第2段階として、トリチウムについては、大量の海水(100倍以上)で希釈することで、その濃度を環境へ放出する際の規制基準値(60,000ベクレル/リットル)の40分の1となる1,500ベクレル/リットル未満にします。
    なお、この希釈に伴い、第1段階の浄化処理によって、既に国の規制基準を下回っているトリチウム以外の放射性物質は、さらに100分の1(告示濃度比総和0.01)未満となります。

  • 福島第一原子力発電所から「放出する水」と「他の原子力施設から排出される水」とで、違いがあるのですか。
    放射性物質を環境中へ放出する際の国の規制基準を満たす、という点では、他の原子力施設から排水される水と違いはありません。

    放射性物質を原子力施設から環境中へ放出する際に、管理対象とする放射性物質の種類ついては、国の規制基準の下、施設毎(事業内容、炉型など)に定められています。
    福島第一原子力発電所のALPS処理水においても、環境へ放出する場合には、トリチウム以外のそれら放射性物質について、他の原子力施設と同様に、規制基準値を下回る濃度であることを確認します。

    福島第一原子力発電所における「浄化処理前の汚染水」には、事故により、一般の原子力発電所からの排水※には通常含まれない(例えば、ストロンチウム90やセシウム137などの)放射性物質が含まれていますが、浄化処理したALPS処理水の処分に際して、国の規制基準を遵守することとしています。
    ※一般の原子力施設の排水には、トリチウムやコバルト60、マンガン54等の放射性物質が含まれる場合があります。

    なお、福島第一原子力発電所では、事故当時に津波が流入したことにより、海水に由来する塩分や、建屋内に設置されていた機械の潤滑油など、不純物が含まれています。これら不純物についても、環境へ放出する場合には、水質汚濁防止法などに基づき、基準を満たしていることを確認します。

  • 処理水に含まれる放射性物質の炭素14(C-14)について、濃度や国の規制基準を教えてください。
    処理水に含まれる炭素14の濃度は、放射性廃棄物の国際的基準に沿う形で導入されている国の規制基準を満たしています。

    原子力施設から放射性物質を含む液体又は気体を環境中に放出するにあたっては、公衆や周辺環境の安全確保が大前提であり、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に沿って従前から定められている国の規制基準を確実に遵守することが求められています。
    ALPS処理水等の貯蔵タンク(2020年6月末までに分析を実施したタンク;計80基)における炭素14の濃度は、国の規制基準(告示濃度限度)である2,000ベクレル/リットルに対して、平均で42.4ベクレル/リットルです。仮にその水を、成人が毎日約2リットル、一年間にわたり飲み続けた場合でも、年間で0.021ミリシーベルト程度となっています。
    ALPS処理水(炭素14も含めてトリチウムを除く核種の告示濃度比総和が1未満)を環境へ放出する場合は、トリチウムの濃度が国の規制基準を十分に下回るよう100倍以上に希釈を行うことで、周辺地域の皆さまの健康や環境、産物等に関する安全をしっかりと確保してまいります。
    ※ 最小2.53ベクレル/リットル、最大215ベクレル/リットル

    ALPS処理水タンクにおけるC-14告示濃度比の分布
    特定原子力施設監視・評価検討会(第83回)資料5-3

  • 2021年9月に多核種除去設備(ALPS)にて排気フィルタの損傷が確認されましたが、浄化性能に影響はないのですか?
    浄化性能・浄化運転へ直接影響するものではございません。

    多核種除去設備(ALPS)は放射性物質を除去する主要設備と、運転に伴い発生する廃棄物を処理する付属設備から構成され、今回は付属設備側の排気フィルタの損傷が確認されたもので、浄化性能・浄化運転へ直接影響するものではございません。

  • 2021年9月に多核種除去設備(ALPS)にて排気フィルタの損傷が確認されましたが、周辺環境や作業員に影響はないのですか?
    多核種除去設備(ALPS)の建屋内において、放射線安全上の問題は発生しておりません。また、周辺環境への影響はありません。

    これまでに多核種除去設備(ALPS)の建屋内において、内部取り込みなどは発生していないことから、放射線安全上の問題は発生しておりません。
    排気フィルタの損傷に伴う影響については、排気フィルタに損傷が確認された設備の排気配管の表面での汚染にとどまっており、周辺に汚染が拡大していないことを確認しています。
    また、建屋出入口での定期的なダスト濃度やスミア測定で有意な上昇が確認されていないこと、構内のダストモニタに有意な上昇が見られていないことから、周辺環境への影響はありません。