電力固定価格買い取り制度の加算額を引き下げ

(フィリピン)

マニラ発

2020年02月21日

フィリピンエネルギー統制委員会(ERC)は1月28日、太陽光発電などの再生可能エネルギーの電力固定価格買い取り制度(FIT)のためにフィリピン送電公社が電気料金に上乗せしていた1キロワット時当たりの加算額を0.2226ペソ(約0.49円、1ペソ=約2.2円)から0.1731ペソ引き下げ、0.0495ペソとすることを承認した。1月29日付の「フィルスター」ほか地元各紙が報じた。

ERCのアグネス・デヴァナデラ最高経営責任者(CEO)は、今回の加算額の引き下げは、送電公社がERCから通達を受領次第、個人を含む全国の全ての電力需要家の次回以降の電気料金の請求書に反映されるとした。ERCは1年に1度加算額の見直しを行っている。

フィリピンでは2008年にアロヨ大統領(当時)が再生可能エネルギー法案を承認し、FITの導入が決定した。しかし、送電公社によるFITのための加算額の策定作業などが遅れ、2012年7月のERCによる価格決定までFITの実際の運用は開始されていなかった。

その後、太陽光発電をはじめ再生エネルギーの活用が進み、エネルギー省は2019年8月末時点で同省に申請中の新規発電プロジェクトの電源別発電容量内訳について、太陽光発電が1万1,348メガワット(MW)と全体の26.7%を占め、石炭火力発電(1万868MW、25.6%)を抑えて1位になったと発表。再生可能エネルギーは2万878MWと全体の半数(49.1%)を占め、その内訳は多い順に、太陽光発電(1万1,348MW、26.7%)、水力発電(5,081MW、12.0%)、風力発電(3,757MW、8.8%)、地熱発電(422MW、1.0%)、バイオマス発電(281MW、0.7%)となったとした。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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