ベトナムの2019年の貿易、黒字幅が過去最高に

(ベトナム)

ハノイ発

2020年02月27日

ベトナム税関総局によると、2019年の輸出は2,641億8,937万ドル(前年比8.4%増)、輸入は2,530億7,092万ドル(6.8%増)だった。貿易収支は111億1,845万ドルと4年連続の黒字になるとともに、過去最高の黒字幅を記録した。

主要国・地域別では、輸出相手先1位が米国で613億4,659万ドル(29.1%増)、2位が中国で414億1,409万ドル(0.1%増)、3位が日本で204億1,264万ドル(8.4%増)だった(表1参照)。米国向けは、一部の農産物や原材料などを除いて、幅広い品目で輸出が増え、大幅な伸び率となった。輸入相手先は、1位が中国で754億5,194万ドル(15.2%増)、2位が韓国で469億3,458万ドル(1.4%減)、3位が日本で195億2,552万ドル(2.5%増)となった。貿易収支では、米国が469億8,120万ドルの黒字(35.1%増)、中国が340億3,785万ドルの赤字(40.9%増)だった。

表1 ベトナムの主要国・地域別輸出入(通関ベース)

主要品目別にみると、輸出では1位が電話機・同部品で513億7,883万ドル(4.4%増)、2位はコンピュータ電子製品・同部品で359億2,557万ドル(21.5%増)、3位は縫製品で328億5,023万ドル(7.8%増)となった(表2参照)。

表2 ベトナムの主要品目別輸出(通関ベース)

輸入では、1位がコンピュータ電子製品・同部品で513億5,327万ドル(19.1%増)、2位が機械設備・同部品で367億4,861万ドル(11.8%増)、3位が電話機・同部品で146億1,563万ドル(8.2%減)だった(表3参照)。

表3 ベトナムの主要品目別輸入(通関ベース)

内外資本別では、外資企業による輸出入の伸びが小幅だったのに対し、国内企業は輸出で前年比18.2増、輸入で14.2%増と高い伸び率になった。

米中貿易摩擦の影響を受け、ベトナムから米国向けの輸出が大幅に伸びたが、輸出全体では前年比8.4%増と、前年の伸び率13.2%を下回った。ベトナムで2019年1月14日に発効した、環太平洋パートナーシップに関する先進的かつ包括的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)の締結国の中では、自由貿易協定(FTA)がなかったカナダ向け輸出額が前年比29.8%増、メキシコ向けが26.3%増と大きく伸びた。

(庄浩充)

(ベトナム)

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