「再生可能エネルギーのほうが経済的にプラス」 原発ゼロの政策提言を刊行 原子力市民委員会

2022年11月11日 18時53分
 脱原発を掲げる有識者や市民団体でつくる「原子力市民委員会」(座長・大島堅一龍谷大教授)は、原発のない社会を実現するための政策をまとめた提言「原発ゼロ社会への道」を発行した。
 2050年の脱炭素社会実現に向け、政府や電力業界が原発の必要性を主張していることに対し、原発を活用した脱炭素化は再生可能エネルギーの拡大を阻み、「環境破壊型のカーボンニュートラル(脱炭素)をもたらしかねない」と警鐘を鳴らした。
 10年からの10年間で、太陽光パネルの価格は約10分の1に下がったのに対し、原発の発電コストは1.5倍から2倍に上がっていると指摘。「50年に再生可能エネルギー100%を達成するほうが、原発や化石燃料に頼るよりも経済的にプラスになる」とした。
 原発ゼロ社会への道筋として、地域分散型のエネルギー政策や、市民の意見が尊重される政策決定方法への転換を求めた。東京電力福島第一原発の事故収束作業の課題や、核燃料サイクルなど原子力政策の問題点も解説した。
 14、17年に続き3回目の政策提言。B5判、256ページ。価格は1980円、電子書籍は1650円。問い合わせは原子力市民委員会事務局=電03(3358)7064=へ。(小野沢健太)

おすすめ情報

社会の新着

記事一覧