イーロン・マスクにカニエ・ウェスト、カリスマと狂気は表裏一体？【ピーチズのOM(F)G！】

イーロンの荒ぶる改革（？）の目的については誰もよくわからないし、多分、イーロン自身もわかっていないのかも。しかし短絡思考で行動した結果、解雇した元従業員がTwitter社を相手に集団訴訟を起こすことに！　カリフォルニアでは100人以上の従業員を抱える企業に対し、大量解雇やその他の業務停止について60日前に通知することを義務付けているが、イーロンはそれを無視。買収直後に会社をクリーンアップするとでも言わんばかりに洗面台を手にTwitter社に乗り込み、大量虐殺（解雇）を行ったのだ。通常の倍近い退職金を払えば文句を言われないと思ったのかもしれないけど、そう考えること自体が不遜すぎません？　ちなみに後日、彼と取り巻きは会社の運営に必要な人材までクビにしていたと気づいて、「間違って解雇したので、戻ってきてください」と呼びかけているとか。馬鹿すぎて笑える。

8ドル支払ってハンドルネームを“イーロン・マスク”関連に変えたコメディアンやセレブのアカウントを次々と永久停止処分にしたり、AOC(アレクサンドリア・オカシオ＝コルテス議員)やマーク・ラファロとTwitter上で喧嘩したりする前にやることあるんじゃないの？　と世界中の人々が思ったはず。『アイアンマン』シリーズでロバート・ダウニーJr.が演じたトニー・スタークのモデルだった天才もすっかり地に落ちてしまったわけだけど、この“天才”が曲者だった。カルト信者もかくやの崇拝者におだてあげられるのに慣れきったイーロンは、きっと自分を神様と勘違いしたのでしょう。44ビリオンで手に入れたおもちゃをどうしようが自分の勝手と思っているのもなんだかな〜という感じ。彼が嫌われ、訴えられたのも納得だ。中間選挙後、バイデン大統領がイーロンと外国との協力関係や技術的関係については「注視に値する」と発言しているのも不安材料だろう。

アイザックソンによると、マスクは最近、アーティストのグライムスとの間に第３子、テクノ・メカニカス君（通称Tau）をもうけたばかり。本のプロモーションを兼ねて受けた「TIME」誌の取材で彼は、マスクと並んで座るパートナーのシヴォン・ジリス（マスクが所有する会社ニューリンク社のプロジェクト・ディレクター）が双子ストライダー＆アズールを抱く写真をSNSにアップ。作家アイザックソンが家族写真をアップした理由はよくわからないが、マスクに普通の父親としての顔もあると伝えるためかも。

しかし写真を見て衝撃を受けたのが元パートナーのグライムスだった。Ｘ（旧Twitter）に“Tell Shivon to unblock me and tell Elon to let me see my son or plz respond to my lawyer”（シヴォンに私のブロックを解除するように言って。イーロンには息子に会わせろと伝えて。そうじゃなきゃ私の弁護士に連絡させて）、 “I have never even been allowed to see a photo of these children until this moment, despite the situation utterly ripping my family apart”（家族を引き裂く原因になったにも関わらず、この瞬間まで、私は双子の写真を見ることすら許されていなかった）とアイザックソンの投稿への反応へと思われるメッセージをツイート（直後に削除している）。

グライムスのメッセージから察するに、彼女が産んだ長男Æ A-XII（通称X）は、マスクが引き取って、サンフランシスコの豪邸で彼とシヴォーンの双子と一緒に育っているもよう。しかも二人は、グライムスが息子に会う権利を迫害している可能性さえありそう？　新たな戦争勃発？

ドラマ好きな人には残念なお知らせとなるが、数日後、グライムスはツイッターで、“I spoke with Shivon at length finally, which was long overdue. This wasn’t her fault, plz don’t be angry at her!”
（もっと前にすべきだったけれど、やっとシヴォンとじっくり話した。これは彼女のせいじゃない、彼女に怒らないで！）とファンに伝え、 “We respect each other a lot and we’re excited to become friends and have the kids grow up together”（私たちはお互いに尊敬し合っているし、友達になって子供たちが一緒に成長するのを楽しみにしている）と事態を収拾しているので、マスク側となんらかの話し合いが行われたのだろう。

マスクとは2021年9月に破局したグライムスは、その３ヶ月後に代理母出産で長女エクサ・ダーク・サイデリア（通称Y）をもうけている。そのわずか１ヶ月前にシヴォンはマスクの息子と娘となる双子を出産していたのだが、グライムスがそれを知ったのは、8ヶ月も経ってからだった。普通の女性だったらきっと、裏切られたと怒りそうなものだが、別れた後もグライムスはマスクを「Love of my life（最愛の人）」と呼び、代理母出産で第3子をもうけたのも交際中に「子供は最低でも3人から4人は欲しいね」と話し合った結果のよう。

しかし、相容れない部分もあった。伝記によると、グライムスが帝王切開手術で長男を出産中、マスクはその様子を撮った写真を友人や親族にリアルタイムで送信していたそう。げっ！　彼女の父親や兄も受け取ったというから、グライムスの誤解や勘違いではない。もちろんグライムスはマスクの行動に激怒したのだが、彼は何がいけなかったのか理解できないままだったそう。これが破局の原因というわけではないだろうが、デリカシーが無さすぎるというかなんというか……。

とはいえ、マスクとジェーンの親子関係が悪化した要因の一つは、彼のLGBTQ +への理解度の低さによる部分が大きいはずだ。改名前に叔父にメールでトランスジェンダーであることを告白したジェーンは、父親には絶対に伝えないでほしいと念を押したとのこと。IT技術はもちろん、電気自動車や宇宙開発と時代の先端を突き進むマスクだが、ジェンダー問題では非常に保守的な思考なのが実に不思議だ。

イーロンと同時期に訴訟を起こされたのは、これまたカリスマ経営者として評価が高かったアマゾンの元CEOジェフ・ベゾス。
彼もやはり目が離せない天才だ。元家政婦メルセデス・ヴェダから訴えられているのだが、その理由は労働環境の劣悪さ。ヴェダ氏とヒスパニック系の家政婦たちは、“危険で不衛生な労働環境”と“人種差別”に直面しながら、休憩時間なしで1日10〜14時間働かされたとのこと。

裁判所に提出された書類によると、ヴェダたち家政婦はトイレに行くために洗濯室の窓から出入りする必要があったという。ベゾス邸の見取り図が見たくなる申し立てだが、窓から出入りとは多分、尿意が限界に近づいていて一刻も早くトイレに駆け込みたい家政婦たちが見つけた近道だったのだろう。かつてアマゾン社従業員から「トイレに行く時間を与えられず、ペットボトルで用を足していた」と暴露されたことのあるベゾスは、従業員や使用人がトイレを使うのが相当嫌なのかもしれない。「時は金なり」という思考？　でもトイレ休憩なしはひどいな、膀胱炎になっちゃうよ。

人種差別に関しては、家政婦は一人の白人を除いてヒスパニック系で、上司である白人のハウスマネジャーがヒスパニック系には無礼な態度だったとヴェダは主張。ベゾス（キューバ系なので、ある意味ヒスパニック）が彼女に無礼な態度をとったわけではないので責められるのはお門違いな気もするが、法律上は雇用者の管理も雇用主の責任なのだろう。ベゾスはやはり、授業員や雇用者に対するリスペクトが欠けていたに違いない。

ちなにみ彼はタレントのローレン・サンチェスと不倫し始めたあたりから、派手でセンスの悪いファッションでパーティーシーンに顔を出すようになり、経済界では“成功をランボルギーニで証明する歯科医”みたいと陰口を叩かれているという。アンチが増えるわけだ。