自民党の安倍晋三元首相の死去を受け、菅義偉前首相の動向に注目が集まっている。先の参院選で菅氏は自民系候補らの応援演説で人気を集めたほか、岸田文雄首相が安倍氏死去直後の11日、「与党・自民は覚悟を新たに一致結束する」と述べたこともあり、9月上旬に予定されている内閣改造・党役員人事で挙党体制の象徴として、副総理への起用が取り沙汰されているためだ。
菅氏は27日午後、インドネシアのジョコ大統領と東京都内のホテルで会談した。菅氏は約2年前の首相就任後初の外遊先としてインドネシアでジョコ氏と会談しており、両氏は旧交を温めた形だ。会談には二階俊博元幹事長と森山裕総務会長代行も同席した。菅氏は19日に韓国の朴振(パク・チン)外相と会談するなど、一定の存在感を示している。
菅氏は25日夜にも二階、森山両氏と東京・東麻布の中国料理店で約2時間にわたって会談した。出席者の1人は会合後、「ただの暑気払いだ」とけむにまいたが、安倍氏の死去で勢力図が変わりつつある党内情勢について意見を交わしたものとみられる。