戴冠式での凛とした騎馬姿が注目を浴び、ロイヤルメンバーの中でも最も多くの公務をこなしていると言っても過言ではない、エリザベス女王の長女でチャールズ国王の妹・アン王女。一方、ウィリアム皇太子の長女で、未来の国王となる予定のジョージ王子の妹・シャーロット王女。シャーロット王女のことを、チャールズ国王の大きな支えとなっている大叔母、アン王女に例える声もある。
王位継承者の妹で、しっかり者な2人は、どんな役割を果たしているのだろうか。共通項を探っていこう。
誰よりも多く公務に邁進！
アン王女は英国王室の中でも最も多く公務を行っているメンバーの一人。イギリスのインターネット・マーケティング会社（Reboot SEO Company）によると、2022年には214件もの公務を引き受けていて、王室での公務の数は1番だった。1970年からセーブ・ザ・チルドレンUKの会長を務めるなど、実に300以上もの団体に関わっており、多忙を極めている。
2016年10月、カナダへのロイヤルツアーに参加し、キュートすぎる初公務姿を披露したのを皮切りに、既に多数の公務をこなしているシャーロット王女。
これまでは両親や兄ジョージ王子に同行する意味合いが強かったのかもしれないが、2022年8月には、コモンウェルスゲームズの観戦へ、兄弟を伴わず初めて一人で両親の公務に同行した。
シャーロット王女も、今後王室の中ではアン王女がたどってきたように、多くの公務を引き受けていくことになると思われている。
兄の一番の理解者である
生まれた時から、そばで兄を見守ってきたアン王女。写真は、2022年9月19日、母エリザベス女王の国葬が行われた、ウェストミンスター寺院で撮影されたもの。アン王女はチャールズ国王に対し、兄を思いやるような、心配しているような眼差しを向けている。この1枚からも、2人の関係性やアン王女の思いが表れているようにも見える。
同じ日の2022年9月19日、エリザベス女王の国葬の後、葬列が行われたときのこと。ピープルによると、シャーロット王女が兄のジョージ王子に対し、女王の棺にお辞儀をするよう、作法を教えていたそう。
また、2022年6月、プラチナジュビリーのバルコニーにて、ジョージ王子がバルコニーの手摺に手をかけていることに気づき、シャーロット王女がさりげなく背中に腕を伸ばして姿勢を正すように促していたところがキャッチされた。
シャーロット王女は既に、兄ジョージ王子を大いにサポートしている模様だ。
凛とした佇まいがトレードマーク
2023年5月6日の兄チャールズ国王の戴冠式では、寺院からバッキンガム宮殿へ向かうパレードにて、アン王女は唯一の王室メンバーとして馬に騎乗し、ゴールドスティックを持つ将校として約6000人の先頭に立った。軍服姿で先導するその凛とした姿に、ロイヤルファンならずとも、世界の人々が大いに魅了された。
2022年6月4日、プラチナジュビリー期間中にウェールズを訪問した時のシャーロット王女。手を前に組み、すでに大人かのような凛とした表情を見せている。お茶目な表情もとってもキュートだけれど、時に見せるこのようなきりっとした姿には、“只者ではない感”を感じずにはいられない。
応援にはつい熱が入る！
意志の強い、凛とした佇まいを見せることの多いアン王女だが、とりわけ観戦時には一生懸命応援し、感情を露わにすることもある。
2007年、競馬の障害競走の祭典であるチェルトナムフェスティバルで捉えられたアン王女は、眉間にしわを寄せ、叫び声を上げているようだ。例年のロイヤルアスコットや、1962年（12歳の時）の時のウィンブルドン観戦時など、時に笑顔に、時に真剣に、観戦する様子が見られる。
2023年7月16日、ウィンブルドンの決勝戦をロイヤルボックスで観戦したシャーロット王女。ジョージ王子と共に真剣に試合を見つめる様子や、歓喜のガッツポーズなど、くるくる変わる表情が話題になった。
その生き生きとした反応を見て、その観戦の様子がアン王女に似ているとか、雰囲気がそっくりと言った声が上がっていたようだ。
究極のカーテシー姿
カーテシーとは、片足を斜め後ろの内側に引き、もう一方の足の膝を軽く曲げて行うもので、王室の女性メンバーが、位の高い王族に対してする作法のこと。
アン王女の美しきカーテシー姿が感動を呼んだのは、2022年9月11日、母エリザベス女王の棺がエディンバラにあるホリールード宮殿に運び入れられた時のこと。エリザベス女王の棺に向かいカーテシーを行い、亡き母に対し、最大限の敬意や深い尊敬の念を表すその姿は多くの感動を呼んだ。
プリンセスは、5歳までにはカーテシーの作法を身につけるものとされているが、シャーロット王女の場合、なんと2歳の時に初のカーテシー姿を見せた。
2017年7月、ポーランドでのロイヤルツアー中、飛行機の階段下に敷かれたレッドカーペットの上で、膝を折ってとってもかわいいお辞儀をしていた。本来、他の王室メンバーに対してするものではあるが、普段からこのポーズを練習しているのでは？とか、すでに公務のプロだ、と評された。
この写真は2019年12月、4歳の頃のクリスマス礼拝で見せたカーテシー。
ファッションアイコンである
スタイリッシュなトラッドスタイルがお得意アン王女は、その上品な着こなしで“隠れファッションアイコン”としても知られている。
エリザベス女王やキャサリン妃も着回し上手で知られているが、アン王女はさらにその上を行くと言われていて、例えば、2018年のコモンウェルス・デーで着用していたコートが、初めてお目見えしたのはなんと1980年6月のこと（写真参照）。判明しているだけでも8回は公の場で着られていて、約40年間にわたってこのコートを着続けているのだ。
このように、サステナブルという言葉が広く知られる前から、サステナファッションを体現しているプリンセスでもあるのだ。
ブランドビジネスの価値を調査するコンサル会社ブランド・ファイナンスによると、初公務から2年ほどで、シャーロット王女の経済効果は30億ポンド以上と算定された。シャーロット王女が着用したアイテムの検索数もすさまじく、母キャサリン妃を超えることもあり、“シャーロット効果”とも呼ばれている。
そんなシャーロット王女の王道スタイルと言えば…、筆者は、この写真のような小花柄ワンピースと思う。
乗馬を愛している
乗馬の達人として知られるアン王女は、1976年、26歳の時には、イギリス代表選手としてモントリオールオリンピックに出場したこともあるほどの腕前。母エリザベス女王愛馬グッドウィルに乗り、3日間の馬術競技に出場、英国王室として初めてオリンピックへの出場を果たした。
英国オリンピック協会会長として馬術競技に関わり続けており、1988年から国際オリンピック委員会のメンバーも務めている。
最近では、2023年5月の戴冠式パレードや、6月のトゥルーピング・ザ・カラーなどで、かっこいい騎乗姿を見せている。
シャーロット王女は、1歳の頃から乗馬を習っているようで、2016年に、子どもたちが乗馬のレッスンに夢中であることをキャサリン妃が明かしている。また、ロックダウン中だった2021年、ロンドンタイムズ紙によると、別邸アンマーホールで生活していたウィリアム皇太子のキッズ3人は、乗馬の習い事に熱心に取り組んでいたようだ。
2016年9月の写真のこの日、カナダに外遊中の1歳数か月だったシャーロット王女は、ポニーに乗る姿も目撃されている。
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